【2025関西つり堀KINGバトル決勝】KINGのウイニングパターンと思考のプロセス公開!開始直後の“違和感”とラスト2分の“奇跡”

11月16日、和歌山県・釣堀紀州。 関西の海上釣り堀ファンが固唾を呑んで見守る中、最強のアングラーを決める「関西つり堀KINGバトル 2025」のファイナルが開催されました。

予選を勝ち抜き、セミファイナルを突破した猛者たちが集うこの舞台で、見事2025年の頂点に立ったのは、梶谷幸輝選手。

事前練習では「マダイ狙い」に絞っていたという彼が、当日いかにして状況を読み、戦略を修正し、そして劇的なフィナーレを迎えたのか。そのウイニングパターンと思考のプロセスを独占レポートします。

【序盤の攻防】開始1投目の“違和感”が勝負を決めた

決勝戦、多くの選手が「モーニング(朝一の時合)」でマダイの数釣りを狙う中、梶谷選手も当初はマダイ狙いのプランでした。事前練習では青物の釣果が振るわず、「今大会は常にマダイ狙い」という作戦を練っていたのです。

しかし、開始1投目がすべての運命を変えました。

 

作戦変更:マダイ狙いから「ダンゴで青物」へ

1投目、マダイ狙いで投入したダンゴにシマアジがヒット。その瞬間、梶谷選手はシマアジの後ろに3〜4尾の青物が追尾してきているのを目撃します。

「ここのイケスは青物の活性が高い」

そう瞬時に判断した梶谷選手は、即座にプランを変更。 本来、開始20分間は青物狙い(活きエサ、切り身エサなど)が制限される時間帯ですが、彼はエサはダンゴのまま、仕掛けを青物仕様(ハリス6号・ハリ13号)にチェンジしました。

エサの工夫: 「ホットイエロー」「メロメロピーチ」「快釣エサ極みシリーズ火山Kazan」を、ゴマ団子くらいのサイズにして投入。
結果: この判断が的中し、周囲がマダイを狙う中、なんと開始20分で青物3尾、シマアジ3尾を捕獲。
「マダイ狙いから青物に変えたことが、最初の20分間の釣果を伸ばせた要因」と語る通り、この柔軟な状況判断がスタートダッシュの鍵となりました。

 

【中盤の展開】放流タイムを制した「デカアジ」の秘密

開始20分が過ぎ、青物狙いが解禁された頃には、皮肉にも青物の活性は一度沈静化。ここで梶谷選手は冷静にマダイ狙い(底〜1.5m)へシフトし、食いの浅いマダイに対し「送り込みのアワセ」で対応します。

そして迎えた10時の青物放流タイム。ここで彼は隠し持っていた“切り札”を投入します。

 

現地購入のアジより「2〜3cmデカイ」

青物放流直後、底から1mのタナに投入したのは、現地購入のアジではなく、前日に自ら釣って用意したアジでした。

現地で販売されているアジよりもシルエットを大きく見せるため、2〜3cm大きいサイズを用意。
この「目立たせる」戦略が見事にハマり、放流直後に青物3連発を達成。差を開けます。

青物を仕留めた後は、シラサエビでマダイを3尾キャッチ。前半戦で青物6尾、シマアジ3尾、マダイ5尾。この時点で暫定1位は間違いないと思われました。

 

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席替え後、11時20分からの後半戦。マダイ、シマアジ放流後も、シラサエビを跳ねさせる誘いでマダイ4尾、タナを50cm上げてシマアジ1尾を追加し、着実に釣果を重ねていきました。

梶谷選手の使用したエサの一部

【クライマックス】終了2分前、値千金の「クエ」捕獲劇

しかしその後、見えていたマダイを釣り上げた後は長い沈黙が続きました。このまま終了かと思われた終了5分前、ドラマが起きます。

イケスの角(カド)で、浮き沈みするクエの姿を確認。

極限状態での冷静なアプローチ

①最初の一手:カタクチイワシを目視ギリギリまで沈めて食わせるが、フッキングせず。

②残り2分の決断: マダイ用の小針では掛からないと判断し、残り時間わずかながら「針のサイズを変える」という勇気ある選択。

③ラスト1投: 姿が見えなくなったため、タナを30cm下げて投入。

④誘い方:ネット際を泳いでいたため、ネットに這わせるように、フォールスピードを極限まで遅くして送り込む。

競技終了へのカウントダウンが響く中、その竿が舞い込みました。 土壇場でクエを釣り上げ、ポイントを加算。最終成績は、マダイ11尾、シマアジ4尾、本クエ1尾、ハマチ6尾(マダイ2点、シマアジ3点、青物5点、その他放流魚3点)の合計67ポイントに。2位51ポイントと16ポイント差を付け、優勝をもぎ取ったのです。

【勝者のメンタル】「これが今の自分の限界」まで準備した

昨年の決勝戦で惨敗し、悔しい思いをしたという梶谷選手。 「どうやったら他の皆さんに勝てるか」を常に考え続け、「もうこれが今の自分の限界だ」と思えるレベルまで事前準備を徹底したことが、最大の勝因だと語ります。

また、実はセミファイナルの翌日に入籍したばかりという新婚さん。「新婚の中でもたくさん釣りに行かせてくれた奥さんのおかげ」と、感謝の言葉で締めくくりました。

「来年もチャレンジャーの気持ちで頑張ります!」

圧倒的な準備量と、当日の神がかった判断力。真のKINGにふさわしい戦いぶりでした。梶谷選手、優勝おめでとうございます!

 

優勝者プロフィール & タックルデータ

梶谷 幸輝(かじたに こうき)

釣り歴: 23年(釣り堀歴14年)
ホームグラウンド: 海上釣り堀オーパ!!、水宝
スタイル: ミャク釣り(決勝の22尾中、青物放流時の3尾以外は全てミャク釣り)
釣り以外の趣味:筋トレ
職業/年齢: 自営業 / 26歳(1999年生まれ)

■メインタックル

ロッド: シーリア エクスチューン ベイトサグリMH 350-400
リール: バルケッタFカスタム 151DH
ライン: フロロカーボン3号通し(下巻きにPE)

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