名手が教える! イカメタルのロッドの選び方とは?

寄稿:横山晴也

横山晴也(よこやまはるや) プロフィール

現在主流になっているエダ付き仕かけ(オバマリグ)をイカメタルゲームに取り入れたパイオニア的存在。福井県小浜市・ビック釣具店店長。

10月に入り、マイカを狙ったイカメタルも後半戦に突入しました。

現在の若狭湾は、未だ秋イカ(ブドウイカ)の回遊がなく、厳しい状況です。さらに、水温が下がったことで魚の活性が上がり、サゴシやエソが猛威を振るっています。

従って、小浜周辺の釣船のほとんどは、アオリイカ狙いで出船しています。これは昨年の状況とよく似ており、水温がさらに低下した際に、秋イカの群れが遅れて入ってくる可能性が高いです。

今後の動向に注目し、群れが来たタイミングに準備万端でありたいものです。

そこで今回は、秋イカの準備編として初心に帰り、釣果を伸ばすためのロッド選びについて、私自身の話をしたいと思います。

まず、イカの捕食行動には、①足先でスッテに触る(触れる)行動。②足全体でスッテに抱きつく行動、の2パターンがあります。

このうち②はハッキリ言って、どんな竿でも捉えることのできるアタリです。

主に高活性な時は、②が多い傾向にあります。

釣果に関係してくるのは、①をいかに竿で捉えられるか、という所です。

①を捉えることができれば、その後にフォローを入れることにより、②に持ち込むことが可能です。

ロッド選択のポイント

◆ポイント1・調子
ロッドを選ぶ時に、まず気にするのは「調子」ではないでしょうか。

ダイワなどに代表されるイカメタル用のロッドは、乗せ調子と掛け調子に大きく2分されていると思います。

乗せ調子は、従来の電動リールを使った胴突き仕かけの竿の進化系で、「レギュラーテーパー」や「胴調子」とも言いかえることができます。

掛け調子は、アオリイカのティップランやカワハギ釣りに使われている竿の進化系で、「ファストテーパー」や「先調子」とも言いかえることができます。

しかし、調子はアクションを入れる時のやりやすさや、掛けてからの引き感、バレにくさには影響してくるものの、アタリを捉えることに関しては、大した問題ではありません。

慣れてしまえば、どんな竿でもイカを釣り上げることは可能です。

◆ポイント2・穂先
アタリに関して、最もシビアになる部分は「穂先(ティップ)」です。

①のイカがスッテに軽く触れるような行動では、魚のアタリのようなココンッという感覚はありません。手感度がなく、穂先が左右にフワッと揺れます。

おそらくは、イカが足先でスッテをつまんで離した際、穂先のガイドを支点とし、振り子のように仕かけがプラプラするために起こるのだと考えています。

このアタリは、穂先のガイドから10cmぐらいが軟らかく、しなやかな穂先が、有利に捉えることが可能な傾向にあります。
現在販売されているロッドの穂先は、大きく分けて2種類存在します。

・カーボンソリッド穂先
これは現在の主流です。中空の竿に中身の詰まった穂先(カーボンソリッド)を継ぐことで、穂先のみを容易に軟らかく、しなやかに製造することができます。

・メタルトップ
中空の竿にチタン合金製の穂先を継ぐことで、カーボンソリッドよりもさらに軟らかく、しなやかにできるだけでなく、手感度もよくなり、さらに折れてしまう可能性も低い優れものです。

イカメタルという釣り方が、メジャーになってから早数年。現在では各社から、さまざまな専用モデルが数多く販売されています。

しかし竿の説明文を読んでも、実際のところ、自分のスタイルに合っているのか分かりにくいことも多いかと思います。
そんな時は店頭で、じっくり竿を触ってみましょう。
・アクション性能に関しては、竿の調子でお好みで。
・アタリが取れるかどうかに関しては、穂先(穂先のガイドから約10cm)が軟らかいものを。

この2つを意識するだけで、一歩先の釣果が出せると思います。さらに、イカメタル専用と名の付くロッド以外にも、イカメタルに適した竿があると思います。

固定概念に左右されず、いろいろなジャンルの竿を触ってみてください。そして、これから始まる秋イカでは、複数セットのタックルを使用してみてください。

船上で竿をとっかえひっかえしながら、イカと対峙するのも楽しいものですよ。

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