
11月16日(日)、海上釣り堀ファンの視線が和歌山県有田郡広川町に注がれました。「関西つり堀KINGバトル」ファイナル。
予選を勝ち抜き、10月5日のセミファイナル(兵庫県・じゃのひれフィッシングパーク)を突破した、選ばれし「16名の猛者」だけが立てる場所。今年の舞台は「釣堀紀州」です。
受付と抽選を終え、決戦の場となるイケスへ船で移動する選手たち。船上には、これまでとは違う張り詰めた空気が漂っていました。これは、ただの釣りではない。KINGを決める戦いです。
豪華な顔ぶれと厳正なルール
8時からの開会式には、大会名誉会長であるオール阪神さんが登場。MCの片原恵麻さんと共に会場を盛り上げつつも、選手たちの表情は真剣そのもの。
8時20分、釣座へ移動。 エサ、タックル、クーラー、スカリの厳正なチェックが行われます。
そして9時の競技開始直前、各イケスにマダイとシマアジが放流され、いよいよ決戦の火蓋が切って落とされました。

16人のファイナリストたち
【前半戦】手返しが勝負!驚異の「モーニング」ラッシュ

「スタート!」の合図とともに、静寂が一気に破られます。
この大会、開始20分間は「青物狙い禁止」というルールがあります。つまり、「いかに素早く、手返しよくマダイを釣るか」が初期段階の勝負の分かれ目。
ここで圧倒的な実力を見せつけたのが、前年度KINGの中野選手でした。 テント前の釣座に入った中野選手の動きは、まさに「精密機械」。
この投稿をInstagramで見る
掛ける
取り込む
ハリを外す
エサを付ける
投入する
この一連の動作に一瞬の無駄もありません。驚くほどのスピードで、次々とマダイをスカリに収めていきます。「入れ掛かり」とはまさにこのこと。王者の貫禄を見せつけるスタートダッシュでした。
青物解禁、そして沈黙の時間へ
モーニングタイムが落ち着いた頃、青物狙いが解禁。 10時にはハマチの放流もあり、イケスのあちこちで竿が大きく曲がります。豪快な引きに耐え、次々と青物が取り込まれていきました。
本大会は釣り上げた魚の点数の合計(マダイ2点、シマアジ3点、青物5点、その他放流魚3点)で競われるため、各選手の時間帯別の攻略方法にも注目が集まります。
しかし、釣堀の常として、祭りの後には「沈黙」が訪れます。 魚の反応が止まる魔の時間。ここで心を折らず、いかに魚に口を使わせるか。選手たちは仕掛けを変え、エサを変え、常に思考を巡らせます。

【後半戦】渋い時間帯に輝く技、そして…

11時、前半戦が終了。中間検量と場所交代(対面への移動)を行い、11時20分に後半戦がスタート。 再度マダイとシマアジが放流され、活性が上がったタイミングで数を重ねていく選手たち。
しかし、後半戦の多くは、活性が落ち着いた高難度の時間帯です。 ここで輝きを放ったのが田中選手でした。

後半の渋い時間帯もコンスタントにマダイをキャッチしていた田中選手
周りの竿が曲がらない中、ポツポツと、しかし確実にマダイを追加していく田中選手。派手さはなくとも、この「渋い時間帯の1尾」が、最終的な勝敗を大きく左右します。丁寧なアプローチが光っていました。
ラスト数秒の奇跡!会場が震えた「本クエ」
競技終了時刻は13時20分。 オール阪神さんから終了のアナウンスが告げられようとした、まさにその時でした。
極限の集中力で竿を握り続けていた梶谷選手の竿が、大きく絞り込まれていました。 全員の視線が一点に集中します。終了間際のヒット。これを獲るか、バラすか。
慎重かつ大胆なファイトの末、水面に姿を現したのは…本クエ!
幻とも言える高級魚を、最後の最後にキャッチ。 梶谷選手は前半戦ですでに暫定トップと思われる釣果を出していましたが、この劇的な1尾がダメ押しとなりました。

ラストに本クエをキャッチした、まさに「持ってる」男、梶谷選手
14時からの表彰式。 緊張の面持ちで順位発表を待つ選手たち。16位から順に名前が呼ばれていきます。
そして、上位3名の発表。
第3位:中野選手
第2位:田中選手
そして、2025年の栄えあるチャンピオンは……
優勝:梶谷選手!
前半戦のリードを守りきっただけでなく、最後に本クエを釣り上げるという「持ってる」男。見事な逃げ切り優勝でした。おめでとうございます!

放送予定と今後の情報
今回の激闘の様子は、テレビ放送でたっぷりとご覧いただけます。
番組名:サンテレビ「ビッグフィッシング」
放送日:12月11日(木)予定
さらに「つりそく」では、新KING・梶谷選手がどのようにしてこの激戦を制したのか、そのウイニングパターンを徹底解剖した記事を後日配信予定です。
エサのローテーションは? タナの攻略は? 頂点に立った釣り人の思考法、ぜひ楽しみにお待ちください!


























