釣りに携わる仕事をしていると、さまざまな場所に足を運ぶこともあります。そこには、そのエリアでしか消費されていない、美味しい魚や珍しい食べ物、また、郷土料理などがいっぱいあります。
どうせ行くなら、地元の味を知りたいですよね。なので、筆者も各地へ行く度にそんな食べ物を探していました。
今回は、お酒に合う、いや日本酒に間違いなく合う珍味を見つけたので紹介したいと思います。
三重県南伊勢の珍味「ソマの塩切り」
「ソマの塩切り」といきなり聞いても、一体どんな食べ物か全く分からないですよね。
ソマとは、ソウダガツオのことで、南伊勢方面でソマと呼ばれます。ちなみに、ソウダガツオはソウダ節などに使用される、カツオの一種です。ソマの塩切りは、このソマを塩蔵保存したもので、何と保存期間は3ヶ月以上。
さ、魚を3ケ月以上!? もちろん、火は通していません。

生産者は南伊勢町、城水産の城良輝氏
3ヶ月も魚を発酵すると、一体どんな味になるのか…。食べる前からワクワクとドキドキでした。
ちなみに、このソマの塩切りは、古くから神事のお供え物や保存食として作られてきました。カツオというと、生だとすぐに傷みそうなイメージですが、古くから食べられてきた保存食なので、もちろん食べられます。安心してくださいね。
中骨があるので、2つに割り、カットしていきます。カットして思ったのは、すごくねっとりしているということ。魚というより何だかバターをカットしている感じです。
それでは、実食。一体どんな味なのでしょうか?
まるで、チーズ! 濃厚な味わいにお酒が進む
食べた瞬間にまず思ったこと。
それは「チーズ」です。
もちろん、口の中に入れた瞬間に、塩気とカツオ独特の風味がありましたが、それ以上に触感と食べた感じがチーズのようでした。
食べて思ったのは「お酒が合うなあ」ということです。塩気は強めなので、ソマの塩切りを少し食べて、日本酒を飲んだら最高です。発酵食品だから、臭みがあるんじゃないかと思っていましたが、思っていたより全くなくて、旨味が強かったです。
食べ方はそのままでも大丈夫ですが、刺し身のようにワサビ醤油やショウガ醤油も美味しかったです。そのほか、半日酢漬けにして食べるのも美味しかったですよ!
最後の締めに食べてほしいのがお茶漬け。お酒を飲んだ後には締めを食べたいですよね! そんな時には、このお茶漬けが最高です。
南伊勢町に行けば、地元のスーパーなどでも販売しているので、ぜひ買ってみてくださいね!
お酒が止まらなくなって、飲み過ぎないようにだけ注意してくださいね!
☎080・2617・7221
三重県度会郡南伊勢町迫間浦925-3
城 良輝
城水産では事前に連絡すれば、釣れた魚を有料で捌いてくれるサービスもあります。気になる方は事前に連絡を。