電動リールで巻き上げれば、タチウオが簡単に掛かる!【12釣法】&低活性時に最強【咥せ釣法】って何だ? 名手・金森聡の爆釣メソッド

タチウオ特集

金森 聡(かなもり あきら) プロフィール

春夏秋冬、大阪湾のテンヤタチウオのことばかり考えている根っからのタチウオマニア。2020大阪湾タチウオKINGバトル準優勝、2021、2022、2023、2024年ファイナリスト。ダイワ船フィールドテスターとして活躍中

船のテンヤタチウオ釣りは、タックルの進化とともに、その釣り方も旧来とは一変し、全国各地でいろいろな釣法が生まれています。

そして、それがエリアに合った釣り方なら、コンスタントに好釣果を上げることができるのも当然です。

そこで気になるのが、よく釣る人、いわば「名手」と呼ばれる人たちの釣り方。

偶然、同船しても釣座が隣同士にならない限りは、なかなかじっくりと観察できないですよね。

ここでは普段、見ることができないテンヤタチウオの名手の釣りを、タックルから釣り方までを紹介します。

今回はトーナメンターであり、【12釣法】&【咥せ釣法】の名手、ダイワフィールドテスターの金森聡氏の釣りにスポットを当てました。

12釣法とは?

金森氏が実践する「12釣法」、この釣りは電動リールでテンヤを常に巻き上げてタチウオを誘い、ロッド操作で食わせの“間”を作ってアタリを引き出す釣り方です。

一旦、アタリがでても、基本はそのまま。金森氏曰く「巻き速度が合っていれば、タチウオがテンヤに付いてくる」。

後は竿先が引き込まれるのを待つだけです。

では、この釣りの名称にもなっている「12」、一体何だと思いますか?

実はこの数字、電動リールの巻き上げ速度なんです。

金森氏はダイワの電動リール「シーボーグ100J」を使用しますが、巻き上げ速度「12」と聞いて、テンヤタチウオ釣りをしたことがある方は「えっ⁉」と思うかもしれません。

そう、巻き速度「12」って、体感的には、かなり速いです。

この早巻きレベルで、常に巻き上げて誘うのが基本です。

そして、竿を下げて食わせの間を作る。

この竿を下げる動作がキモで、竿を下げた時には、テンヤの上への移動が止まります。この時にアタリがでることが多いのが特長です。

なので、12釣法は基本的にテンポの速い釣り。

この巻き速度に付いて来ることができる大型の個体、あるいは活性の高い個体を意識して狙える釣りとして、やり始めたとか。

元来は大型が狙える釣り方、そして、そのテンポのよさから、タナを広くサーチできる釣法として金森氏が実釣で使い始めました。

タックル&仕かけ

金森氏のタックルは、竿がダイワの瞬鋭テンヤタチウオEX91H-160、リールはシーボーグ100JL、テンヤは船タチウオテンヤSSシリーズを全て使いますが、中でも愛用は今秋発売となった、船タチウオテンヤSS TG 早掛けショート

これら3つが、金森氏の「12釣法」や「咥せ釣法」の釣りにベストマッチするそうです。

瞬鋭テンヤタチウオEX91H-160

スムーズに曲がり込む極鋭シリーズのSMTの穂先とは対照的に、高弾性のカーボンソリッド「メガトップR」穂先を搭載した手感度のよさは随一。

▲高弾性カーボンソリッドのメガトップRを搭載した瞬鋭テンヤタチウオEX91H-160の穂先

その抜群の感度故に、タチウオがテンヤを咥えているか否かも判断しやすくなっています。

また、160というテンヤタチウオ専用ロッドとしてはショートレングスと、自重81gの軽量性で、操作性も抜群。ロッド操作が必須の12釣法や咥せ釣法では、最高の相棒となってくれます。

「瞬鋭 テンヤタチウオEX91H-160」の詳細ページはこちら

シーボーグ100JL

ダイワの電動リール史上最軽量の自重375gで、サイズも手にスッポリと収まる超コンパクトなモデル。手持ちの釣りとなるテンヤタチウオには相性もバッチリです。

センターに配置されたJOGパワーレバーで速度調整も瞬時にできるので、タチウオの急激な引き込みにも瞬時に対応することが可能。

低回転時にも十分なトルクがあるMAGMAXモーターで、デッドスローから回収時の超高速巻きまで、パワー十分な安定感のある巻き上げが快適です。

「シーボーグ 100J」の詳細ページはこちら

船タチウオテンヤSS TG 早掛けショート

▲船タチウオテンヤSS TG 早掛けショートにサンマを巻いた状態

トーナメンター御用達のテンヤ、ダイワの船タチウオテンヤSS TGに追加ラインナップされた早掛けショートモデル。

「シルエットがより小さくなり、食い渋り時にも段違いのバイト数を生み出してくれる」と金森氏。

フックのゲイブの幅、シャンクの長さにも金森氏のコダワリが詰まっており、瞬鋭テンヤタチウオEXでの「瞬掛け」にもレスポンスよく対応してくれます。

「船タチウオテンヤSS TG 早掛けショート」の詳細ページはこちら

12釣法のやり方

シーボーグ100Jの巻き速度「12」で巻き上げる

金森氏の12釣法は、必ず電動リールの巻き上げを入れます。

その巻き上げ速度は「12」が基本。

この早めの巻き上げで、テンヤを誘い上げていきます。

誘いは竿先を下げる

そして、誘い。

電動での巻き上げを開始すれば、まずは穂先を高めの位置に構えます。

この位置から、食わせの間を作るタイミングで誘い下げ。

竿先をスーッと下げます。

この下げ幅は、その時々。数回に分けて竿先を下げる場合もあれば、1度にスーッと下げる時もあります。

注意したいのが、竿を下げるスピード。テンヤの巻き上げを止めて、一瞬のステイの間を作りたいので、電動の巻き上げ速度に合った速さで下げます。

金森氏曰く「PEラインのマーカーを目安すると、どれぐらいの速さで竿を下げるとテンヤがステイするかを判断しやすい」。

下まで竿先を下げれば、穂先を再度高い位置に戻します。

この時、金森氏は竿をシャクリながら竿先を元の位置に戻します。

これは、テンヤの移動速度を遅くするため。

シャクリながら上げることで、周囲のタチウオにテンヤをアピールしつつ、テンヤの巻き上がる速度を抑えるメリットがあります。

アタリがでれば

この12釣法でのアタリは、竿を下げた時や、その直後にでることが多いです。

そのタイミングで、コンときたり、フワッと穂先を持ち上げたり。瞬鋭テンヤタチウオEXの感度なら、穂先を見ていなくても、瞬時に手元にアタリが伝わるそうです。

ここで、巻き上げ速度がタチウオの活性に合っていれば、そのままタチウオはテンヤを追って上へと付いてきます。

逆に、アタリがそれっきりでタチウオが付いてこない時は、巻き上げ速度が合っていない、と判断して巻き速度を調整します。

初アタリからの目安としては、食い上げアタリが続く時は巻き上げ速度が遅い、テンヤに付いてこない時は巻き上げ速度が速い場合が多いです。

また、初アタリがでない時も、誘いの速度が合っていないと考えて、「12」から「8」前後に遅くしたり、「15」前後まで速くしたりすることもあります。

▲初アタリがでても、追ってこない時は巻き速度を少し落とすと、よい場合が多い

アワセのタイミング

気になるアワセのタイミングですが、巻き速度が合っていればタチウオはテンヤに付いて上がってきます。

そして、やがて食い付いて竿先が引き込まれます。

ここがアワセのタイミング。

グッと入れば、小さく竿で軽く合わせてやれば、高確率でフッキングします。

この時、高弾性メガトップRの瞬鋭テンヤタチウオEXは、合わせた途端に止めてしまうと、穂先で弾いてバラシに繋がることもありますが、金森氏は「合わせた後に、止めずにゆっくり引き上げるようなイメージでラインテンションを張ったままにすれば、その心配はほぼ要らない」と言います。

当日も金森氏は、バラシもほぼなく、次々にタチウオを取り込んでいきました。

食い渋りや早潮時にも効く12釣法

12釣法は本来、遊泳力のある大型や活性の高い個体を狙ったり、タナを広く早くサーチできる釣りですが、金森氏は「実は食い渋り時にも効果的なんです」と言います。

それは、リアクションバイトを狙う方法。

通常、食い渋りなどで活性が低い時には、誘う速度を落としがちですが、この12釣法では「巻き速度を上げるとよい」とのこと。

当日も「12」から「15」へと、スピードアップさせてヒットさせるシーンも見せてもらいました。

これは早めに巻き上げられていたテンヤが、竿を下げてステイするタイミングと、その動き出しが絶妙な誘いになるようで、渋い時ほど巻き速度を上げて、誘いとステイとのメリハリを大きくすると、バイトがでることが多いそうです。

そして、「早潮時にも効く」と金森氏。

等速で常に巻き上げるので、潮がブッ飛んでいてもラインを張れているので、テンヤがしっかりと動き、アタリもハッキリとでるそうです。

これらを聞いていると、12釣法は、手順こそ電動リールでの等速で巻き上げて、竿を下げるだけのビギナーにも簡単にアタリをだしやすい釣りですが、高活性時、低活性時、早潮時、大型狙いと、「どんな状況にでも使える万能な釣り」かもしれないですね。

咥せ釣法とは?

今回紹介するもう一つの釣法が「咥せ釣法」。

これは初アタリを引きだせば、タチウオにテンヤを咥えさせて、竿で引き上げていき、大きく引き込むアタリへと導く釣り方。

金森氏は「初アタリがでても追わない時や、冬の低活性時に効果的な釣り方」だと言います。

この釣りのメリットは、タチウオにテンヤを咥えさせれば、高確率でヒットに持ち込めること。咥えた状態からのフッキングになるので、掛かり所もよく、やり取り中のバラシがほとんどないのも特長です。

咥せ釣法のやり方

まずは初アタリをだす

咥せ釣法は、まずは初アタリをだしてからがスタートです。

それまではストップ&ゴー、ジャーク&ステイなど、思い思いの誘い方でアタリをだします。

初アタリがでれば、ここからが本番。

タチウオがテンヤを咥えれば竿で引き上げていく

タチウオがテンヤを咥えるのを確認した状態で、竿でゆっくりと上へと引き上げていきます。

「タチウオがテンヤを咥えたのが分かるの?」となりそうですが、手感度抜群の瞬鋭テンヤタチウオEXなら、テンヤとエサの負荷に加わる微妙な重さが感じられるそうです。

竿を上まで上げれば、リールを巻きながら竿先を下へ下げて、再び引き上げます。

途中でテンヤを離された場合は、そのタナで誘いを入れれば、再び咥えることも多いです。

アワセのタイミング

引き上げ速度が合っていると、タチウオはテンヤを離さないので、焦って合わせにいかないこと。

アワセのタイミングは、竿先がグッと入った時。

竿先で引き上げていっているので、軽く合わせるだけで掛かります。

なかなか引き込まない時は、竿を上げるスピードを若干速くすると、タチウオにスイッチが入って、食い込みアタリがでやすいとのこと。

当日は水深50mラインでアタリがでて、大きく引き込んだのは水面から10m以内の時もありました。

瞬鋭テンヤタチウオEX、シーボーグ100J、船タチウオテンヤSS TG 早掛けショートならではの“瞬掛け”

また、金森氏は当日、12釣法からの「瞬掛け」というパターンも披露。

瞬鋭テンヤタチウオEXの感度とシーボーグ100Jの等速巻き、船タチウオテンヤSS TG早掛けショートのフッキング性能の、3つが組み合わさった次元ならではの釣りで、12釣法でアタリをだし、大きく引き込まなくとも、微妙なモタレのアタリで即掛けしていく「瞬掛け」でも連発していました。

各個人には自分に合った釣りスタイルがあると思いますが、名手の釣り方を参考にするのもステップアップへの近道。

ワザの引き出しが多ければ多いほど、いろいろな状況に対応ができて、釣果アップも可能になりますよ。

金森氏の当日の実釣シーンは、こちらの動画をご覧ください↓

ダイワ(DAIWA)

1958年の創業、リール、ロッド、ルアー、用品などあらゆる釣り物のフィッシングタックルを扱う総合ブランドとして、国内、海外に多くのファンを抱えている。ジャパンクオリティの品質の高いアイテムを日々開発、その過程で、世界初となるテクノロジーも数多く輩出している!

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