
大東哲也(おおひがしてつや) プロフィール
3~5月は、いよいよ釣りシーズン開幕ということで、気温、水温ともに上昇して、魚も人も活発に動き出すタイミング。
特に魚は産卵期を迎える種が多く、「乗っ込み」と呼ばれる産卵前の荒食いや、産卵行動での集結、孵化した小さい魚や、甲殻類をメインに食べる「マイクロベイトパターン」など、春特有の傾向やパターンがあります。
そんな春シーズンを攻略する上で、重要な要素となるキーワードが、「産卵」と「小さいエサ」です。
特に、ルアーフィッシングの世界では、そういったエサの偏りを「〇〇パターン」と表現し、エサの大きさや動き方を似せてターゲットを騙します。
また、産卵が絡むようなタイミングであれば、排除行動を誘発するようなアクションやカラーも考慮すると、釣果アップに繋がります。
エサ釣りの場合でも、ギジのサイズ感や、カラーが非常に重要になってきますので、春のサビキメバル、サビキマダイなどは、多くの仕掛けを用意することが、その日のパターンを攻略する大切な要素になります。
今回のテーマは「青物」
さてさて、前置きはこれぐらいにして、今回のキモな話をしていきましょう。
テーマは「青物」。
春は青物も産卵シーズンを迎え、海域により異なりますが、ブリ2~5月、ヒラマサ3~6月、カンパチ3~7月と、概ね春に産卵場所に集結して、産卵します。
ですので、青物も総じて、春は狙いやすいタイミングのひとつとなります。
この産卵絡みの青物は非常にナーバスなので、条件がハマれば爆釣! ハマらなければ撃沈と、ギャンブル性が高い時期でもあります。
では、そんな青物を攻略するには、どういったことを意識すれば、よいでしょうか?
ここで、「産卵」と「マイクロベイト」と言うキーワードが出てくるのです。
産卵に絡む個体は、卵を速く大きくしようとするため、荒食いをします。
これがいわゆる乗っ込みで、卵が大きくなるにつれ、身体を激しく動かせなくなってきます。
そうなると、食べやすい小さいエサや、あまり激しく動かない物を捕食するようになりますので、小さいルアーやジグ、巻きを主としたようなマイルドなアクションが、有効になることが多くなります。
一方で、産卵が絡むタイミングだと、卵を狙う小魚や、ほかのオスを排除する行動も取りますので、排除行動を意識した、ネチネチとしたアプローチも有効になります。
また、小さいエサは潮が速いと泳げないので、潮が緩んだタイミングで魚のタナが浮くのも意識しておくと、より釣果アップに繋がると思います。
キモは「針重量と、針の大きさ、太さ」
そして、ここからが、針屋的キモな話になっていきます。
針重量と、針の大きさ、太さが今回のキモ!
「マイクロベイト」=「小さいジグやルアー」となるのですが、春は大型の魚が反応することも多く、釣れるターゲットの大きさに合わせて、大きな針を使いたい所ですが、大きな針を付けると、小さいルアーは動なくなってしまいます。
ルアーサイズに対して、針の抵抗が大きく、本来のアクションが出ない。
では、どうすればよいのか?
小さく太い針を選ぶ、となります。
先日、山口県の見島沖にある八里ケ瀬へ、乗っ込みのヒラマサをキャスティングで狙いに行きました。
狙うは20kgオーバーの大型なので、PE8号、リーダー150lb、10kg以上のドラグ負荷をかけて釣りを行いますが、使用するルアーは20cm以下と小型。
本来は中軸の青物用トリプルフックを使用するようなルアーサイズなのですが、ターゲットに合わせて太軸のトリプルフックに変更して対応するか、シングルフックにして大きな針を使用するなどの対応が必要になります。
同じく、ジギングでカンパチも狙いましたが、ライトなフックでは針を伸ばされるので、中軸の「ブルーチェイサー」をメインに使用して狙いました。
小さいエサを捕食している時は、簡単に食べられるので吸い込みも弱く、アタリに対して針掛かりがしにくいことが多いです。
そんな時は、軽い針で口の中に入りやすくするのがセオリーですが、相手が大型の青物だと、強度的に問題があることが多くなるので、針を小さく、太くして対応します。
その時に気を付けなければいけないのが、針の重量です。
小さく、太くしても重すぎる針は吸い込まれなかったりするので、タックルを含め、トータルのバランスで調整する必要があります。
トリプルフックやジギングフックに、「こんなに種類いらんやろ」と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のキモな話で、少しでも針選びのヒントになればと思います。
使用アイテム
さまざまな魚種に対応するフック
今回紹介するのは、「ジガーミディアムブルーチェイサー」と言うアシストフックです。
この商品は「ジガーミディアム チェイス」と言う、大型魚を確実にキャッチするために開発した針を使用したアシストフックです。
① タフワイヤー採用で細くて、強いを実現
② シワリ(わずかにカーブした針先)+スモールバーブで、わずかな力で貫通
③ 絶妙な重量バランスで閂や上アゴを捉え、パワーファイトが可能
④ 針が暴れにくい形状でトラブルレス
⑤ 高強度&高耐摩擦性能アシストラインで大型魚にも対応
このように、大型魚に負けない強度と、わずかなバイトも捉える軽さの両立。バラシを防ぐための形状と、絶妙のバランス設計で、よい所に掛かるアシストフックに仕上がっています。
アシストフックとしてはサイズ5/0~13/0と幅広く、バラ針なら2/0~13/0と、さらに選択の幅が広がります。
アシストフックもシングルの「ブルーチェイサー」、ダブルの「ツインチェイサー」、短い「ショートチェイサー」とバリエーションも豊富なので、さまざまな状況や、ターゲットに対応可能となりますので、ぜひお試しください。