針とラインと仕かけとエサ、基本的にはこれだけのシンプルな仕かけで、潮に乗せてマキエとともにサシエを流していく完全フカセ釣り。
日本海側では、エサ取りが活発化する春から晩秋にかけて盛んに行われていますが、その中でもメッカとも言える福井県鷹巣~三国沖はただ今、マダイ、青物が佳境を迎えています。
秋の佳境を迎えた福井・鷹巣沖で初めての実釣!!
「完全フカセ釣りはやったことがありますか?」、そう聞いてきたのは、福井新港を基地とする仕立船、晴海丸の松井船長。フカセ釣りにはコダワリを持ち、特に鷹巣沖が解禁する頃や、玄達のヒラマサ狙いは、予約が困難なほどの人気船です。その質問に正直に答えた記者。「ならば、1度体験してください」と話は進み、同じくフカセ釣り初体験の編集部スタッフと、今回の実釣となりました。
取材では何度もフカセ釣りは目の当たりにしてきましたが、実際に釣るとなるのは初めて。2人ともタックルすら持っていません。そんなビギナー同然の2人は、フカセ仕かけのみを持参し、あとは全て船でレンタルしました。
夜明け頃に出船し、アンカーを入れたのは水深65mライン。船は仕立船(グループあるいは個人での貸切)なので、初心者にはタックルのセットから、マキエ撒き、釣り方の見本まで、全てを船長がやってくれます。正に至れり尽くせり。
記者たちは、ひと通りの手順をアドバイスされた後は自分でやりましたが、ビギナーなら全てオマカセでもOK。まるで大名釣りのような感覚です。
しかも、船長のアドバイスは、まるで海の中が見えているかのように的確。1投目から、「40~50mでアタるハズ」との予言通り、40mに差し掛かった記者の仕かけのラインがシューッと走りました。
「ピッ、ピッ、ピーッ、カシャン」とフカセ専用の電動リールがアタリをアラーム音で伝えてくれると同時に、クラッチが入ります。釣り手は、そこまでは見ているだけ。自動でクラッチが入れば、電動リールのスイッチを入れて巻き上げを開始し、竿を起こすと、自然にアワセが効きます。
この瞬間から、グングン、グーンと強い引きが伝わります。竿を手に持ち、引きを楽しむと、走り回る青物の引き。フロートが掴める所まで巻いて竿を立てると、あとは船長にオマカセ。タモに入ったのはメジロでした。
2投目も同じようにラインが走り、今度はデップリと肥えた良型イサギ。
同行のスタッフも同じように竿を曲げています。
風や潮の向きがかわれば、船の位置がかわり、アタリは遠退きますが、そうなると、船長はすぐにアンカーを打ちかえます。すると、測ったかのように再びラインが走ります。
船のフカセ釣りの魅力は、何と言っても、この「アタリ」。
スプールを見ていると、スルスルと出ていたラインが、いきなりシューッと勢いよく走り出します。そして、電動リールから聞こえるアラーム音。目と耳の両方の感覚が刺激され、アドレナリンが出まくる瞬間です。
そして、竿を起こせば強引。ベテランたちが、この釣りにハマるのも頷けます。
当日は、秘かに期待していたヒラマサは不発だったものの、マダイとメジロ、そしてゲストのイサギ、ウマヅラハギと2人とも4目制覇。船長のサポートで何ひとつ不安なく、初めての完全フカセ釣りを満喫できました。
三国沖はマダイ&青物が秋シーズンの佳境に突入。ベテランだけでなく、初めての人でも道具はレンタルでき、船長が完全にサポートしてくれるので、クーラーだけを持参する手ぶら釣行も可能です。
まだ完全フカセ釣りをしたことがない人も、その魅力を1度体験してください。あのアタリ、大物&美味魚揃いで釣れる魚、船長の至れり尽くせりのサービス、それら全てにハマる要素が満載です!!