いよいよシーズンインしたタチウオの季節。
その名前の通り、太刀のようなギラッギラの体表がカッコいいんですよねぇ……。
さて、この体表の銀色。触ると手に付くんですよね。コレって何かに使われていなかったのかな? と調べてみると、意外なものの材料に使われていたんです。
「コスメ」にタチウオが使われていた!
タチウオの体表にあるキラキラとした銀色は、「グアニン」という成分によるもの。これはタチウオの鱗や皮膚の細胞内にある微細な結晶で、光を強く反射する性質を持っています。
で、このグアニンは、人工真珠の光沢剤やマニキュア、アイシャドウなどのコスメに使われていた時代があったらしいのです。
特に戦前~昭和中期にかけては、真珠粉や貝殻よりも手軽に入手できたため、魚のウロコ由来のグアニンが広く利用されていたんだとか!
しかもタチウオだけではなく、イワシ、サバなどの鱗からグアニンを抽出し、化粧品会社がパール調の艶出し成分として使っていたとも。今のような合成顔料がなかった時代、海の魚たちは“天然のコスメ素材”として重宝されていたわけですね。
現代では…
ちなみに、現代では安全性、倫理面、安定供給の観点から使われていないそうで。よく考えりゃ、そりゃそうか。と1人で納得。
釣って楽しい、見て美しい、使って驚き!
タチウオの“美しさ”はただの見た目ではなく、かつては人の美しさを引き立てる道具にもなっていたという事実。
釣り人でなくとも思わず「へぇ~!」となるような、海と人との意外なつながりがあったんですね!