堤防や磯場でアジやメジナ釣りをしていると、群れで寄ってくる小さな魚、それが「スズメダイ」です。小さいためリリースされがちですが、実は上品な旨味を持つ白身魚で、地域によっては古くから親しまれてきた隠れたグルメ魚なんだそう!
福岡県では、このスズメダイを使ったユニークな郷土料理が存在するんだとか!
スズメダイはなぜ敬遠されるのか?
スズメダイは、内臓に詰まった海藻などのエサの影響で、独特の風味・臭いを持つことがあります。これが敬遠される理由のひとつですが、調理前に内臓を丁寧に処理することで、この臭いも処理することができるようです。
下処理のコツ
ウロコを取り、ヌメリを洗い流します。 そして内臓と腹の奥の血合いを、包丁や竹串などを使ってきれいに取り除くことが、臭みを消す最大のポイントです。
特別何かするワケではなく、いつもの魚の下処理と同じですね。
ぜひ試したい!福岡の郷土料理「あぶってかも」
スズメダイを美味しく食べるユニークな調理法として、福岡県の伝統料理「あぶってかも」をご紹介します。これは、スズメダイの旨味を骨までまるごと味わう、理にかなった料理です。
「あぶて」はスズメダイの地方名、「かも」は「かむ」や「かじる」を意味すると言われています(諸説あり)。新鮮なスズメダイを、皮ごと焼いて豪快に味わう料理です。
下処理をしたスズメダイの腹に塩を塗り、表面にも化粧塩を振ります。 串を打つか、そのままグリルなどで両面を焼きます。
焼くことで皮の強い旨味と香ばしさが引き立ち、骨のまわりの身がとくに美味しくなります。
焼いて食べようという意味の「あぶって噛もう」や、あぶったら鴨のような旨味を感じたことから由来するそうですよ。
釣り場でリリースされがちなスズメダイですが、適切に処理をすれば、その上品な旨味は「あぶってかも」のような伝統料理にもなるほどの美味しさです。
ぜひ、次回の釣行で釣れた際には、この隠れた美食を味わってみてください!