【ちょっとした釣りのギモン】ボウズ、外道、時合…普段使うあの言葉、由来を知ると面白い!

釣り場で仲間と話したり、釣果報告をしたりする時、当たり前のように使っている釣り用語ってたくさんありますよね。「今日はボウズだった…」「外道ばっかりでさ~」「そろそろ時合かな?」なんて会話、よく耳にすると思います。 でも、ふと「なんでそう言うんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

今回は、そんな釣り人ならお馴染みの言葉の中から、「ボウズ」「外道」「時合」「タナ」「おかっぱり」「ナブラ」という、状況や行動を表す言葉の語源を探ってみたいと思います!

【釣りのギモン】ボウズ、外道、時合…普段使うあの言葉、由来を知ると面白い!

これから紹介する語源については諸説ありますが、その中でも有力だと言われている説や、なるほど!と思える面白い説をご紹介していきます。言葉のルーツを知れば、いつもの釣りがもっと味わい深くなるかもしれませんよ。

なぜ釣れないと「ボウズ(坊主)」?

釣果ゼロ、つまり1尾も魚が釣れなかった時に使う「ボウズ」。釣り人なら誰しも(できれば経験したくないですが)知っている言葉ですよね。さて、なぜ釣れないことを「ボウズ」と呼ぶのでしょうか?

最も有力な説は、お坊さんの剃髪した頭と「毛がない」を掛けた洒落というものです。「釣果がない」=「毛がない」というわけですね。釣れなかった悔しさを、ちょっとしたユーモアで表現したのかもしれません。 そのほかにも、昔お寺のお坊さんが暇つぶしに釣りをしていたが、あまり上手ではなく釣れなかった様子から、なんて説もあるようですが、「毛がない」説が広く知られています。釣れなかった日は「今日は頭ツルツルだったよ…」なんて言うと、釣り仲間には通じるかもしれませんね(笑)。

狙いじゃない魚は失礼?「外道(げどう)」の由来

本命として狙っている魚以外が釣れた時、それを「外道」と呼びますよね。たとえ高級魚や美味しい魚であっても、狙いでなければ外道扱い…。ちょっと魚に失礼な気もしますが、この言葉の由来は何でしょうか?

実は「外道」という言葉、元々は仏教用語なんです。仏教以外の教えや、正道から外れた考え、思想などを指す言葉でした。それが転じて、本来の目的(本命)から外れたものという意味で、釣りの世界でも使われるようになったと言われています。 狙いの魚ではなかったとしても、釣れてくれた魚には感謝したいもの。最近では「ゲスト」なんて優しい呼び方をする人も増えているようです。

チャンスタイム!「時合(じあい)」ってどんな意味?

「時合だ!急げ!」なんて言葉が飛び交うと、釣り場の雰囲気は一気に活気づきますよね。「時合」とは、魚の活性が上がり、エサを積極的に捕食し始める時間帯、つまり「釣れるチャンスタイム」のことです。

この言葉の語源は、比較的ストレートです。「時の巡り合わせがよい」「ちょうどいいタイミング(合い)」といった意味合いから来ていると考えられます。潮の動き(満潮・干潮)、太陽の角度(マヅメ時)、天候の変化など、さまざまな自然条件が重なり合って訪れる、魚が口を使う絶好のタイミング。まさに「時」と「合い」が合致した瞬間と言えるでしょう。 この時合を逃さないことが、釣果アップの大きなカギになりますね!

魚はどこにいる?「タナ(棚)」を探る理由

「魚がいる水深」のことを「タナ」と言います。「タナを探る」「タナを取る」「タナが合った」など、釣りの基本であり、非常に重要な要素です。では、なぜ水深を「棚」と呼ぶのでしょうか?

有力な説は、海や川の中に、魚がいる層がまるで「棚」のように水平に広がっているイメージから来ているというものです。魚の種類や状況によって、表層にいたり、中層にいたり、底付近にいたりと、特定の層(レンジ)に集まる習性があります。その層を、物を置く「棚」に見立てたというわけですね。 また、漁師言葉で海底の岩礁や根(魚が集まりやすい場所)を「棚」と呼んでいたことから、それが魚がいる場所や層を指す言葉に転じた、という説もあります。いずれにしても、魚がいる「棚」を見つけ出すことが、釣りの醍醐味の1つです。

岸から釣るのを「おかっぱり」と言うのはなぜ?

船に乗らずに、岸や堤防、磯など、陸地から釣りをするスタイルを「おかっぱり」と呼びます。手軽に楽しめる人気の釣りですが、この「おかっぱり」という言葉、少しユニークな響きですよね。

これは「陸(おか)」と「~張り(っぱり)」という言葉が組み合わさったものと考えられます。「陸」は文字通り陸地のこと。「っぱり」は、「場所に居座る」「範囲を占める」といった意味合い(例えば「縄張り」の張り)や、「岸に張り付くようにして釣る」様子を表しているとされます。 「陸」から「張り付く」ように釣るスタイル、というニュアンスが込められているのかもしれません。

水面が騒がしい!「ナブラ」の語源は英語?

水面が急にバシャバシャと騒がしくなり、小魚が何かに追われて逃げ惑う様子。釣り人なら誰もが興奮する光景、「ナブラ」。大型魚が小魚の群れ(ベイトフィッシュ)を捕食しているサインです。

この「ナブラ」という言葉、語源にはいくつかの説がありますが、英語の “nervous water” (ナーバス・ウォーター) が変化したものという説が比較的知られています。”nervous water” は直訳すると「神経質な水面」「ざわつく水面」といった意味で、まさにナブラの状態を表しています。これが船乗りや漁師たちの間で使われるうちに、「ナブラ」という言葉に変化していったのかもしれません。 カタカナで表記されることが多いのも、外来語由来の可能性を示唆していますね。

いかがでしたか? 普段何気なく使っている釣り用語にも、それぞれ興味深い由来や背景があることが分かりましたね。 言葉の語源を知ることで、釣りの歴史や文化に触れることができ、いつもの釣りがより深く、面白いものに感じられるかもしれません。 これからも「つりそく」では、釣りに関するさまざまな情報や、こうしたちょっとしたギモンにお答えする記事をお届けしていきたいと思います。

冒頭にもお伝えしましたが、これらには諸説ありますので、ご理解ください。

それでは、皆さんの次の釣りが、素晴らしいものになりますように!

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