サンラインが「最強の技術」を捨てた日。鬼才・松田稔が選んだ「食わせるための柔軟性」

磯釣り界において、長きにわたり「最強」の称号を欲しいままにしてきたサンラインのハリス、「ブラックストリーム」。

魚に気付かせないステルス性、飲まれても切れない強靭さ。磯釣り師の命綱として絶対的な地位を築いてきたこの伝説が、2025年秋、新たな次元へと突入します。

トルネード ブラックストリーム極

2025年11月発売

その名は「トルネード ブラックストリーム極(きわみ)」。

開発の指揮を執ったのは、もちろん鬼才・松田稔氏。彼が求めたのは、強さの維持だけではありません。「食わせる」ことへの狂気的なまでの執念でした。

出典:サンライン公式YouTubeチャンネル「SUNLINE fishing

既存の常識をすべてリセットして生まれた、この次世代ハリス。一体何が「極」なのか。その核心に迫ります。

原点は「サシエを主体にする」哲学

従来の硬いハリスでは、タナへ届くスピード(なじみ)が遅れてしまうとのこと。面積の大きいサシエが主体となり、自然に流れていくことが重要なのです。

それにより、理想の角度で、目的のタナにサシエを送り込むことができるようになるのです。

この状態こそが、松田氏の求める「食わせるための必要条件」。

10cmごとに性質が変わる「多関節」構造

「極」が到達した柔らかさは、単に素材をソフトにしただけではありません。サンライン独自の特許技術「DPP(ディファレントパートプロセッシング)」が、ハリスに命を吹き込みました。

最大の特徴は、約10cm間隔で糸質が変化する点。

従来のハリスが1本の棒だとすれば、「極」は無数の関節を持つ鎖のような構造。 硬度設定「5」と「6」の部分が交互に配置され、その境界が「支点(視点)」となります。

この微細な硬度差により、複雑な潮流の中でもハリスが自発的に折れ曲がり、サシエの動きを阻害しません。 サンライン独自の試験データでは、従来品比で約12%の柔軟性向上を記録。数値以上に、海中での「なじみの早さ」に衝撃を受けるはずです。

プラズマ加工を捨てて得た「柔軟さ」

本作を語る上で避けて通れないのが、あえて採用を見送った技術について。 サンラインの代名詞である表面改質技術「プラズマライズ」を、「極」では採用していません。

これは、表面のゴムのような保護層さえも排除し、純粋なフロロカーボンの柔らかさを追求した結果。 当然、耐摩耗性(根ズレ耐久性)においては、表面保護を持つ従来モデルであるブラックストリームに軍配が上がります。

しかし、その代償として得たメリットは計り知れません。

「切られるリスクよりも、まず魚に口を使わせる」

攻めの姿勢を貫く松田氏らしい、潔いトレードオフ。 従来のブラックストリームが「攻防一体の盾」なら、「極」は「一点突破の矛」。 状況に応じて使い分けることで、これまでは獲れなかった1尾への道が拓かれます。

新たなる「極み」へ

耐摩耗性を犠牲にしてでも、食わせの性能を極限まで高めた「ブラックストリーム極」。 これは、万人受けを狙った製品ではありません。 しかし、スレきった巨大尾長グレや、どうしても口を使わないターゲットに対峙した際、これほど頼りになる武器はほかに存在しないでしょう。

サンラインと松田稔氏が導き出した、ハリスの新たな到達点。 この秋、みなさんの磯釣りにおいて、未体験の「なじみ」を体感してください。

スペック

「ブラックストリーム極」は、シビアな状況を打破するためのスペシャルモデルとして展開されます。

号数ラインナップ: 0.6号 〜 3.0号(全11サイズ)
巻量: 50m
希望小売価格:3,400円

サンライン公式「トルネード ブラックストリーム極」の詳細ページはこちら

サンライン(SUNLINE)

1977年設立、山口県岩国市を拠点とするラインメーカー。 独自技術の開発力が高いだけでなく、大手材料メーカーや大学研究機関との連携・共同研究 により、最新テクノロジーを駆使したライン開発も進めている。また各分野に約400人強のフィールドテスターがおり、現場からのフィードバックも豊富。 最新テクノロジーが導入されたあらゆるジャンル(バス、ソルト、トラウト、鮎、へらぶな、渓流など)のラインを続々と輩出中!

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