タイラバの名手・佐々木洋三の”気になるタックルボックスの中身&収納術”を大公開!

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

西高東低の気圧配置が続き、厳しい寒波の到来だ。穏やかな瀬戸内海でも出船できない週末。

「雪の日の釣り師」ではないが、そんな休日は来たる桜鯛の乗っ込みに備え、ラインを巻き直したり、タックルボックスの整理、収納方法を見直す好機でもある。

気になるタックルボックスの中身、収納術を公開

そう言えば、「鯛ラバ体験会」でもよく訊ねられるのが、私のタックルボックスの中身と、その収納方法だ。

参加いただいた皆さまには直接タックルをご覧いただき、説明しているが、紙面で紹介するのは今回が初めてである。

船上に持ち込むタックルには、タイラバ釣りへの考え方や姿勢が込められており、オープンにするのは、ちょっと気恥ずかしいが、参考になれば幸いだ。

3つのスタンス

私が持ち込むタックルはロッドとリール、クーラーのほかには、「ロッドレストボートバッグ」(シマノ)とバスケット(リングスター)だけである。

私のタックル収納のスタンスは次の3点だ。

・作業効率を高める
・帰宅後の片付けを楽に
・魚を美味しく持ち帰る

では、順番に解説しよう。

①作業効率を高める

船上では細いPEラインでシステムを組んだり、ネクタイやフック、ヘッドを交換したりと、細かい作業を、それも強風の中で行わなければならないこともある。

スピーディに作業を済ませ、少しでも長い時間、タイラバを海中に投下できるように、いわば「ピットイン」の時間を短縮することが最優先だ。

PRノット用のボビンワインダーやリーダー、PEラインカッター、フックシャープナーはウォーターガードのパッキング付きのケースに収納し、すぐに取り出せるようにしている。

マダイに付ける印は、白色の結束バンドに5色のカラーストローを短くカットしたものを、小型のパックケースに用意。

無印も合わせれば6人分、さらに2色以上のマーカーを組み合わせれば、無数の組み合わせが可能。

多くの乗船者にご利用いただけるので重宝しており、評判もよい。

②帰宅後の片付けを楽に

私の収納は、濡れモノと乾きモノを分別し、後片付けを楽にしている。

濡れモノにはリングスターのバスケットを活用する。

まず、バスケットの底にドリルで穴を開け、海水が溜まらぬように排水口を造る。

ホームセンターで購入した蝶ネジで、探見丸のステイを取り付ける。

そうすれば、釣座がかわってもバスケットを持参すれば、どこへでも探見丸を移動させることができ、船べりに取り付ける手間が省ける。

バスケットの中には、前述のノットシステムツールやリーダーを入れた
・ウォーターガードのケース
・マーカー(結束バンド+ストロー)

そして、左から…

・イージーフィッシュグリップ(スミス
・針外し用ペンチ(スミス)
・スプリットリング交換用の計測FGノットプライヤー(ハピソン
・水産用万能バサミMRCー170(MCC
・ナイフ(シマノ)
・神経締め用キリ:鼻の穴から神経締めができない時は、額にキリで穴を開けてワイヤーを通す
・フロートエアヌキ(ヨーヅリ

・形状記憶合金神経締め・鮮度たもつ君0.8mm×60cm(吉見製作所):イケスに落としても沈まぬように、浮き玉を装着

・締めかぎ

・糸くずなどのゴミ入れは、カー用品を利用している

探見丸(シマノ)
電力丸(シマノ)

このように濡れモノをまとめておけば、ノットも魚を締めるのも、釣座で素早く処理ができる。何よりも、ほかの釣り人が「貸してください」とバスケットに手を伸ばしてくるのは、このシステムが使いやすい証拠であろう。

釣りが終了したらロッドからリールを外し、傷が付かぬように滑り止めシートに包んでバスケットに入れる。

帰宅後はバスケットをシャワーで洗い流すだけ。

血の付いたナイフ類は錆びないように洗剤で洗っているが、ロッドやリールとともに、効率よく洗って、バスケットごとベランダに干している。

③魚を美味しく持ち帰る

釣った魚を美味しく持ち帰るには、次の5つの手順が必要だ。

ア・イケスで休ませる
釣り上げたばかりのマダイは興奮して、身が硬直している。腹内のエアーを抜き、マーカーを付けて、イケスで休ませ、帰港中に〆める。

イ・脳天締め
イケスがない場合は、まず脳天を突き、船上でバタバタと暴れさせないようにしよう。暴れると身割れの原因となる。
大きく口を開き、魚体を反らしたら、脳天を突いた証だ。

ウ・血抜き
すかさずキッチンバサミでエラを切り、エラブタからナイフを入れ、背骨下の動脈を切る。心臓はまだ動いているので、勢いよく血が吹き出す。海水を入れたバケツの中でマダイを揺すり、血を抜く。

エ・神経締め
血が抜けたら、マダイの鼻からワイヤーを差し込み、尾の付け根まで延髄に通す。死んだはずのマダイが痙攣するので、それでうまく延髄に入ったかどうかが分かる。

オ・冷却
ここからが肝心だ。血抜きを済ませたマダイは砕いた氷に海水を注いだ海水氷に浸す。30分も漬け込んだら、内臓まで冷え切る。

クーラーの内寸に合わせてカットしたスポンジシートを2枚用意し、海水氷の上に1枚目を敷き、その上に冷えたマダイを移動、もう1枚のスポンジシートを被せる。

次のマダイも同様に処理し、帰港時に海水だけを抜けば、マダイを直接、氷に触れることはなく、硬直させずに持ち帰ることができる。

帰宅後にマダイの頭を掴んで振って、身がクネクネと動けば、寿司店に持ち込んでも使っていただけるレベルである。

乾きモノの収納法

次は乾きモノの収納だ。私は、ヘッド、ネクタイ、ネクタイ留め、フックを別々に「ロッドレストボートバック」(シマノ)に収納している。

なお、ネクタイの交換にはピンセットを用意しておくと、スピーディな交換が可能となる。

また、バックのフタが反対側に倒れぬように「PEアシストライン」(オーナーばり)で固定すると使いやすい。

ネクタイはシリコン、集魚ネクタイを別々のルアーケースに入れ、すぐに取り出せるようにしている。

ヘッドはサイズ別に収納。使用したネクタイやヘッドは、バスケットの中のパックケースに入れている。

帰宅後は、バッグを雑巾で拭くだけ、汚れがひどい時はケースだけ洗浄している。

以上が、現時点で私が1番使いやすいと思っているタックルボックスの中身、そして収納方法である。

タイラバ好きの皆さまの参考になれば幸いである。

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