「昨日、めっちゃガシラ釣れてん！」

この言葉、関西の釣り人なら「お！」とすぐに情景が浮かぶはず。でも、もし関東の釣り人の前で同じことを言ったら、「ガシラ…？どんな魚？」とキョトンとされてしまうかもしれません。

実は、私たちが普段当たり前に使っている魚の名前は、全国共通の呼び名（標準和名）とは違う「地方名」であることがよくあります。

今回は、そんな関西ならではの魚の呼び名とその豆知識をご紹介します！知っていると、釣りの話がもっと楽しくなること間違いなしです。

では、関西とほかの地域（主に標準和名や関東での呼び名）で名前が違う代表的な魚たちを見ていきましょう。

【ガシラ】その正体は、全国区のロックフィッシュ「カサゴ」！

関西での呼び名: ガシラ、ガッシー（笑） 標準和名/関東名: カサゴ

関西の堤防や磯などからの釣りで、最も馴染み深い魚のひとつ、それが「ガシラ」です。そのゴツゴツした頭（かしら）から「ガシラ」と呼ばれるようになった、というのが有力な説だそう。どう猛な見た目とは裏腹に、その身は上品な白身で煮付けにすると絶品ですよね！ 全国的、またルアーフィッシングの世界では「カサゴ」と呼ばれ、岩場に潜むことから「ロックフィッシュ」の部類に入ります。

【グレ】磯のスプリンター！その名は「メジナ」

関西での呼び名: グレ 標準和名/関東名: メジナ

磯釣りのターゲットとして絶大な人気を誇り、その力強い引きから「磯のスプリンター」とも呼ばれるこの魚。関西では圧倒的に「グレ」という呼び名がメジャーです。語源には諸説ありますが、ほかの魚に比べて黒っぽい体色から「黒い魚」→「くれえ魚」→「グレ」となったという説が有力。関東では標準和名である「メジナ」と呼ばれるのが一般的です。

【チヌ】関西の釣り人が愛してやまないターゲット「クロダイ」

関西での呼び名: チヌ 標準和名/関東名: クロダイ

大阪湾が古くは「茅渟の海（ちぬのうみ）」と呼ばれ、そこでよく獲れたことから、その名がついたとされる「チヌ」。フカセ釣りや落とし込み釣りなど、多様な釣り方で狙える身近なターゲットとして、関西の釣り人に深く愛されています。これも関東では「クロダイ」と呼ばれるのが一般的です。

【アコウ】幻の高級魚！その名は「キジハタ」

関西での呼び名: アコウ 標準和名/関東名: キジハタ

美しいオレンジ色の体に斑点模様を持つ、根魚の王様。関西、特に瀬戸内エリアでは「アコウ」と呼ばれ、料亭などで扱われる超高級魚として知られています。その上品な白身は、1度食べたら忘れられないほどの絶品。標準和名は「キジハタ」です。釣り人にとっては、まさに幻のターゲットですね。

いかがでしたか？

関西と関東だけでも、こんなに呼び方が違う魚がたくさんいて、本当に面白いですよね。 釣り場でほかの地域から来た人と話す時や、遠征先で釣具屋さんに行った時、こんな地方名の知識がちょっとした話のタネになるかもしれません。 あなたの周りだけで通じる、特別な魚の呼び名も探してみてはいかがでしょうか？

ちなみに、成長すると名前が変わる「出世魚」の話も面白いんですよ。スズキやブリなど、その話はまたの機会にご紹介しますね！