【初めてのクーラーボックス選びの参考に】バランスのよい選び方は?

クーラーボックス。それは釣った魚を美味しく持ち帰るにも、釣行中の飲食物の鮮度を保つにも必須のアイテムであります。

では、どんなクーラーが自分には向いているのか?

今回はシマノのクーラーボックスを例に、そんなところをお伝えしていきたいと思います。

ここでは、「フタが開きやすい」とか「コロコロがついている」などの機能面は一旦忘れて(笑)、保冷力を中心に考えてみたいと思います。

保冷力の目安「I-CE」

出典:シマノ公式

シマノのクーラーボックスのほぼ全製品に「I-CE」という保冷力を示す、独自の単位が設けられています。

I-CE=Ice Control Efficiency。アイス、コントロール……あ、あ、アフェンションシー!? まぁともかく氷保持能力を指します。

で、そのI-CEは「クーラー内容量の20%の氷を31℃の温度下で1時間保持できることを1hと表す」とされています。例えば「I-CE 70h」なら、上記条件で氷を70時間キープできる保冷力がある目安となる、と。

分かりやすいですよね。簡単に言えば数字が大きければ、保冷力は高いと。

念のため、お伝えしておくとクーラーの容量の20%の氷ですから、例えば20リットル容量のクーラーなら4キロの氷を入れた時…みたいなイメーじですかね。また、フタを開閉しない状態での値であることも理解しておきましょう!

断熱材の種類

そして、その保冷力を決めるのが断熱材(断熱構造)です。

長々説明するより、パッと分かるのがシマノ公式webサイトにあるこちら。

簡単にいえば採用される断熱材が、真空パネル>発泡ウレタン>発泡ポリスチレンという具合に保冷力も高くなります。

ポリスチレン(スチロール)に対し、発泡ウレタンは約1.5倍、真空パネルは10倍もの断熱効果があるんだとか。

そしてシマノではクーラーボックスのシリーズによって、その断熱材が分けられているのが上記画像から分かります。

改めてシリーズごとの断熱構造と断熱材をまとめてみると…

シリーズ ULTRA PREMIUM PREMIUM LIMITED BASIS LIGHT
断熱構造 6面極厚真空パネル 6面真空パネル 3面真空パネル 1面真空パネル 真空パネルなし 真空パネルなし
断熱材 発泡ウレタン 発泡ウレタン 発泡ポリスチレン 発泡ウレタン 発泡ポリスチレン 発泡ポリスチレン 発泡ウレタン 発泡ポリスチレン

上記が基本。基本、と書いたのは例えばプレミアムのひとつ「フィクセルプレミアム」の12リットルでは、上記表では6面真空パネルとなっていますが、実際は5面(上ブタ面は真空パネルなし)となっています。

これは12リットルという小さなクーラーですから、より軽量で機動力を活かしやすい仕様としているからです。後述しますが、真空パネルは圧倒的な保冷力を約束してくれる代わりに若干重くなるのです。

また例えばBASIS(ベイシス)の断熱構造が「1面真空パネル」と「真空パネルなし」に、断熱材に「発泡ポリスチレン」と「発泡ウレタン」とあります。

基本的に「真空パネルなし&発泡ウレタン」が採用されるベイシスですが、一部モデルにベイシスだけれど「1面真空パネル&発泡ポリスチレン」が採用されるモノがありますよということです(例えばスペーザ・ベイシスというクーラーボックス)。

まぁ、種類も多彩になったことで例外はあるので、実際に気になるモデルは公式サイトをチェックするのがよしってことですね。

シマノのクーラーボックスのラインナップ

さて、ではシマノにはどんなクーラーボックスの現在のラインナップがあるのかというと…。

・フィクセル
・スペーザ
・インフィックス
・フリーガ

ごく簡単に説明していくと、フィクセルはオーソドックスな形状で汎用性の高いモデル。両面開き(ラックトップレバー)など利便性の高い機能も多数。

スペーザは横長の形が特徴的。青物系やタチウオ、シーバスなんかを折らずに収納しやすいのが魅力。ラックトップレバーが搭載され、タイヤ付きのモデルが多いのも目立ちます。

インフィックスは基本性能が高く、重量が軽めでコストパフォーマンスにも優れたモデル。魚を投入できる窓口が付けられていたり、手動でのロックであるものの両開きのフタなどが便利。27Lのみ。

フリーガも軽さが魅力のシリーズで、両開きのフタはないものの、頑丈さもあり、ちょっとした釣行には非常に使いやすいモデル。

ちなみに、「ホリデークール」というエントリーに最適な軽いクーラーボックスもありますが、ホリデークールに関しては、プレミアム、リミテッド、ベイシスなどのシリーズ展開がないため(断熱材には発泡ポリスチレン)、今回は省いています。

どのモデルにどのクラスがあるのか

というラインナップなのですが、先述したウルトラプレミアム、プレミアムといったシリーズが、各ラインナップにあるのか?ないのか? これをまとめたのが以下。

要は、フィクセルとかスペーザなど「どのモデル」に、ウルトラプレミアムとかベイシスとか「どのクラス」があるのかを表したもの。

ULTRA PREMIUM PREMIUM LIMITED BASIS LIGHT
フィクセル
スペーザ
インフィックス
フリーガ

つまり…

フィクセル・ウルトラプレミアムというクーラーボックスがあります。これはフィクセルの機能(例えば両面開きのフタなどフィクセル共通の機能)を持った、6面極厚真空パネル&発泡ウレタン採用のクーラーボックスですよ、ということです。

同じフィクセルでも、フィクセル・ベイシスであれば、フィクセルの機能を持った発泡ウレタン採用ですよ、となります。

写真上はフィクセル・ウルトラプレミアム30L。写真下がフィクセル・ベイシス30L。サイズ的には同一ですが、保冷力が異なります(価格も…)

オーバースペック過ぎない保冷力と軽さと価格のバランスを

ということで、クーラーのラインナップや断熱構造の違い、そしてそれがどのシリーズに採用されているのかがお分かりいただけたと思います。

それならウルトラプレミアムやプレミアムが欲しい、となりますが、真空パネル6面は高価です。

ちなみに、ワタクシの知人にウルトラプレミアムを所有しているウラやましいヤツがおりまして。一緒に釣りに行った際、翌日まで中の飲み物はガチでキンキン、あれは感動した覚えがあります(ちっ、金持ちめ)。

ガチで保冷力は高い、けど高い、これは世の常。もう一点、真空パネルを採用するとどうしても自重が出てきます。

例として、先に出てきたフィクセルのウルトラプレミアムとベイシスを比較してみます。

モデル 重量(kg) ICE値(h) 断熱構造 本体価格(税別)
フィクセル・ウルトラプレミアム30L 7.7 110 発泡ウレタン+6面極厚真空パネル 63,500円
フィクセル・ベイシス30L 5.3 50 発泡ウレタン 23,500円

価格にして4万円、重量にして2.4kgの差があり。ウルトラプレミアムは高価で重いのです。ただ、ぶっちぎりの保冷力はある。

再び注目したいのがI-CE値。ウルトラプレミアムなら110h(なんと容量に対して20%の氷が110時間残る!!!)、ベイシスはI-CE値は50hとなっているのです。

ただ、例えば近所の日帰り釣行が多いとなったら…果たしてウルトラプレミアムが必要なのか? そこですよね。

逆にいえば、2~3日連続釣行するなんて時には魚もクーラー内にたまることを考えると、真空パネルは必須でしょ!とか。

また、I-CEは前述の通り、容量の20%の氷、31度という温度、フタの開け閉めなしという条件。

でも実際の釣りで、持ち運ぶ氷がもっと少なめだとしたら…?なんてところもご自身の釣りに合わせて考えてみるとイイかと思います。

フタの開け閉めに関しても、フタを開けないことは、まずないですしね。あるとしたら、それはつまり……ボウ〇の時(笑)?

それらに加え容量や機能などを考慮し、ご自身の釣行スタイルに合う、オーバースペック過ぎない保冷力と軽さ、そして価格のバランスを見て選ぶとイイと思いますよ!

ちなみに個人的な思い出を話すと、初めて底1面真空パネルのクーラーを買った時は、結構オドロキましたねぇ。底1面だけで全然違うじゃん!みたいな。 1面が底にある理由もなんとなくわかった気がしましたよ。

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