
大東哲也(おおひがしてつや) プロフィール
今年の春は荒天が多く、思うように釣りができなかった、と言う話をよく聞きました。
気温も低く、水温上昇も、春の釣り物のスタートも遅く、釣果的にも、例年よりも厳しい魚種が多かったように思います。いよいよ春も本格化して、釣果が上向くことを祈るばかりです。
今回のキモな話は、中紀のジャンボアジ狙いで、釣行した際の話を基に進めてみたいと思います。
中紀のジャンボアジ釣りはカカリ釣りで、釣り方は天ビンフカセ釣り。アミエビを撒いて、2~2.5m前後の3本針、もしくは4本針の吹き流しサビキ仕かけを使用して狙います。サイズは40~50cmの大型アジが、よい日はクーラー満タンになる人気の釣りです。
今回の釣行で使用したのは、イサギ用の仕かけ3種類とカラ針の自作2本針仕かけで、反応を見ながら使い分けてみました。
針の色にこだわる
それぞれの仕かけには、夜光の針、赤針、金針、銀(色)針と複数の針カラーがあり、それぞれ反応が異なり、食う色、食わない色と、明らかに差があったので、これは面白いと思い今回のキモな話にしてみたいと思います。
まず針の色ですが、大きく分類すると「アピールしたい色」、「目立たせたくない色」の2種類に分類されます。
アピールカラーで代表的な物は、金や夜光、カモフラージュカラーは黒や茶、と言った具合です。
エサ釣りの針は、使用するエサに合わせた色が多く存在するので、非常にたくさんの針カラーがあります。金、銀、赤、緑、黒、茶、ピンク、紫、青などがありますが、それぞれ薄い、濃い、ツヤあり、ツヤなしなど、細かいバリエーションもあり、とにかく多くのカラーが存在します。
カラーとは少し異なりますが、最近ではホログラムを施したり、摩擦抵抗を減らすフッ素加工など、機能性を重視した表面加工も増えてきました。
正直古い針だと、なぜこの色が標準になっているのか、分からない物もありますが、確かに針の色で釣果がかわるという話は、耳にすることがあります。
私も過去に、落とし込み釣り(アンダーベイト)の釣りで、実際に体験をしたことがあります。
その日は、金銀針ミックスの仕かけで釣りをしていましたが、エサは付くものの本命が食わない状況に。なのに、隣の釣り人は入れ食っています。
船長に話を聞くと、「金を嫌うことがある」とのことだったので、金銀ミックスだったのを銀オンリーにかえた途端、入れ食いなんてことがありました。
今回のジャンボアジでも、食う針カラーとそうでないカラーが確実に存在し、時間帯によってもそれが変化する、非常に面白い結果となりました。
本来であれば、スキンを巻いたギジの付いたサビキで釣るのですが、カラ針でもカラーによって反応してくるので、もっといろんな針を持ってくればよかったなと思うほどでした。
マキエの色に近い物がよいのか? 光ってアピールする方がよいのか?
魚に聞いてみないと正直分かりませんが、確実に差が出る結果となりました。
アジは、色覚が存在する魚と言われていますので、色による釣果の差が顕著に出るのではと思われますが、正直、不明な点も多いようで、私ごときでは何とも言えません。
それでも、フィールドで体感したことが全てなので、その体験を基に、皆さまの釣果アップに繋がる、製品開発ができればと思います。
皆さまもぜひ、針カラーに着目して釣りをしてみてください。面白い発見があるかもしれません。
カラ針でもよく光り、アピール!渋い状況にもオススメの針
今回紹介するのは、「OH鈎屋 白 海峡アジイサキ」と「OH鈎屋 金 海峡アジイサキ」です。アジ針の軸を打って平にして、キラキラ光るように加工した針で、針色は金色、銀色の2色となります。
サイズ展開は9~13号の5号数で、仕かけを自作することを想定した、徳用パックのみでの展開となります。
エサの色と同調して食わせるのではなく、フラッシングで興味を持たせ、食わせるタイプの針ですので、渋い状況でも魚を反応させることが可能です。
ぜひ1度、お試しいただければと思います。