つりそくのオフィシャルクラブ、「つりそく船釣りクラブ」のメンバーが、釣りの魅力を紹介。
この記事を参考に、皆さんもどっぷりと釣りの世界にハマってください。

菱田 雅巳(Masami Hishida) プロフィール
旬の魚を美味しくいただくために…
私の釣りは、夏のイカ、冬のカワハギが中心です。
皆さんもよくご存じの通り、各港から狙いの魚を決めて出船しますが、釣果が安定する旬のタイミングというのは、魚が産卵前後でエサの捕食が活発になる時期ですね。
イカでもカワハギでも、シーズン真っ盛りの時に釣れる個体は、内臓を出してみると、白子(精巣)、真子(卵巣)が入っていることが多く、特にカワハギは、いわゆる「キモパン」と呼ばれるような大きな肝を持っています。

▲カワハギのきのこあんかけ
この白子、真子、肝は、料理のバリエーションを広げてくれる、大切な食材です。釣りたての新鮮さを活かせるのも、また釣り人の特権ですね。

▲カワハギの肝のソテー
ちなみに、私はイカは絞めずに持ち帰るようにしています。それは、イカ墨を料理に使いたいから。締めると墨袋を破ってしまいやすいため。イカ墨も鮮度が命なので、キンキンに冷やした、イカ専用トレイで持ち帰っています。

▲イカ墨ピラフ(器盛付)
イカ、カワハギを例にしましたが、どの魚でも血抜きや神経締め、氷締めなどを施すことで、味は全く違ってきます。魚を締めて料理することを、残酷と言われることもありますが、私はそうではないと思っています。命をいただくという感謝を込めて、釣った生き物を余すことなくいただくことは、命を大切にする行為です。
確かに、釣り人には、大漁や大物への欲求もあります。一方で、キャッチ&リリースもありますが、種類や大きさによっては、放しても生き延びられないとも聞きます。
また、海の状況にもよりますが、船長から「釣った魚は海に戻さないでくれ。サメやイルカ、カモメなどが寄ってきて釣りにならない」と言われることもあります。
※ゴミは海に捨てず、持ち帰りましょう。
私の父から教わった「釣った魚は自分でさばき、美味しく料理して食べきる」という教えは、今も私の釣りの根幹です。だからこそ「食べきれる分だけ釣る」をモットーにしています。
たまに大漁の時は、妻や私の友人たちに声を掛けると「待ってました!」と取りに来てくれるので、我が家の分を残し、残りは一両日中に配り切っています。妻の友人からは「池田の魚屋か漁師の女将みたい」と言われたりもします。
旬の魚を、旬の時期に釣るのは基本ですが、やはり私は、釣りを楽しむことも大切にしています。
父からは、幼い頃からさまざまな魚釣りを教わりましたが、釣りの最中に怒られた記憶はなく、いつも楽しい時間でした。釣りの引きの楽しみや、アタリの興奮はもちろん、そこに至るまでの仕かけやエサなどを工夫する楽しさ。「こうでもない、ああでもない」と工夫しながら釣りを楽しみますよね。
前日の夜は、まるで、遠足前の子供のように眠れない、なんてこともあります(笑)。釣りには、出発前、当日、帰宅、帰宅後と、それぞれの楽しみがあります。どんな趣味でもそうかもしれませんが、釣りの楽しさはその全過程にあるのだと思います。
先日、友人から「釣りってのんびり気長な趣味だね」と言われましたが、私は「いやいや、釣り人ほど短気な人はいないよ!」と即答しました。特に上手な人ほど短気で、竿やリールをじっと持ってる時間なんてほとんどなし。仕かけやエサを頻繁にかえ、気も身体も常に動いていますから(笑)
釣った後は、いかに美味しくいただくか、が勝負です! 基本は刺し身、焼き、煮るの3本柱ですが、そこにひと手間加えることで、メニューの幅はグンと広がります。
私が連載している「我が家の板長料理」は、すでに200回を超え、約4年間続いています。つりそく船釣りクラブのメンバーからは「よくネタが尽きないね」と驚かれますが、それは、刺し身、焼き、煮るに加えて、和、洋、中華のアレンジ、さらに外食やテレビで見た食材、味付け、香味などを取り入れて日々チャレンジしているからです。
妻がアイデアを出し、試作して、家族みんなで試食。評価をもとにレシピに仕上げていく。そんな家庭の営みも、釣りの楽しさの一部です。

▲ヤリイカと春キャベツのカレー炒め(盛付)
つりそく船釣りクラブのメンバーの多くは、帰宅後すぐに魚をさばいて調理しています。たくさん釣れた時は、大型冷凍庫(中には業務用サイズの方も!)を活用して保管。つまり、皆釣った魚を大事にしているし、美味しく食べることにこだわりを持っています。それが、魚への感謝の証しでもありますね。
いつも同じようなことを言っているかもしれませんが、釣りという共通の価値観を持つ仲間と一緒にいられることは、楽しく、そして安心感があります。メンバーは年齢も性別も、生まれ育ちもバラバラですが、「釣り」の場になるとそんな違いは関係なくなり、自然と輪(和)ができ上がります。ストレスフリーでいられるのは、まさに幸せなことです。オン、オフの場面の違いがあっても、顔を合わせて話せばすぐに打ち解けられる、そんな関係です。
釣りがキッカケではありますが、本当によい仲間に恵まれています。

▲つりそく船釣りクラブのメンバーでの釣行会
まだメンバーになっていない方も、ぜひ「つりそく船釣りクラブ」に参加して、「ワイワイ・ガヤガヤ」楽しんでみませんか?
見た目は強面、とっつきにくそうな人もいるかもしれませんが、それは表面だけ。実はとても優しくて面倒見のよい方ばかりですので、お気軽に!