皆さんは釣りのエサと聞いて、思い浮かぶのはどんなエサですか?
オキアミ? ダンゴ? エビなど? 初心者の方にも馴染みがあるエサと言えば、この辺りでしょうか。
ですが、今回は虫エサについて、まとめて紹介したいと思います。
狙う魚によって、効果的な虫エサとそうでない虫エサもあります。事前に知識として覚えておき、釣りに活かしましょう。
今回は「ユムシ」
ユムシは、膨らんだ風船のような姿が特徴的な海産の無脊椎動物で、北海道から九州までの干潟や砂泥地帯に広く生息しています。
砂の中に潜り、環境中の有機物を摂り込みながら生活しているため、大型の魚を狙う釣りエサとして高い注目を集めています。イソメ類に比べて身が大きく、エサ取りにも強いので、ぶっこみ釣りや投げ釣りの置き竿スタイルに向いているのが大きな魅力です。
価格は1匹100円から250円ほどと少し高めですが、その分、チヌやマダイ、スズキなどの良型が期待できるのも嬉しいポイントと言えます。
針への付け方は、先端の突起部分から刺して胴体の側面に針先を出すのがコツです。いわゆる通し刺し。エサが大ぶりなため、一投ごとのアピール力が高く、海底をじっくり探る釣り方と相性がよいでしょう。
保管するときは、海水を入れたタッパーに入れ、冷蔵庫で保管する方法がおすすめです。温度差を嫌うため、交換用の海水もペットボトルなどに入れて同じ冷蔵庫で冷やしておくと安心です。
こまめに海水を換えれば2週間ほど元気な状態を維持できます。ですが、家族の理解を得るのが少し難しいかも(笑)。
韓国や中国では食材として流通しており、短冊状に切って刺身として食べられることもあります。日本でも地域によって「コウジ」「ルッツ」など呼び名が変わり、やや黄色がかったタイプをコウジと呼ぶケースもあります。味は淡泊ですが、コリコリとした歯ごたえを楽しむ食文化も根付いているようです。
投げ釣りにおいては、特に大物狙いの置き竿スタイルとの相性が抜群です。エサ取りに苦労しがちな状況でも、ユムシなら簡単にかすめ取られないため、効率的にポイントを攻められます。大型のマダイやチヌを狙うには絶好のエサなので、春先の水温上昇に伴ってやってくる“乗っ込みマダイ”のシーズンには、ぜひユムシを使った投げ釣りをお試しください。
うまくいけば、思わぬ大物との出合いが期待できるはずですよ。