「チヌってなんでチヌなん?」「タチウオって刀に似てるから?」
普段、当たり前のように呼んでいる魚の名前ですが、その由来を探ってみると、昔の人の観察眼や、その土地の文化に根差した面白い発見がたくさんあります。

今回は、釣り人なら知っておきたい、身近な魚の名前に隠されたトリビアをご紹介! これを読めば、魚への愛着がもっと深まるはず!
1.見た目や場所がヒントに!「なるほど!」な由来

魚の姿かたちや生息地が、そのまま名前になったと言われる魚たちです。
由来:やはり、あの銀色に輝く細長い姿が「太刀(たち)」に似ているから、というのが最も有力な説。夜に海中で立ち泳ぎする姿から「立ち魚」とも言われますが、刀由来説が一般的なようです。納得の見た目ですよね!
由来:大きくてゴツゴツした頭が、雨具の「笠(かさ)」をかぶっているように見えることから名付けられたとされています。ちなみに、関西で「ガシラ」と呼ばれるのは、その大きな「頭(かしら)」から来ているという説が有力です。
由来:関西で「チヌ」と呼ばれるのは、大阪湾一帯が古く「茅渟の海(ちぬのうみ)」と呼ばれ、そこで多く獲れたことに由来するとされています。まさに、その土地を代表する魚だったんですね。
2.習性や特徴から名付けられた?ユニークな由来

魚の面白い習性や、ちょっと変わった特徴から名前が付いたと考えられている魚もいます。
由来:釣り上げられた時に「ギーギー」と鳴くような音を出すことから、「いさる(勇ましい)」音を出す魚という意味で名付けられた、という説があります。また、「磯(いそ)」によくいる魚「磯魚(いそき)」が転じたという説も。漢字で「鶏魚」と書くのは、背ビレが鶏のトサカに似ているからだとか。
由来:「鮎(あゆ)」が獲れる時期や場所で一緒に獲れることから「鮎並」となったという説や、鮎のように縄張りを持つ習性から名付けられたという説が有力とされています。「愛に並ぶ魚」というロマンチックな説も聞かれますが、こちらは俗説のようです。
由来:「岸(きし)」近くの砂浜によくいることから、「きしご(岸子)」が転じて「キス」になったという説が分かりやすく、有力視されています。清らかな姿から「潔(きよ)し」が語源という説も美しいですね。
3.成長と季節感が名前の由来に!

成長とともに名前が変わる出世魚や、季節との関連が深い魚の由来も興味深いです。
由来:諸説ありますが、冬に脂が乗って非常に美味しくなることから、「脂(あぶら)」が変化して「ブリ」になったという説が広く知られています。まさに冬の味覚の王様を表す名前ですね。
由来:出世魚として有名ですが、「スズキ」自体の語源ははっきりしていません。一説には、「スス」=小さい、「キ」=魚という古語から来ているとも。また、エラ洗いする様子を布を水ですすぐ「すすぎ」に例えた、という説も語られています。
魚の名前の由来を知ると、その魚の生態や歴史、文化との繋がりが見えてきて、釣りがもっと奥深く感じられますよね。次にこれらの魚を釣った時は、ぜひその名前に隠されたストーリーを思い出してみてください!























