大阪湾や東京湾でもテンヤタチウオで良型、大型の釣果が聞かれているが、全国的に見ると「超大型タチウオの聖地」と言っても過言ではない、大分県の豊後水道は注目の的。
大分のテンヤタチウオ船・照陽の三角船長に聞けば、「アベレージは幅4本以上、幅指5本の大阪湾や東京湾で言うドラゴンは当たり前。中には幅指8本以上の神龍クラスもまじる。この船のレコードは幅指10本」とか。
そこで、今回はこのドラゴンの聖地、豊後水道をホームグラウンドとするダイワフィールドテスターの郷原未来さんとダイワスタッフの西村豪太氏に、幅指10本に迫る豊後水道のスーパードラゴン攻略法を教えてもらった。
豊後水道でのタチウオの釣り方はテンヤ釣りが主流で、タックルは竿、リールともに大阪湾や東京湾で使用するものと同じ。テンヤは50号をメインに潮が速いと、中通しオモリを追加したりして対応する。
豊後水道の船タチウオのパイオニア的存在、照陽の三角船長に話を聞くと、「シーズンは例年だと、8月下旬から2月。ベストシーズンは10~1月」だそうだ。アベレージは幅指4本級、最盛期は幅指8本級のいわゆる神龍クラスが船中数尾まじり、よい日なら入れ食いでトップ40尾超の日もあるそうだ。ちなみに過去最大は船長の指で10本あったとか。
そんな大タチを夢見て、西村豪太、郷原未来のGOGOコンビが釣り開始。竿は西村氏が極鋭タチウオテンヤSP82―182AGS、郷原さんが同91―180AGS。どちらもしっかりとテンヤを動かせるパワーがあり、スーパーメタルトップの穂先で微細なアタリも伝えてくれるので、深場での釣りに欠かせないロッドだ。

▲水深は200m前後の深場が多い豊後水道
豊後水道のポイントは大阪湾などに比べると、圧倒的に深い。朝イチに照陽の船長が選んだポイントは水深160~180m。これは水深的にはまだ浅い方で、平均200m前後、深い所では水深400mラインまで狙うこともあるとのこと。
当然、そんな時は仕かけを底まで落とす訳ではなく、狙うタナはベイトの居る層。現状では、狙うタナは最も深い時で220~230mまでは狙うそうだ。
この日の浅場(160~180m)での指示ダナは、底から40mほど。
エサは大阪湾などのようにイワシを使う人もいるが、深場のポイントが多い豊後水道では、手返しやエサ持ちを重視してサンマを使う人が多い。
サンマはボリュームを出すように、大きめの半身の切り身をテンヤの軸の所付近だけ折り返して乗せて厚みを出して、シルエットを大きく見せるように付けるのも、大型には有効だ。

▲下に構えた位置から力強く大きくシャクる
豊後水道でのタチウオ狙いは、大阪湾などに比べて深いタナを狙うことが多い。当日のタナは130~200mラインだったが、そんな深場狙いだからこそ、「誘いはしっかり動かして、止めるのが大事」と照陽の三角船長は言う。タナが分からないうちは、郷原さんも竿先を下に構えた位置から水平やや上まで、大きく力強くシャクリ上げるジャークを2、3回入れながらステイというパターンを多用し、広いタナをスピーディーに探っていた。
深場なので、しっかりテンヤが動くように大きく激しめに数回ジャークを入れる。
すると、止めた時にトン。シャクリ幅の小さいジャークをフォローで3回入れて止めた途端、グーッと穂先が引き込まれた。合わせて、電動のスイッチオン。1尾目は幅指4本のアベレージ級。
タナが分かれば、小刻みな誘いで集中して、そのタナ周辺で電動スロー巻きなども有効だ。

▲電動スロー巻きでもアタッてくる
ある程度絞ったタナ間で、電動スロー巻きにフワフワした誘いで誘うと、郷原さんに2尾目がすぐにヒット。西村氏も同じように釣り上げた。
豊後水道のポイントでは、潮が速く、水深もあるのでフォール時はオマツリ防止のため、ラインのなびきを見てサミングは必須だ。

▲潮が速く、水深もあるのでフォール時はサミングが必須
タナが深いだけに2枚潮、3枚潮、さらにはそれ以上の潮の時もある。1投の上げ下げに掛かる時間もほかの釣り場よりも長いだけに、タナに届くまでにオマツリなどのトラブルは極力避けたいところ。周囲のラインの状態を見て、仕かけ落下時は必ずサミングをするように心掛けたい。

▲50号のテンヤに中通しオモリを追加することも
また、状況により豊後水道で通常使用する50号でも釣り辛い時もある。そんな時はテンヤの上に中通しオモリなどを追加するのも、ひとつの手だ。
海況次第だが、幅指7~8本のスーパードラゴンを筆頭に型揃いが連発する日もあるなど、豊後水道のポテンシャルの高さは全国屈指レベル。アナタもドラゴンを超える神龍クラスの大タチに挑んでみては。
豊後水道のタチウオ狙いは、大分・照陽(☎080-2792-6134)