瀬戸内の冬から春の風物詩、「サビキマダイ」が小豆島周辺で始まっています。
サビキマダイは、ビニールなどのギジが付いた仕かけを「底から指示ダナまで巻き上げるだけ」で釣れる手軽さと、美味なマダイがよい日には1人2ケタ釣果も狙えるので、魅力いっぱいの釣り。
そんなサビキマダイの様子を伺いに、兵庫県姫路の遊漁船、美里丸に乗船してきたので、当日の模様をレポートします。
サビキマダイの釣り場&シーズン
小豆島周辺のサビキマダイは、例年12月頃から始まり、3月いっぱいまでは続く、冬から春にかけての瀬戸内の風物詩です。
ポイントとなる小豆島は、島一帯が好場ですが、姫路から出船する船は、現在は小豆島の東海岸沖をメインに狙っています。

▲小豆島の東海岸沖
釣れるマダイのアベレージは30cm前後から45cmで、イカナゴが流れ始めると、50cm級や60cmオーバーの良型もよくまじるようになり、数もよい人20~30尾の“爆”の日もあるそうです。
これからは、マダイのほかにもメバルやスズキがよくまじるようになり、いよいよ本格シーズンに突入です。
時合には連掛けが続々!! 瀬戸内に春を告げる風物詩がいよいよ本番
サビキを巻き上げるだけでマダイが釣れる、しかも食べ頃サイズがズラズラと。
そんな手軽で、魅力のある釣りが、瀬戸内のサビキマダイです。
今回乗船した姫路の美里丸は、その仕かけにもコダワリを持つ船。

▲サビキマダイの乗り合いは、最大8人までで快適な美里丸
ここへ通うベテランはもちろん、周辺の釣具店でも「美里丸なら、船のオリジナル仕かけを使った方がイイよ」と言うほど。姫路周辺では、釣果実績、釣り人の信頼ともにトップクラスです。

▲美里丸のオリジナル仕かけの1つ
まずは釣座が決まると、タックルをセット。釣り場に着けば、すぐに釣りが開始できるようにしておきます。
そして、出港時刻になると、船は一路、小豆島の東海岸沖を目指しました。航程1時間半ほどで、エンジンがスローになります。
最初のポイントでは、「水深32m、底から10m巻いて」と船長のアナウンスで、皆が仕かけを下ろします。
そして、すぐに「今、15mまで巻いて。昨日は(指示ダナの)上でアタることが多かったから、最後までしっかり巻いてよ」と追加のアナウンスがありました。
魚の反応が出る度に、そしてかけ上がり、かけ下がりなど底の状態や水深がかわる度に、逐一アナウンスしてくれるので、ベテランだけでなく、初めての乗船でも、安心して釣りができます。
すると左舷ヘ先で、すぐに竿が曲がりました。
ゆっくりと巻き上げ始めると、そのアタリが連鎖するかのように、胴の間、トモと、続けて竿が曲がっていきます。
上がってきたのは、どれもキレイな30~40cmの食べ頃マダイ。
釣り人に話を聞くと、底から10m以上巻き上げた所でアタッたそうです。しかも、どのマダイも8本針の上の方の針に掛かっており、誘いは釣り上げた全員が超スロー巻きでした。
この日の朝イチ、マダイは浮いていました。
ただ、食い気はそこまで高くないのか、潮先ではアタリはあるものの、なかなか食い込みません。
また、ヒットしても掛かりが浅いのか、途中で針が外れることも多かった感じです。
マダイからの反応が悪くなると、船はポイントを転々と移動。小豆島の北東部から南東部へと、徐々に南下して探っていきます。

▲小豆島の南東部沖の風景
「昨日は朝の時合にバタバタっときて(1人0~8尾で船中20尾超)、その後はサッパリだった」そうで、この日も同じ傾向かと思われましたが、僚船との情報交換や好反応を探して船を走らせた船長の、釣らせたい想いが通じました。
納竿前、朝イチのポイントの岸寄りを流し始めると、チョクリの誘いに食い上げのアタリ。誘い上げてフォールさせたラインがフワッと弛みました。
竿を立ててリールを巻き始めると、大きく締め込みます。ズルズルとドラグが滑り、何度かラインが引き出されましたが、やがて水面下にキレイなピンクの魚体が2尾。ダブルです。
反対側の舷でも、コツコツというアタリをそのまま巻き続けると、ゴツゴツと力強い引き込みにかわります。これもダブル。
そこからは船中でプチラッシュに突入し、最大45cm級を頭に、よい人は5尾。
船中全員ボーズなしで、各自がサビキマダイの醍醐味を味わいました。
瀬戸内の風物詩「サビキマダイ」は、これからが本番。イカナゴなどのエサが流れ始めれば、1人2ケタ釣果も十分に望めますよ。