目指せコンプリート!【ケンサキ】【ヤリ】【スルメ】の3種のイカが同時に狙える好場教えます!! ベテラン船長が明かす好釣果へのキモは「フォール」の誘い
全国各地で人気沸騰中のイカメタルゲーム。
ご存知、「メタルスッテ」と呼ばれるオモリ入りのスッテと、「ドロッパー」と呼ばれるエダに付けるエギやウキスッテなどを使用して、船からイカを狙うゲーム性の高い釣りです。
このイカメタルゲームで釣れるイカは、ケンサキイカやヤリイカ、スルメイカ(ムギイカ)と、季節やエリアによって移り変わりがありますが、基本的には1種あるいはゲストで2種釣れるといったことがほとんどです。
そんな複数のイカを欲張って3種類全部を1度に釣ってみたいと思ったことないですか?
全国でも珍しいのですが、実はこれら3つのイカが同時に狙える釣り場があるんです!!
そのひとつが今回紹介する、三重県尾鷲沖。

▲ケンサキイカ

▲スルメイカ

▲ヤリイカ
このエリアは夜のイカメタルゲームが盛んに行われる三重県下屈指のイカ処ですが、この時期はヤリイカが産卵に接岸してくるので普段から狙えるケンサキイカ、スルメイカに加えて、そのヤリイカも同時に狙えちゃうんです。
このイカ処で、シーズンには夜な夜なイカメタル船を出している引本浦のエヌテックマリン・中井船長に3種のイカの攻略法を教えてもらったので紹介します。

▲右がエヌテックマリンの中井船長
中井船長オススメの狙い方は、底から上層まで幅広くタナを探る釣り方です。
イカには、それぞれヒットダナがあります。これを見付けて釣れている間はそのタナを中心に狙うとよいですが、イカの習性やベイトの状態、ほかのイカとの兼ね合いで刻々と変化していきます。
通説では、主に「ヤリイカは底周辺、その上にケンサキイカやスルメイカがいる」と言われることが多いですが、ケンサキイカはスルメイカに捕食されることがあるため、スルメイカが上に居れば下のタナへ沈み、逆に下に居れば上のタナへ浮くなど、タナが目まぐるしくかわることもあるんです。
欲張ってそれら3種のイカ全てを攻略するには、底から上まで探る必要があり、またタナを広く探ることによってその時に釣れるイカを釣り、結果的に釣果が伸ばせる訳です。
フォールの誘いを重要視
ここからは具体的な釣り方や誘い方です。
船長は「イカが乗ってくるのは、仕かけを上げていく時よりも、仕かけをフォールさせている時やステイさせている時の方が圧倒的に多い」と言います。
なので、イカが乗ってくるシチュエーションを少しでも多くするため、フォールの誘いを重要視しています。
探るのは底を少し切ったタナから。まずは底まで仕かけを下ろし、根掛かりしないようにすぐに底から仕かけを少し上げます。
①やや下に構えた位置から小刻みにシャクり(シェイク)ながら、誘い上げていきます。
②斜め45~50度ぐらい上まで誘えば、穂先にテンションが掛かるのを待ってから、ゆっくりと穂先を下げていきテンションフォールさせます。
③水平やや下までフォールさせれば、ステイでアタリを待ちます(約10秒)。アタリはこのステイ中かフォール中にでることが多いです。フォール中やステイ中ともに穂先がクッと引き込まれたり、フワッと浮くような変化があれば、イカがスッテを抱いた可能性が高い可視化されたアタリです。
ハッキリとしたアタリではなくても、違和感を感じれば、まずは合わせてみましょう。それがアタリでなかった場合や掛からなかった時も、そのアワセのアクションがまた次の誘いになるのでドンドン合わせていくことが次のアタリを引きだします。
④テンションフォールからステイさせてもアタらない場合、次は一気に竿を振り上げて、今度はフリーフォールで仕かけを落としてリアクションバイトを狙います。
これはじっくり仕かけを見せるシェイクからのテンションフォールに反応するイカ、大きくシャクリ上げからのフリーフォールでリアクションに反応するイカ、同じタナで交互に行うことで、その時点でどちらの誘いに反応するのかを探ることになり、パターンを絞っていく糸口になります。
そして再びステイ。
同じタナでテンションフォール、フリーフォールを交互に2、3回繰り返せば、今度はタナを2、3㍍ほど上げて同じように誘います。これでフォールの誘いをメインに、底から上層までを広くじっくりと探っていきます。ポイントの水深(30~50mラインが主)に関わらず、船長は「最低でも底から水面下15mまでは探ってほしい」と言います。
取材時には小魚のベイトが浮き、「えっ!? こんな上でアタるの?」と言うほどタナは上で、ヒットダナは10~20mがメイン。水面下にスルメイカがベイトを追い回す光景も見られました。
3種のイカが狙える三重県尾鷲沖、例年あるいはその日によってイカの種類の比率は変わりますが、今期はどちらかと言えばケンサキイカとスルメイカが好調で、ヤリイカはやや少なめの傾向だそうですが、海況よい日には3種全てが釣れて楽しめています。
1種のイカにターゲットを絞って数釣りを目指すのもありですが、3種のイカを釣って食べ比べやフルコースを味わってみるのも魅力ですよね。
イカメタルファンなら、ぜひ3種のイカコンプリートを目指してチャレンジしてみてください。