【夏のイカメタルのポイントを紹介】キモは小型に合わせた誘い

寄稿:岩城透

岩城 透(イワキ トオル) プロフィール

釣り具メーカーアニサキスの代表。ダイワフィールドテスター。イカメタルの名付け親で、伝道師として各フィールドでその高い技術力を発揮している。タルイカジギングの提唱者でもあり、近年加熱するタルイカ用ジグ「タルブリッド」や専用ロッド「スリープウォーカー」などの開発も手掛けている。

若狭湾一帯では、連日マイカ(ケンサキイカ)好調の知らせが届いています。

以前は水深20~40mといった浅場を主体に、目を見張るような胴長40cmオーバーのパラソル級マイカが上がっていましたが、最近ではポイントを水深50~80mのやや深場へと移しつつ、アベレージも胴長15cm程度の小型がメインとなり、いよいよ数釣りが楽しめるタイミングを迎えようとしています。

ご存じのように、ひと口に「夏のマイカシーズン」と言っても、ザックリとお盆辺りを境に、浅場で大型の狙える初期と、深場で小型の数釣りが楽しめる後期に分かれるというのがパターンと言えるのですが、お盆を前に現在の釣況に移行しているのは、例年よりも早い展開と言えるのではないでしょうか。

小型に合わせた釣りにシフトできるかがカギ

コンディションのよい日であれば、比較的イージーに数釣りが楽しめるといった半面、アベレージサイズに比例して、そのアタリも当然、小さく繊細になりますから、それを捉えられるかどうか。

またそれ以前に、小型のイカに合わせた誘い方にシフトできるかなど、アングラーの力量が露骨に釣果の差になる、個人的には一番好きなタイミングであったりもします。

色浜から出船

そんな中、敦賀市の色浜にある遊漁船へ出掛けてきましたので、今回はその模様をレポートさせていただきます。

18時出船、20分ほどのクルージングを経て到着したのは、ほぼ敦賀湾内の水深50m周りに根が点在する砂地のフラットなポイントです。

船長によると、「ここは安定して潮の流れが緩く、小型のイカが溜まりやすい」とのこと。早速アンカーを下ろし、集魚灯が灯されます。

スピニングタックルでチャレンジ

私はスピニングタックルに15号のスッテをセット。まずはメタルスッテ単体で、キャストを絡めてボトム中心に広範囲に探りを入れつつ、魚探に写るベイト反応に変化が出たという船長のアナウンスを待ちます。

するとどうでしょう、幸先よくボトムで胴長15cmのマイカが3バイ上がり、このポイントのイカの濃さを確信できました。

後は、どのタイミングで中層狙いに切りかえるかがカギになりそうです。ほどなくして、先ほどまでいなかった小魚が、チラホラと海面に見られるといった変化があったと同時に、船長より「ベイト感度が水面下10~20mに出ている」とのアナウンスが…。

カウンター付きリールでタナをしっかり狙う

そこで、早速カウンター付きのべイトタックルに持ちかえ、オバマリグでベイト感度の上下をポーズも絡めての釣りに変更します。

さすがに現在好調の敦賀沖、中層狙いに切りかえてすぐに反応があり、船中あちこちでマイカが上がり始めます。

しばらくはほぼ入れ乗りの状態が続いたのですが、20時を回った頃から徐々にアタリが遠退き始めます。

スッテ単体で誘いのパターンをかえる

そこで私は、まだイカは船の周りにはいるものの、単調な上下の誘いにスレていると考え、オバマリグからスッテ単体へ変更。

今度は15mほどキャストをして、カウンターを確認しながら5mフリーフォールを入れた後、クラッチを入れてカーブフォール…といった具合に、スッテを横にスライドさせてレンジを探る作戦に変更しました。

すると、予想的中のようです。カーブフォールを入れて、そろそろラインがバーチカルになるといったタイミングでのアタリが多発。

全体にアタリが散漫になった船中で、終了までコンスタントに数を伸ばすことができました。
時合を迎えて釣りがイージーになった後は、得てして工夫を忘れてしまうことがありますが、やはりイカの状態を推理、アジャストするという、イカメタルの楽しみ方の1つを再認識させられる釣行となりました。

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