ハイシーズンに突入した船テンヤタチウオ釣り、各地で「ドラゴンが上がった」、「数が釣れている」など、釣り人にとって嬉しいニュースが聞かれます。
人気の釣り故にその商品数もハンパなく、仕かけ1つを取っても、ビギナーを含めた初中級者の方には、釣具店にズラリと並ぶタチウオテンヤの中から、どれを選べばよいのか、と迷う人も多いのではないでしょうか?
それもそのハズ、タチウオテンヤにはカラーの豊富さはもちろん、昨今はフックにも複数の種類が存在します。
そこで、今回はフックの種類が豊富なダイワの船タチウオテンヤSSシリーズを例に取って、フックタイプの選び方(シングルフック仕様)を紹介します。

出典:ダイワ
フックサイズは3種類
ダイワのタチウオテンヤは、斬新なヘッドやフックの交換システムによって、いろいろな組み合わせが可能になっています。
現在、ダイワから発売されている船タチウオテンヤSSシリーズのシングル仕様のフックのサイズは、今秋新登場したショートフックを含めて3種類。
ショート、ミドル、ノーマルです。
その違いは、写真を見てもらえば分かると思いますが、針の大きさ。
大きい順にノーマル、ミドル、ショートとなります。
この差が、もたらすモノは何か?
ダイワスタッフの「きくりん」こと、菊池氏に聞くと「フッキングと取り込みやすさ」が大きく変わってくるそうです。
釣れているタチウオのサイズに合わせたフック選び
上記の写真に3タイプの大きさ比較がありますが、ショートとノーマルでは、全長がおよそ26mmほど違います。そして、ゲイブの幅や懐の広さも。
これによって、タチウオのサイズが違えば、それだけフッキング箇所も変わり、フックサイズの適合でバラシを軽減できる訳です。
一般的にドラゴンなどの大型が出やすい場合は、針の懐の広さを重視して“ノーマルフック”をメインとした大きめの針を、小型が多い場合は掛かりやすさを重視して“ショートフック”をメインとした小さめの針を使うとよいそうです。
ミドルは、ノーマルとショートの中間サイズなので、どちらの場合でも使えるオールラウンドモデルと言えるかもしれませんね。
ダイワ船フィールドテスターの金森氏は、「エサのサイズに合わせて選ぶのもアリ」と言います。
その時に使用するエサの大きさで、針の大きさを合わせていくイメージです。
金森氏は例として、「エサが小羽イワシならショート、中羽イワシならミドル、大羽イワシならノーマル、というようにイメージするとよいのでは」と教えてくれました。
また、金森氏は大阪湾では、ショートフックにサンマエサを多用することが多いそうです。
渋い時はシルエットサイズによって、アタリの数も変わる?
また、興味深い点として、状況によってはフックサイズの違いで、アタリの数にも変化がでることもあるそうです。
高活性時は、それほど差が感じられないとは思いますが、渋い時ほど、タチウオはテンヤのカラーにその時点の当たりカラーがあるように、シルエットサイズによってもアタリの数が変わるとか。
当然タチウオの活性にもよりますが、一般的には「針のサイズが大きければ大きいほど、テンヤをタチウオに見られるので、渋い時ほど、テンヤのシルエットが小さい方がアタリがでやすい」そうです。
渋い時の状況も考慮して、シルエットの小さいショートフックを忍ばせておくと、ノーマルフックやミドルフックでアタリがでにくい時でも、お助けアイテム的な役割も担ってくれそうですね。

▲ショートフックを搭載したダイワの船タチウオテンヤSS TG 早掛けショート
固定式、遊動式は釣り方に合わせて
そして、ダイワの船タチウオテンヤSSシリーズには、フックが固定された固定式(船タチウオテンヤSS ST、船タチウオテンヤSS TG)と、引き込めばフックが下がる遊動式(船タチウオテンヤSS AH)のタイプがあります。

▲引き込めば、針が下がってフッキングしやすい、船タチウオテンヤSS AH
この使い分けとして、金森氏は「即掛けスタイルの釣り人には、レスポンスよく掛けたり、誘いを入れたりしやすい固定式がオススメ。遊動式のAHは、針が下へと下がるので、不意に大物が掛かってもバネの作用で、急で強烈な引き込みに対しても針穴が広がりにくく、バラシが軽減できるのが最大のメリット。引き込むアタリも掛かりやすい上、やり取りに慣れていないビギナーにも最適」とのことです。
昨今は釣具店に多くの種類のタチウオテンヤが並んでいます。
ここで列記したフック選びの目安を頭に入れておけば、実釣時にそれぞれの使い道が判断できて、それがアタリの数や取り込み率、最終的には釣果にも関わってきます。
これからはテンヤのカラーだけでなく、フックサイズも意識して、状況に合った最適なタチウオテンヤを使うと、より釣果アップが期待できますよ。
