メディアで仕事をしていると、毎日のように新製品の情報が入ってきます。 最新技術が詰まったリールやロッドはもちろん魅力的。でも、実際にプライベートで釣りへ行くとき「あ、これ忘れたらマジで困る」と焦るのは、意外とこういう小さなアイテムだったりします。

見た目はただの樹脂クリップ。でも、現場でのこいつの仕事ぶりはハンパないです。
使い方はロッドにパチっと挟んで、ラインを留めるだけ。たったこれだけの動作で、移動中のあの「イラッ」とする瞬間が消滅します。
船で走っているときや、歩いてポイントを移動するとき、リールから出たラインが風でバタバタ暴れるあの現象。地味だけど結構なストレスですよね。特にルアーを結ぶ前、リーダーだけの状態だと、行き場のないラインは風に遊ばれて、ティップに絡んだり道具に引っかかったりと大暴れ。
そんな時こそ「甘噛様」。 ロッドにつけて、ラインをスッと挟む。これだけでラインは大人しくなります。

ただ、正直に言います。このアイテム、完璧じゃありません。
使っているとだんだん素材が馴染んでくるというか、少し柔らかくなってきます。それに、移動中にふと見ると「あれ、ライン外れてるじゃん」なんてことも。絶対的な固定力があるかと言われれば、そうでもないんです。
「なんだ、ダメじゃん」と思いました?
でもね、だからこそいいんです。
もしこれが、ガチガチに硬くて絶対に外れないクリップだとしたらどうでしょう。何度も付け外しするうちに、大切なロッドの塗装を傷つけてしまうかもしれない。強い力がかかった時に、ラインを傷めてしまうかもしれない。

この「いつの間にか外れてるかも」くらいの緩さ、まさに名前通りの「甘噛み」加減こそが、実はロッドやラインへの優しさなんです。大事なタックルを守るために、あえて無理をしない。そんな設計思想(だと勝手に思っていますが)に、むしろ安心感を覚えます。
ダウンショットのシンカーを固定したり、タイラバのヘッドをぶらつかせないようにしたりと、使い道はいろいろ。
実際に釣りをしている最中は、そのまま挟んでおけば、わざわざ探す必要もなく、サッと使えて便利です。
決して「最強の固定具」ではありません。でも、この絶妙な「ゆるさ」と「快適さ」のバランスが、釣り場での精神的な余裕を作ってくれるんです。
数百円で買えるこの「甘噛み」体験、一度味わうともう手放せませんよ。
気になった方は、各釣具店またはオンラインショップでゲットしてください!

























