イカといえば、何を思い浮かべますか?透き通るような身、コリコリの食感、そして…敵に襲われたときに噴射する、あの真っ黒な「墨」!ですよね。
ところが、釣りたての新鮮なイカをさばいてみると、墨袋は黒じゃなくて宝石のような虹色。
そうなんです。イカの墨袋、実はただの黒い袋じゃないんです。まるでシャボン玉か、CDの裏面のように、角度によってキラキラと玉虫色に輝くことがあるんです。
インクは黒、袋は虹色。その秘密は「構造色」
「墨が漏れてるわけでもないし、袋に色が付いているわけでもない…。じゃあ、このキレイな色は一体何なの?」
その答えは、ズバリ「構造色(こうぞうしょく)」という現象。
難しい話は抜きにして簡単に言うと、これは「物質そのものの色ではなく、表面のめちゃくちゃ細かい構造が光を反射して見せる色」のこと。
イカの墨袋の表面は、実は薄〜い膜が何層にも重なった特殊な構造をしています。そこに光が当たると、それぞれの膜で反射した光が互いに影響し合い、特定の光だけが強く私たちの目に届く……という訳。
輝きは鮮度のバロメーター
実はこの虹色の輝き、イカが新鮮であればあるほど強く見られる傾向があるのだとか。
ちなみに、こちらは時間が経ったイカの墨袋。
時間が経つにつれて、この繊細な膜の構造が崩れてしまい、だんだんと輝きが失われていくそうです。
ほとんど並ぶことはないですが、もしスーパーで墨袋がピッカピカなイカを見つけたら超新鮮な証ですよ!