和歌山・串本沖での釣行中、水面から姿を現した1匹の魚に目が釘付けになりました。
筆者も初めて目にするその姿は、鮮やかな真っ赤な魚体に、散りばめられたコバルトブルーの紋斑。

海の中で宝石のように輝くその正体を調べてみると、「ユカタハタ」という魚でした。
普段の釣りではなかなか出会えない、この魚の魅力をお伝えします。
本州最南端・串本ならではの出会い
ユカタハタは主にサンゴ礁域に生息する暖かい海域の魚です。黒潮の影響をダイレクトに受ける本州最南端、紀伊半島の串本エリアだからこそ出会えた1尾と言えます。
名前の由来は、その艶やかな見た目が「浴衣」の柄のように美しいことから付いたとされています。

▲同船者の佐野氏もユカタハタを釣り上げていました
ハタの仲間はたくさん!
ハタの仲間は、世界中に約230種類以上が存在すると報告されており、その多様性には驚かされるばかりです。これほど色彩豊かな個体に出会えるのも、自然を相手にする釣り人ならではの醍醐味に他なりません。
気になるそのお味は?
これほど派手な見た目だと「味はどうなのだろう」と一瞬ためらってしまいますが、そこはやはりハタの仲間。実際に調理して食べてみると、期待を裏切らない美味しさでした。
南国の魚に対して「大味」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ユカタハタは軟らかすぎず、質の高い食味を備えています。
未知の魚との遭遇が釣りを豊かにする
いつも通りのターゲットを狙う釣りも楽しいものですが、今回のように正体のわからない美しい魚が突然ヒットする瞬間は、知的好奇心が刺激される特別な時間となります。

串本のような豊かな海には、私たちがまだ知らない色彩や味が隠されています。
もし皆さんの仕掛けに、見たこともない鮮やかな魚が掛かったら、まずはその美しさを観察し、正体を調べてみてください。新しい釣りの楽しみが、そこから広がるはずです。

























