私が衝撃を受けたのは、明邦化学工業が公開したエリアトラウトの収納術動画。それは、あらゆる釣りに応用できる“極意”でした。
時合を逃さぬための、素早いルアー交換が求められるこの釣りでは、収納術が極限まで進化しています。その神髄は、機動力重視の「バッカン」と、安定性とカスタム性に優れる「ボックス」の戦略的な使い分けにあります。
特に、バスフィッシングを中心に幅広い釣りに精通しているプロアングラー「センドウタカシ氏」によるボックスカスタムは圧巻。ルアーが一目瞭然の「観音開きシステム」や、デッドスペースを機能に変える工夫は、まさに「使いたいものを一瞬で取り出す」ための究極の効率化。釣果に直結するテクニックと言えるでしょう。
【応用編】あなたの釣りをアップデートする5つのヒント
さて、ここからが本題です。 このエリアトラウトの知恵を、私たちのフィールドでどう活かすか。 筆者が「これは使える！」と膝を打った5つのヒントをご紹介します。
出典：明邦化学工業公式YouTubeチャンネル「収納マニア必見！センドウタカシ流【 ランガンボックス収納術】」
あなたの釣りは、頻繁に場所を移動する「ランガン」スタイルですか？ それとも、1カ所でじっくり構える「定点」スタイルでしょうか。
ランガン派（例：ショアジギング、エギング、アジング） エリアトラウトの「バッカン」のように、軽快性を重視したタックルバッグやショルダーバッグが最適。必要最低限のルアーケースと小物を詰め込み、身軽に探るスタイルにマッチします。
定点派（例：磯釣り、船釣り、波止でのサビキ釣り） 「ボックス」のように、安定性が重要になります。どっしりとしたタックルボックスは、揺れる船上や傾斜のある磯場でも安心。カスタム性を活かして、自分だけの基地を作り上げましょう。
センドウ氏の観音開きシステムの発想は、全てのルアーフィッシングに応用できます。 要は「ひと目でどこに何があるか分かる」状態を作ることです。
ジグを重さ別、カラー別にケースに整理。「120gのシルバー」が欲しい時、迷わず手に取れますか？
エギングではエギのサイズ別にボックスを分ける。これだけで、ローテーションの速度が格段に上がります。
タックルボックスやクーラーボックスの側面、空いていませんか？ ロッドホルダーや小物入れといったオプションパーツを追加すれば、そこは1級の収納スペースに変わります。 特に「立てる収納」は超実用的です。プライヤー、ハサミ、フィッシュグリップなど、頻繁に使う小物を専用ホルダーに立てておけば、探す手間がゼロになります。
動画では、状況に応じてボックスを使い分けるスタイルが紹介されていました。 これを応用し、「今日のテーマ」を決めて道具を厳選するのです。
「今日は青物狙いでトップウォーター縛り」 「今日はアジングで、このワームだけでやり通す」 「フカセ釣りで、全遊動仕掛けのみで挑む」
あえて道具を「縛る」ことで、迷いが消え、釣りに集中できます。 準備も片付けも格段に楽になり、ひとつの釣りを深く探求するきっかけにもなるでしょう。
収納を突き詰めることは、釣りの一部であり、最高の楽しみのひとつです。 自分のスタイルに合わせて仕切りを調整し、パーツを追加し、ステッカーを貼る。 そうして出来上がった「自分だけの城」とも言えるタックルボックスは、最高の相棒になるはずです。
使いやすいシステムは無駄な時間をなくし、釣りを快適にする。 そして、その快適さは、集中力を高め、最終的には釣果へと繋がっていく。 エリアトラウトの達人たちが教えてくれたのは、そんな普遍的な真理でした。
皆さんもこの記事をヒントに、ご自身の収納システムを見直してみてはいかがでしょうか。 きっと、次の釣行がもっと快適で、もっと楽しいものになるはずです。
