【型揃いの強引タン能】磯の春を告げるチヌ(クロダイ)の乗っ込みの好機到来

寄稿:竹村勝則

竹村勝則 プロフィール

元釣場速報編集部のベテラン記者。堤防釣り、磯釣り、渓流釣りなどに造詣が深く、各地の堤防、磯、渓流などに積極的に繰り出している。ウキなども自作するこだわりの強い1面もある。
中紀湯浅湾の渡船は3月から開幕

中紀湯浅湾の磯釣りは冬場は渡船が休業中だが、例年3月1日から渡船再開で、チヌが春告げ魚となって、チヌ釣りファンがやってくる。

今年の3月初旬は水温が12度と低めだったせいか、チヌ釣況はポツポツだったが、大釣りはなくても、水温が低くても釣れるのがチヌで、3月中旬までに日ムラはあるものの、数では10尾ほど釣れた人や、大チヌでは50cm級が数は少ないながらも釣れていた。

乗っ込みチヌが本番になると、各磯で好釣果が上がり、エサ取りが多くなってくると、フカセ釣りから紀州釣りに釣り方をかえて狙う。秋深まるまでチヌがよく釣れる好場である。

かるも丸の渡船で1番船で出船

栖原漁港のかるも丸の1番船(5時半)で有田の大向優斗氏と一緒にカルモ島の好磯・一のハエへ上がった。

大向氏は以前、チヌ釣りは18年のベテランで、一のハエの船着きポイントを譲ってくれ、大向氏は東端の飛び渡りポイントへ入った。

大向氏の渡った磯

当日は風もあまりなく、潮も流れない

当日は中潮で、朝は東寄りの風がそよそよ吹く程度で、潮はあまり流れない。湯浅湾栖原(和歌山県)の磯では、乗っ込みチヌ釣りが本格的になってきた。実釣取材当日(3月24日)は一のハエでチヌが5尾、4尾。カルモ島の水ハナではチヌ4尾、穴口東ではチヌ6尾など、広範囲でチヌが釣れている。チヌ釣りはこれから本番になる。

朝に船頭に聞いた話では、「水温がまだ12度台と低いようで、前日はチヌの食いが渋かった」と言う。

釣り初めてから2時間はアタリもなく…

釣り始めて2時間しても、アタリがなければエサも取らない。竿2本ほど前を、タナは4~5ヒロで探って、やっと小型ガシラとイソベラが1尾ずつきただけ。

8時半過ぎ、大向氏が竿を大きく曲げて魚とやり取り中。竿が細い00号だけに、手元近くからグイーっと曲がり、強引を楽しんでいるように見受けられる。

やがてタモですくったのは、キレイな魚体の乗っ込みチヌで37cm。

大向氏の釣り上げた1尾目のチヌ

アタリが3回あったが食いが渋く、エサを離すような感じだったので、針のチモトに打っていたオモリを外し、ハリスにはガン玉を打たなかったと言う。

大向氏の仕かけは以下の通り

大向氏の仕かけは、竿は00号の5.3m、レバーブレーキ付きリールに道糸1.75号、ハリス1号、針はチヌ針4号から2号にかえた。ウキはG2。

ウキ下は4ヒロで、少しハワセ気味。サシエはオキアミのボイル。

筆者もオモリを外してスルスル釣りに

こちらは5Bオモリ(ウキも)で早くタナへ沈め、エサをハワセていたが、これではアタリがでないとみて、00号でウキ止めなしのスルスル釣りに切りかえた。

風が止んでベタ凪になったので、釣りやすくなってきた。9時過ぎ頃、仕かけが馴染んでウキがシモリ始め、そのウキが止まったまま動かない。

ファーストヒットは40cm級のチヌ

アタリか!と思って竿先で「モシモシ」と聞いてみると、根掛かりでないグーッという重量感。そのまま聞き合わせで竿を立てて合わせた。

グイッグイーッのこの強引はチヌだ。春のチヌは目方があるので、重量感たっぷりの引きを楽しめる。

このチヌもキレイな乗っ込みの個体で、40cmあった。

筆者の釣り上げたチヌ

大向氏の釣友がチヌを4尾釣り上げた

大向氏の釣り仲間の田口康晃氏が、穴口東で朝の時合にチヌを入れ食いさせたという情報が入ったので、渡船が来た時に大向氏と一緒に見に行った。

田口氏の活かしバッカンには、何とチヌの35~38cmが4尾と37、38cmのマダイが1尾入っており、朝の4投目にマダイがきて、その後にチヌが釣れたと言う。

田口氏の仕かけは以下の通り

田口氏の仕かけは、竿は1.25号の5m、レバーブレーキ付きスピニングリールに道糸は2.5号、ハリスは1.7号2ヒロ、針はチヌ針2号、ウキは0号でウキ止め糸は約5m。オモリはG5を2、3個打ち、竿2~3本前方を大ハワセで狙った。

サシエはオキアミで、アタリはかなり渋かったと言う。

戻ると活性が上がりチヌが釣れる

磯を2、3カ所回ってから一のハエへ戻る。11時頃、また同じようなアタリがでて、釣れたのは39cmのチヌ。12時過ぎ、大向氏が45cmの良型チヌを釣ったのとほぼ同時に、こちらも37cmのチヌを釣る。

午後は風が南西にかわり、少し波が出たが、魚の活性も上がったようで、エサ取りのイソベラとガシラが数尾釣れ、フグに針を3回取られた。

朝より午後の方がチヌが順調に釣れ、大向氏は37~48cmを4尾。

こちらは38~40cmを5尾の釣果。

当日は穴口東で田口氏がチヌを2尾追加して、合計6尾。水のハナではチヌ4尾、ほかの磯でも3尾、2尾とチヌは広範囲の磯で釣れており、春の乗っ込みが本格的になってきた様子。これから好釣果に期待できそうだ。

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