シマノの状況特化カワハギ竿「ステファーノ 攻」の2機種が、2025年リニューアル。
ステファーノ 攻【LS175】【H177SP】

出典:シマノ
「ステファーノ 攻」は王道の万能調子だけでは補いきれない、個別のシチュエーションを徹底的に分析・解明し、設計をスタートさせたシリーズ。
そのため、アイテムごとにブランクス設計・グリップ形状・穂先・リールシートなどの細部に至るまで、適材適所に数々のフィーチャーを厳選して搭載。
晴天、曇天、海面の反射などさまざまな条件下で視認性が高いのはもちろん、ウキの目盛りのようにオレンジの間にホワイトを配することで視点が定まりやすく、わずかな動きを察知しやすいカラーリングに。
ステファーノ攻は穂先部が抜ける変則2ピース仕様。万が一穂先が破損した場合でも比較的安価で修理が可能なうえ、破損に備えて予備穂先を携行することもできる。
シマノ公式「ステファーノ 攻 LS175/H177SP」詳細ページはこちら
食い渋る魚を攻略【LS175】
今回新たに登場するのは【LS175】と【H177SP】。
LS175は前作の「17 ステファーノ攻【SS175】の後継機種で、“食い渋る低活性の魚に、いかにエサを吸わせるか”に特化したモデルだ。
穂先は鋭敏高感度かつ軽量なカーボンソリッド・タフテック∞を採用。この細経カーボンソリッドを長めに搭載することで自然な食い込みを促し、さらにカーボンならではの軽量性、適度な復元力により潮流・風の中にあっても微細かつ確実なテンションコントロールが行えるように仕上げられている。
柔軟な穂先を継ぐベリーからバットはアタリを弾かず掛けどころを活かしつつクッション性を持たせることで軟調穂先ながらフッキング性能を保持。集寄・中オモリ使用時における操作の幅広さと感度、荒天時の仕掛けの安定性も両立。
品番 | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | 先径(mm) | 錘負荷(号) | リールシート位置(mm) | リールシートタイプ | カーボン含有率(%) | 本体価格(税別) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LS175 | 1.75 | 2 | 141.8 | 61 | 0.9 | 5-35 | 293 | DOWNLOCK | 99.2 | 72,000円 |
私には似合わない竿と言われそうですが、この竿は別物、今までにない竿です。目感に特化した竿なのですが、目感の中にも驚くほど手感が出るんです。
たとえばオモリを底に付けて、中オモリや集寄を付けて動かしている時、その動作の最中に、変化が手感として伝わってくるんです。そして止めると目感で明確に表現してくれます。LS175は穂先にタフテック∞を搭載、軟らかくても振動が手元に伝わってくるのはカーボンならではの特性なのですが、これには驚かされます。目感の竿がここまで進化しているとは……ショックを受けました。
竿が軟らかいとアワセが遅れる傾向が見られるのですが、LS175はある程度の手感があるのでほとんど掛け遅れない。吸い込ませることができるくらい軟らかくても掛け調子で、コントロール性もいいからゼロテンションからマイナスなど、微妙なテンションの管理がしやすいんです。こちらの件はテストを重ねていく上で開発陣と議論を繰り返し、かなりこだわった点と言えます。捕食スピードの遅い魚に合わせただけの柔らかい竿では掛け遅れてしまう。一方、前作SS175のような掛け調子だと集寄の操作性がピーキーすぎる…これらの事象を解決できたLS175は、まさに前作SS175からの正当進化といえる出来栄えです。
あくまで私のフィーリングですが、LS175は手感2.5、目感7.5といった感じで、低活性時、集寄などを使いたくなる時、魚の喰いが遅いときに使いたい竿ですね。
満足感を数字にすると……150パーセントでしょう!
出典:シマノ
ボトム特化型で使える竿、それがLS175の印象です。オモリを海底に着けて、ノーシンカーや中オモリ・集寄を使って仕掛けのテンションをマイナスからプラスに持っていく中で魚にエサを吸わせ首を振らせる「やさしい」釣り。そんな釣りに特化し、喰わせ性能に優れた竿といえます。
とはいえ、LS175はただ単に目感度に特化して軟らかいのではなく、オモリを海底に置いている状態でノーシンカーでも中オモリ・集寄を使っている状態でも喰わせる“間”を作れる穂先部分を持っています。
具体的に言うと、ゼロテンション時やゼロテンに移行する中で目感度として表現したいアタリを表現できることに加え、想像どおりにフッキングをさせることができる穂持ち~バット部分を持ち合わせています。
私は「掛けしろ」と呼んでいるのですが、きわめて繊細・柔軟でありながら掛けることに必要とされるパワーもあるわけです。ですから、軽くキャストしての横の釣りで、オモリを置いたやさしい釣りにも向いています。
状況としては、仕掛けを動かしてしまうとカワハギが2度、3度目のアタリを出さないようなとき。もしくは手感度にアタリを出さない/極小にしか出さない低活性・厳寒期。8月の剣崎やスポーニングの前後、あるいは冬など、意外に使いたくなる場面が多い1本です。
出典:シマノ
キャスト性能と“横の釣り”に特化【H177SP】
2018年に発売された【H177SP】が7年振りのリニューアル。
キャストでの横の釣りに特化し手感度を徹底的に追求したモデルとして、先代H177SPは完成度が高くその感度の信者となるアングラーもいたほどの名竿。そのH177SPを最先端のカワハギ釣りのトレンドに対応すべく、シマノ最先端ロッドテクノロジーを注ぎ込まれバージョンアップ。
穂先は先代の激短カーボンソリッドに代わり鋭敏高感度かつ軽量なカーボンソリッド・タフテック∞を搭載。目感度を向上させるとともに、近年のカワハギシーンにおいてフッキングの成功率に直結する「掛けるか、待つか」を判断する絶妙な「間」を創出することを可能に。
さらにベリーからバットにかけてクッション性を持たせることで、ハリ伸びによるバラシを軽減。リールシート長を微調整することで横の釣りでのストローク・操作性を磨くとともにトリガーシートの採用によりキャスト、誘いなどのダイナミックなアクションが可能になったと。
品番 | 全長(m) | 継数(本) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | 先径(mm) | 錘負荷(号) | リールシート位置(mm) | リールシートタイプ | カーボン含有率(%) | 本体価格(税別) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
H177SP | 1.77 | 2 | 155.7 | 81 | 0.9 | 20-40 | 331 | DOWNLOCK | 97.8 | 73,000円 |
H177SPはキャストの釣りに特化した竿。遠くに投げて、手感でアタリをとらえて掛けていく。いわゆる「横の釣り」に求められる性能を徹底的に磨いたモデルとして、前モデルは完成していました。前作を18モデルと呼ぶとして、今回の新しいH177SPは何が変わったのか?
それを一言で言うと、目感の割合を上げたことです。
最近のカワハギの傾向として、手感だけでは掛けきれない魚が増えてきました。激短カーボンソリッドを搭載し手感に特化していた18モデルは非常にピーキーな性格のため、対応が困難なシーンもあります。そこで新しいH177SPは穂先にタフテック∞を搭載しそれに合わせて穂持から胴にかけて全体を調整することで、硬い中に「やさしさ」のある調子にチューニングされています。具体的にはカワハギの接近やサワリやアタリを、手感だけでなく「手感で感じた後、目感で感じ、手感で確かめて」アワセに移行できるようになり、フッキングしてからは、竿は硬くても暴れる魚の動きを吸収します。これはあくまで「マイルド」になったのではなく、SPらしく硬く、尖りつつも「やさしさ」が加わったと表現したいところです。
また、フルカーボンモノコックは手の中にスッポリ収まるサイズと形状で手感度の増加を実感できます。ですから横の釣りだけでなく、足元で縦の釣りをやっても手感は十分、かつ、微細な変化を弾くこと軽減してくれます。
手感と目感のバランスを見直し、全体の硬さの中に「やさしさ」を加えることで今まで取れなかった魚が取れるようになる。新しいH177SPはそんな竿ですね。
出典:シマノ
カワハギ釣りは縦の釣り、横の釣りとありますが、私の中では横の釣りは2つに分かれます。それは掛けにいく攻撃的な釣りと、オモリを止めて喰ってもらう釣りです。
ステファーノ 攻 H177SPは、横のキャストの釣り、それも攻撃的な釣りに特化した竿です。前作(18モデル)と新しいH177SPの違いは目感もあるということ。前モデルは硬く手感度に優れる反面、オモリを海底に置いている時、たとえば潮が速かったり船が動いたりした際、穂先部分で調整できる“間”が狭く、自分が状況を把握できない時間がありました。それが新しいH177SPは穂先~穂持部を調整することで、目感を作る・取れる“間”を作れるようになりました。
この目感と竿全体のバランスによるマイルド感が加わったことが前モデルとの違いです。手感、目感の印象を私なりに数字で表すならば、18モデルは手感9、目感1。新しいH177SPは手感8、目感2といった印象でしょうか。
18モデルは手感が凄すぎて喰わせるより早く手が動いてしまうことがありましたが、新しいH177SPは“間”を取ることができます。いわば、皆が使える手感の竿、といった仕上がりだと思います。
少しだけマイルドになったものの、フルカーボンモノコックグリップにより手感の情報は十分に感じられます。キャストしての誘いなどダイナミックな動作が求められる横のキャストの釣りに向くリアトリガーなど、攻らしくコンセプトは明確。水深30メートル以浅の砂底で、エサの追いが良いとき、関東であれば特に秋~初冬の釣りに使いたくなる竿です。
出典:シマノ