「なんだか今日は全然釣れないな…」
周りは釣れているのに、自分だけアタリがない。そんな悔しい経験をしたことはありませんか?もしかしたら、その原因は魚たちが集まるスーパーホットスポット、「潮境(しおざかい)」を見逃しているからかもしれません。
海面にできる「潮目(しおめ)」はよく知られていますが、本当に重要なのは、実は海中に存在する“見えない潮境”。
この記事では、一歩進んだ釣果を目指すため、海中の潮境を探し出し、釣果を劇的にアップさせる秘訣に迫ります。
そもそも「潮境」ってなんだ?
潮境とは、簡単に言うと「性質の違う潮と潮がぶつかる境界線」のことです。
海の中は、常に同じ状態ではありません。水温や塩分濃度、流れの速さが違う「水の塊(水塊)」がいくつも存在し、それらがぶつかり合うことで、目に見える潮目だけでなく、水中にも複雑な境界線が生まれます。
なぜ潮境は「釣れる」のか?そこは魚たちのレストラン!
では、なぜ潮境には魚が集まるのでしょうか?その理由は、海の食物連鎖が凝縮されるからです。
プランクトンが集まる
流れの異なる潮がぶつかることで、潮に乗って流れてきたプランクトンが潮境の周辺に溜まります。
小魚が集まる
プランクトンが豊富な場所には、当然それをエサとするイワシやアジなどの小魚が集まってきます。
大型魚が集まる
そして、その小魚を狙って、シーバス、青物、タチウオ、ヒラメといったフィッシュイーターたちが集結するのです。
つまり、潮境は「プランクトン ⇒ 小魚 ⇒ 大型魚」という食物連鎖が凝縮された、海の中の一大レストランのような場所なのです。
海面下にある“見えない潮境”の見つけ方
目に見える潮目はもちろん絶好のポイントですが、ライバルと差をつけるには、海中の潮境をいかに見つけるかが鍵となります。その方法は、五感とタックルに集中することで見えてきます。
① ルアーや仕掛けが伝える「潮の重さ」を感じる
ジグやルアーを沈めている時、急に「スコッ」と軽くなったり、「グッ」と重くなったりする感覚はありませんか?それは、流れの速さや向きが異なる潮の層を通過しているサイン。いわば「水中の潮境」にルアーが到達した証拠です。特に抵抗が重く感じられる層は、魚が定位しやすい絶好のヒットゾーンであることが多いです。
② ラインの角度や動きに注目する(2枚潮・3枚潮)
仕掛けを投入した後、水中のライン途中から違う角度に曲がっていくことがあります。これは「2枚潮」や「3枚潮」と呼ばれる状態で、海中に流れの違う層が複数あることを示しています。この流れが変化する層こそが、強力な潮境です。仕掛けが馴染みにくく釣りにくい状況ですが、攻略できれば爆釣につながる可能性があります。
③ 魚群探知機で「ベイトの反応」や「水温躍層」を探す
ボートフィッシングであれば、魚群探知機は最大の武器になります。特定の水深にベイトフィッシュの反応が濃く映る場合、その層に潮境が形成されている可能性が大です。また、水温が急激に変化する層「水温躍層」が映し出されることがあり、ここもプランクトンやベイトが溜まりやすい一級のポイントとなります。
④ アタリが集中する「ヒットレンジ」を記憶する
その日、アタリが集中する水深(タナ)はありませんか?一度でも魚が釣れた水深は、最重要情報です。同じ水深を重点的に攻めることで、その周辺に形成されているであろう潮境付きのベイトの群れを効率的に狙い撃つことができます。
海面に現れる分かりやすい潮目だけでなく、海中に無数に存在する「見えない潮境」。
ルアーから伝わるわずかな重みの変化、ラインの動き、そして魚探の情報。これらをヒントに海中の様子をイメージすることで、他のアングラーが見逃している魚の楽園を見つけ出すことができます。
海面に見える潮目ももちろん重要ですが、これからは海中にある潮境ももっと意識してみましょう。あらゆる海域、あらゆる状況で安定した釣果を上げるための、最強の秘訣になるはずです。