つりそくのオフィシャルクラブ、「つりそく船釣りクラブ」のメンバーが、船から狙う旬のターゲットを紹介。
この記事を参考に、皆さんもどっぷりと船釣りの世界にハマってください。

青山 博(Hiroshi Aoyama) プロフィール
なにわの初夏の風物詩「稚アユ釣り」
初夏の風物詩と言えば、何を連想されますか?
今回紹介する稚アユ釣りは、大阪市内を流れる大川(旧淀川)にて、伝統的に伝え続けられてきたもので、まさに、 なにわの風物詩と言えるものです。
大川は新淀川の毛馬の閘門から分流し、堂島川、安治川と名をかえ、大阪湾に至る河川です。
ここのアユは、大阪湾流入河川で孵化した個体が海で越冬し、春になって遡上してきたものですが、ここから上流の新淀川に入るには魚道がなく、水門の開けられた時に限られるので、アユは足止めの状態になります。信じて上ってきた川が突然遮断され、可哀そうな感じがします。
この後、アユたちはどうなるのでしょうかね?
さて、本題の稚アユ釣りですが、釣り方は基本的に胴突き仕かけでのサビキ釣りです。
マキエをマキエカゴに入れ、仕かけを落として、上下に竿を動かしていると、マキエに反応した稚アユが仕かけに突進し、針を食ってきますので、そっと竿を上げるだけの超簡単な釣りです。
ポイントとして、竿は硬調で先調子のものがよいと思います。長さは、少し沖めを狙いたいので5.4mがオススメです。
仕かけは、各社から市販されているものでOKですが、ご当地で実績のあるものは、袖針3号、ハリス0.3号 、長さ1cm、 間隔6cm、12本針で、針はカラ針かフラッシャー付き、ビーズなしがよいと思います。

▲タックル
使用するマキエですが、市販配合エサの鮎乱舞、自作エサの微粉パン粉+けずり粉ですが、どちらでもよく釣れます。自作の場合は、基材に必ず魚粉、サバ缶などの魚類タンパク質を添加します。
マキエは仕かけ先端に付けたラセンに、ダンゴ状にしたエサを押さえ付けて取り付けます。

▲マキエ
次に実釣の状況ですが、今年は水温が低かったためか、少しソ上が遅れ、釣れだしも遅く、ゴールデンウイーク明けから始まったようです。
私も5月中旬、55年来の釣友と大川の毛馬橋周辺に釣行してきました。
7時頃、現地に到着しましたが、すでに多くの人たちが釣り始めており、稚アユの回遊コースから少し外れた入江状(船着き場)の所で竿を出しました。
通常、稚アユは群れで回遊していますので、釣れだすまではマキエに専念しますが、この日は早々に釣れ始め、一時入れ食いになりました。その後、中弛みがあり、昼前に再度ラッシュがありました。
この釣りは、釣る場所で釣果のムラがあるのと、天候や時間帯によって、釣れやすい日と釣れにくい日があるのが特徴です。
マキエで稚アユは集まっても、針を食わせられるかは、稚アユに針が食物に見えるかがポイントです。針の大きさ、キラメキ、フラッシャーやチモトの飾りと太陽光の関係をファクターと考え、突き詰めると、なかなか面白い釣りだと思います。
当日、実質6時間ほどで155尾が釣れました。サイズは最大13.5cm、平均的には10cm前後でしょうか。

▲1番上が最大サイズの13.5cmの若アユ
地域や期間限定の釣り物ですが、安近短+美味い 初夏を感じる、癒し系の稚アユ釣り、いかがでしょうか?
最後に、注意事項として、稚アユや小アユはほかの河川や湖でも釣れますが、場所によって漁業権が設定されていたり、立ち入り禁止の場所もあるので、十分に注意してください。
ロッド:渓流竿5.4m
ライン:天井糸1号、道糸ナイロン0.6号
仕かけ:目印、集寄、パニック
マキエカゴ:オモリ内蔵(2~5号)のラセン状タイプ
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