釣具店に足を運ぶと、オモリやルアー、天ビンなどが、ずらりと並んでいます。私たちは普段、その形や重さ、色、そして値段を見て「どれにしようかな」と選びますよね。
しかし、その釣具が「どんな金属で、できているか」を意識したことはありますか?
実は、釣具に使われる金属には、それぞれにハッキリとした特徴があり、その違いを知ることで、釣りの精度や楽しさ、そして釣果が大きく変わってくるかもしれません。今回は、あなたが使っている釣具への理解が深まる「金属」のお話です。
あなたの道具はどれ?代表的な金属とその特徴
まずは、釣具でよく使われる金属たちの個性を見ていきましょう。それぞれの長所と短所を知れば、なぜその釣具にその金属が使われているのかが見えてきます。
特徴: 重くて柔らかく、そして何より安価。
主な用途: オモリ、ジグヘッドなど
根掛かりが多い場所でも臆せず使える、コストパフォーマンスが最大の魅力。万が一失くしてしまっても、精神的・経済的ダメージが少ないのは嬉しい点です。一方で、その柔らかさから岩などにぶつかると、変形しやすいという側面もあります。近年では環境への負荷が懸念されることもあります。
特徴: 非常に硬く、鉛よりもさらに重い(高比重)。ただし、高価。
主な用途: オモリ(シンカー)、ジグヘッド、メタルジグなど
タングステンの最大のメリットは「高比重」であること。同じ重さの鉛製オモリより、ずっと小さく作れます。これにより、以下のような利点が生まれます。
潮の流れが速い場所や深場でも、狙ったポイントへ素早く仕掛けを届けられます。 高価なのがネックですが、その性能は1度使うと手放せなくなる人も多い、まさに切り札的な存在です。
特徴: 硬くて丈夫、そして何より錆びにくい。
主な用途: 天秤、スナップ、スプリットリング、プライヤーなどの小物類
海水にさらされても錆びにくいステンレスは、仕掛けの接続パーツや道具に欠かせない存在です。強度も高いため、大物とのファイトでも安心して使えます。日々のメンテナンスが楽になるのも嬉しいポイントですね。
特徴: ほかの金属に比べて軽い(低比重)。
主な用途: ルアー、環境に配慮したオモリなど
この3つの金属は「軽さ」が最大の特徴です。鉛の代替として、環境に配慮したオモリの素材としても注目されています。
ほかにもいろいろあるので、ぜひチェックしてみてください。
「重さ」と「硬さ」を知れば、最適な釣具選びができる!
それぞれの金属の特徴が分かったところで、アングラーが特に意識したい「重さ(比重)」と「硬さ」の順番を見てみましょう。
【重さ(比重)の順番】 タングステン > 鉛 > 真鍮 > ステンレス・鉄 > 錫 > 亜鉛 > アルミ (右に行くほど軽い)
【硬さの順番】 タングステン > ステンレス > 鉄 > 真鍮 > アルミ・亜鉛 > 錫 > 鉛 (右に行くほど柔らかい)
次に釣具を選ぶ際は、ぜひパッケージの裏に書かれている「素材」にも目を向けてみてください。あなたの釣りが、もっと深く、もっと面白くなること間違いなしです。