
タチウオ狙いで大船団ができる大阪湾
船タチウオ人気2大フィールドの、大阪湾と東京湾。
大阪湾の主流は、早掛けの数釣り。
東京湾では、ブーム中のバイブレーション釣法で大型攻略。
もちろん、狙う水深や、個体の大きさも違います。
そして、誘い方も違えば、エサも違います。
ご当地性があるので、スタイルが変わっても当然。
ただ、大阪湾と東京湾、同じタチウオを狙っています。大阪湾でもバイブレーション釣法が有効なのではないか。また、その逆もしかり。
同じパターンがハマらなかったとしても、何かヒントがつかめるのではないか。
これを検証するべく、東京湾をホームとするイカ先生こと富所潤さんが、大阪湾でバイブレーション釣法を使って実釣!
果たして、結果は?
実釣日は、2021年10月中旬。
大阪・泉佐野からYUMEMARUで出船し、兵庫・神戸沖へ。
富所さんが持ち込んだタックルは、シマノの2021年新作ロッド「サーベルマスターXRテンヤ」の91 H170。
リールはコンパクト電動リール「フォースマスター200」。
テンヤは、「サーベルマスター 船テンヤ β(ベータ)」。こちらも2021年登場の新型テンヤです。
富所さんが実践しているバイブレーション釣法は、通常のバイブレーション釣法とは少し違った、アレンジバージョンです。
バイブレーション釣法は、タチウオのいるタナでテンヤを小刻みに動かし続ける釣り。
ジャークしてステイさせる、大阪湾の主流の釣りとは全く趣が違います。
常にテンヤを動かし続けるので、誰もが簡単にトライできる釣りではないのも事実です。
そこで富所さんは、疲れずに誘い続けられる、独自のバイブレーション釣法を編み出したのです。
それが、「省エネバイブレーション釣法」。
具体的にどう誘うのか
まず、最初はタチウオのタナが分からないので、ボトムから。
テンヤがボトムに着底したら、リール1回転につき、10回前後シャクり上げます。
シャクリの幅はごく小さく、テンヤも激しくダートするのではなく、小刻みに上へ動いているイメージです。
シャクリの幅は上の写真の通り。高さにして、10~15cmほどでしょうか。大きいシャクリは不要です。
動かす際も、リールに手を添えて、リールを支点にしてテコの原理で穂先を上下させればOK。疲れずに動かすことができます。
この動作で誘い続けるのですが、アタリは誘っている時にきます。
それもそのはず、ステイ(止め)の動作は基本的には入れないから。

狙い通りアタリを掛けると、こんな笑顔になっちゃいます
アタリを感じたら、即フッキング。もし掛からなければ、その場でシェイクさせて、ピタっとステイさせます。
ステイさせる時間は、なるべく長め。ほぼ、そのステイ中に、再びアタリがあります。
なければ、さらに誘い上げる、もしくはもう一度テンヤを落として、同じタナを誘い上げてくる。
これの繰り返しです。
同じ動作を続けるため、簡単ですし、変化を感じ取りやすい。
アタリがあるけど、掛けドコロが分からない…という、テンヤあるあるも、このパターンならアタリの取り方も明確なので、システマチックに釣りが展開できます。
何より、富所さんは、この釣りで面白いのは「潮の変化を察知すること」と話します。
同じ動作を続けるため、テンヤに掛かる潮の変化が分かりやすくて、バイトチャンスもそれで判断できるそう。
具体的には、テンヤをシャクっていて、重いと感じる場所(潮)よりも、軽くてテンヤが抜けて動くような場所(潮)が、タチウオのいるタナと合致するそう。
それは、船長の指示ダナも、探見丸が表示する魚の群れとも、だいたい一致するようで、その「軽い場所(潮)」にテンヤが入ってこれば、チャンス。
富所さんは元々、このバイブレーション釣法は、狭いタナを釣るための釣りだと思っていたそうですが、タナを探す釣りにも向いている、とのこと。まだまだ進化しそうな予感ですね。
タックルについて
常にテンヤを動かし続けるため、操作性のよいタイプのロッドがオススメです。
テンヤのアクションを吸収しない9:1、もしくは8:2調子のロッドがベストです。
富所さんは「サーベルマスターXR テンヤ 91 H170」を愛用。
Xシートエクストリームガングリップ採用なので、シャクりやすさも折り紙付きです。
シマノ公式「サーベルマスターXRテンヤ」詳細ページはこちら
テンヤは、2021年登場の「サーベルマスター船テンヤβ」。
尻下がりの姿勢で、タチウオまでの距離が短くなり、掛かりやすさが抜群。
短いフッキング動作でしっかりと掛かります。
また、テンヤに関しては、カラーが結構重要だそう。
大阪湾では定番といえるグロー系ではなく、フラッシングでアピールするようなカラーがオススメで、「サーベルマスター船テンヤβ」のイワシ微夜光や、ピンクゴールドを使用していました。
シマノ公式「サーベルマスター船テンヤβ」詳細ページはこちら
実際、大阪湾で釣りをしていて、感じたのは、「アベレージサイズがよいこと」。
事前の情報では、幅指2.5本クラスが平均とされる神戸沖の中でも、富所さんは、幅指3本以上で揃っていました。
この理由は定かではないですが、この動きに反応するのが、少し大きめのサイズであることは確か。
数をたくさん釣るよりも、少し大きめのサイズを選んで釣りたい。そういう人にはぴったりなのかもしれませんね。
ということで、実釣当日は、終始、東京湾スタイルのバイブレーション釣法で通した富所さん。
当初、苦戦するのではという予想を大きく覆し、アベレージサイズ以上を連発!
東京湾の釣りが、大阪湾でも有効だということが証明されたのでした。
テンヤタチウオも、ポイントやタチウオの活性、釣りのスタイルに応じて、さまざまなパターンが存在しますが、今回ご紹介した富所さんの「省エネバイブレーション釣法」も、今後、活躍必至といえます。
ぜひ、皆さんの釣りのレパートリーに加えて、さらにテンヤタチウオを楽しんでください。
こちらの動画もチェック!