【釣り人のための「風速対応」早見ガイド】風速何mで海はどう変わる? 安全・注意・危険の判断基準を徹底解説

安全で快適な釣りを楽しむためには、風の影響を正しく理解することが不可欠です。このガイドでは、風速に応じた海況の変化、釣りへの影響、そして安全確保のための判断基準を分かりやすくまとめました。釣行計画や現場での判断に、ぜひお役立てください。

風速別 海況と釣りの目安表

風速 (m/s) 体感・海面の様子 陸っぱり釣りの状況 小型ボート/遊漁船の状況
0~2 m/s 湖面のように穏やか。煙がまっすぐ昇る。 【絶好】 非常に釣りがしやすい。仕掛けが自然に馴染む。 【安全】 全ての船が問題なく出船可能。
3~5 m/s 水面にさざ波が立つ。頬に心地よい風を感じる。 【良好】 キャストやライン操作も快適。軽い仕掛けも扱いやすい。 【快適】 プレジャーボートも快適に楽しめる。
6~8 m/s 白波が出始める。帽子が飛ばされそうになることも。 【注意】 軽量ルアーは風に戻される。PEラインは風に取られやすい。風向きを考慮した釣りを。 【出船可/条件付き】 出船可能だが、近場限定や風向きによる制限あり。
9~10 m/s 白波が増え、波高0.8m前後に。波しぶきが気になる。 【要警戒】 場所により波しぶきを被る。竿立て(三脚など)が必須。無理は禁物。 【小型船は欠航ライン】 (10m/s≒20ノット) 安全第一で判断。
11~13 m/s 波高1m超。波頭が砕けて白い泡が広がる。 【危険】 ラインが風に流され、根掛かり多発。安全な場所でも注意。 【危険水域】 30ftクラスの船でも釣行中止や早期帰港を判断。
14 m/s 以上 波飛沫で視界が悪くなることも。立っているのも困難。 【釣り中止】 フルキャストは不可能。直ちに撤収を推奨。 【出船中止】 遊漁船や渡船はほぼ全便欠航。

この表は目安です。地形、船、天候等により実際の状況は大きく異なります。最新情報を確認し、安全を最優先にご判断ください。

①「危険」の判断基準:いつ釣りを諦めるべきか?

陸っぱりの場合

8 m/s 超: 軽量な仕掛け(リグ)の操作が困難になります。風裏を探すか、重めの仕掛けに変更するなどの対策が必要です。

10 m/s 超: 堤防などでは波しぶきが上がってくることがあり、非常に危険です。釣りを中断し、安全な場所へ避難しましょう。

船釣りの場合

多くの遊漁船では「平均風速 10 m/s 以上」または「最大瞬間風速 12 m/s 以上」当たりを欠航の目安としています。

小型プレジャーボートの場合、8 m/sでも無理せず港内待機や釣行中止を検討するのが賢明です。

②風向きと地形を読んで釣果アップ&安全確保

同じ風速でも、風向きと釣り場の地形で状況は大きく変わります。

追い風(背中から受ける風)

メリット: キャスト飛距離が伸びやすい。 デメリット: ラインが手前に流されやすく、アタリが分かりにくい場合がある。仕掛けのコントロールに注意。

横風(左右から受ける風)

軽量な仕掛けは風に流されやすく、狙ったポイントに届きにくい。ラインメンディング(糸ふけの処理)が重要。

向かい風(正面から受ける風)

デメリット: 飛距離が大幅に落ちる(30%減も)。PEラインが風を受けてアタリが取りづらくなる。無理なキャストはロッド破損のリスクも。

釣り場の地形(岬、ワンド、堤防の向きなど)を考慮し、風裏となるポイントを探すことで、強風下でも釣りが可能になる場合があります。

③風速チェックのコツ:「平均風速」を重視!

天気予報アプリなどで風速をチェックする際は、「瞬間最大風速」だけでなく「平均風速」(通常は10分間の平均)を必ず確認しましょう。船舶の航行ルールでも平均風速を基準としており、こちらを重視する方が安全判断には適しています。

推奨アプリ: 「ウェザーニュース」や「Windy」などは、平均風速と最大風速の両方を表示しており便利です。

オカッパリでの撤退判断の目安: 平均風速 8 m/s、かつ最大瞬間風速 10 m/s を超えるようなら、安全のため撤退を検討しましょう。

④風速から波の高さを予測する(簡易換算)

開けた外洋での大まかな目安として、以下の式で風速から波の高さを予測できます。 風速 (m/s) ÷ 10 × 1.5 ≒ 波高 (m)

例: 風速 10 m/s の場合 → 10 ÷ 10 × 1.5 = 約 1.5 m の波

注意点

湾内や風裏では、この計算よりも波高は30~50%程度低くなることがあります。 ただし、岸壁や堤防では反射波が発生し、局所的に波が高くなる(被る波の高さは変わらない、あるいは高くなる)ことがあるため、油断は禁物です。

この式はあくまで目安であり、地形や水深、潮の流れによって実際の波の高さは大きく変動します。

⑤実践的なアドバイス

予報で風速 8 m/s 以上の場合

ライトタックルでの釣りは難しくなります。重めのメタルジグを使用したり、風裏になるポイントへ移動したりする計画を立てましょう。

風速 10 m/s 以上の予報で船釣りを予約済みの場合

釣行前日の夕方など、早めに船宿に連絡し、出船状況を確認しましょう。天候による欠航の場合、キャンセル料がかからないことがほとんどです。

釣り場で急に風が強くなってきた場合

ロッド操作: 竿先を下げてラインを速やかに回収します。

道具の確保:帽子やバケツ、タックルボックスなど、風で飛ばされやすい小物を固定または収納します。

安全な撤収: 風下側から、足元に注意しつつ安全な場所へ避難します。

安全な釣行のために

風速 8 m/s~: 陸っぱりでは要注意。軽量な仕掛けの釣りは厳しくなる。

風速 10 m/s~: 小型船の多くが欠航の目安。陸っぱりでも撤収を判断するべき危険な状況。

風速 14 m/s 以上: 釣りは絶対に中止。即座に安全な場所へ避難。

 

この風速基準をしっかりと頭に入れ、天候情報と照らし合わせることで、「釣行可能な日」と「中止すべき日」を的確に判断できます。それが危険を回避し、結果として釣果アップにも繋がります。次回の釣行計画に、このガイドをぜひご活用ください。そして、常に安全第一で釣りを楽しみましょう!

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