冬の足音が聞こえ始めると、なぜか釣り人の心拍数は上がりませんか?
寒くなるからではありません。「年末年始」という名の、物欲解放シーズンが到来するからです。 ボーナス、年末セール、初売り…。釣り人にとって、これほど財布の紐がガバガバになる時期もありません。
実は記者には、ここ数年、この時期になると必ず頭をもたげる「ある野望」があります。 それは、ハイエンドロッドでも最新のリールでもありません。
「6面真空パネルの高級クーラーボックス」です。
今回は、編集部記者が数年間、購入できずに悩み続けている、この「冷えすぎる箱」への愛と葛藤を書き綴ります。 
30L前後の「6面真空」がどうしても欲しい理由
現在、記者がメインで使用しているのは25Lの中堅クラスのクーラーボックス。 日帰りの堤防釣りや、近場の船釣りならこれで十分こと足ります。保冷力もそこそこで、「まぁ、これでいいか」と自分を納得させてきました。
しかし、ある釣りを始めてから、その常識が崩れ去りました。「アユ釣り」です。
アユ釣り×車中泊で気づいた「氷」の重要性
アユ釣りの遠征となると、必然的に車中泊が増えます。 真夏の炎天下、車内で一晩。 自分の食料、飲み物、そして何より大切な釣ったアユを冷やすための氷。
現状はこの真空二重構造のウォータータンクに自宅の冷蔵庫の氷を入れてまかなっていますが、もちろん2日間は持ちません。
コンビニやオトリ屋さんがすぐ近くにあれば良いのですが、秘境のようなポイントではそうもいきません。 翌朝、クーラーを開けた時に氷が溶けて水浸しになっている絶望感と言ったら…。
「車載専用でいいから、最強の保冷力が欲しい」
そう痛感したのです。 持ち運びには向かない重量級でもいい。ベースキャンプとして車にドカンと鎮座する、要塞のようなクーラーが必要だと。
ダイワかシマノか。幸せすぎる悩み
「30L前後」「6面真空」という条件で探すと、やはり2大メーカーのフラッグシップが候補に挙がります。
① 釣り人のステータス「ダイワ・プロバイザー」

PV-REX ZSSゴールド
まず頭に浮かぶのは、ド定番のダイワ「プロバイザー」シリーズ。 あの白×ゴールドやシルバーの重厚な佇まい。釣り場で見かけると「お、この人ガチだな」と思わせるオーラがあります。
座れる頑丈ボディに、ワンプッシュで開閉できる利便性。 「THE・釣り用クーラー」としての完成度はやはり魅力的です。
② おしゃれキャンパーも注目「シマノ・アイスボックス(&アブソリュートフリーズ)」

ICEBOX PRO
一方で、ここ数年猛烈に惹かれているのがシマノ。 特に「ICEBOX」シリーズは、キャンプシーンを意識したカラー展開が秀逸です。
釣具特有の「白!」という感じではなく、サンドベージュやカーキなど、アウトドアギアとして所有欲をくすぐる色使い。 車中泊の際、車内のインテリアに馴染むのはこちらかもしれません。
本当のことを言うと、実は釣り用モデルの方ですが、2024年限定生産のリミテッドモデルが喉から手が出るほど欲しかったのですが、迷っているうちに市場から姿を消してしまいました…。 (見つけた時に買っておけばよかったという、釣り人あるあるです)
唯一にして最大のネック。それは「お値段」
スペックを見るだけでニヤニヤしてしまう6面真空クーラーですが、現実に戻ると立ちはだかる大きな壁。
価格です。
30Lクラスの6面真空モデルとなると、実売価格でもハイエンドのリールが買えてしまうレベル。「ただ冷やすだけの箱に、栄一数人分…?」という冷静な自分が、いつも購入直前でブレーキをかけます。
重さもネックです。空っぽの状態でもズッシリくる重量感。 釣り場まで手持ちで運ぶには気合がいりますが、あくまで「車載用」と割り切れば、それは逆に「保冷力の証」とも言えます。
結論:今年の年末ジャンボに全てを賭ける(笑)
ロッドやリールは釣果に直結する道具ですが、クーラーボックスは「釣りの質」と「食の安全」を守る道具。 一度買えば10年は使える耐久性を考えれば、日割り計算すると決して高くはない…はず(という自己暗示)。
今年の冬こそは、この数年の片思いに決着をつけるべきか。 とりあえず、年末ジャンボ宝くじを買って、神頼みすることから始めようと思います。
もし釣り場で、無駄に重そうな高スペッククーラーを愛おしそうに撫でている記者がいたら、「あ、買ったんだな」と察してやってください。
アウトドアシーンに特化したデザインと確かな保冷力。カラーバリエーションが選べる楽しさは唯一無二。
PV-REX ZSS/SU/GU/S 2800/2200/1600
剛性、保冷力、使い勝手。全てにおいて隙がない、釣り人憧れの「王道」クーラー。


























