釣り人の特権のひとつに、自分で釣った「鮮度がよい魚を味わえること」が挙げられます。
魚屋さんで売っているのも、もちろん鮮度はよいですが、釣り人なら釣った即日に食べることも可能。これに勝る鮮度はありません。
釣り人の皆さんなら、ご存じだと思いますが、「自分で釣った」と言う満足感と合わせて、「抜群の鮮度」。
美味しくない訳がないですよね。
そう、釣魚は美味しいんです。
「締める、血を抜く、熟成させる」で、味が格段に昇華‼
そんな釣魚ですが、その味をさらに美味しくさせる方法をご存じですか?
①魚を締める、②血抜きをする、③熟成させる、などの下処理です。
今回は、ハピソンとのコラボで「津本式」を提唱している津本光弘氏オススメの、魚をより美味しく食べるための処理方法と、それに最適なアイテムを紹介します。

津本 光弘(Mitsuhiro Tsumoto) プロフィール
活け締め
慣れた人なら、釣った魚はクーラーに入れる前に、ナイフやカギで締める人は多いと思います。
この過程、美味しく食べるためには、とっても重要です。
皆さんは「魚を締めるために刺す場所」をご存じでしょうか?
慣れていない人は、締めようとしていても、なかなか締まらないこともあるかもしれません。
そこで、津本氏に脳締めを上手くするコツを聞いてみました。
津本氏の話では、「上手くいかない時は締め具を刺すポイントがズレていることがほとんど。大きい魚になるほど、脳の大きさに対して頭が大きくなるので、締めるポイントを外しやすい」そうです。
魚にはエラの横に、エラと同じ方向を向いている線があります。
そこを指で触りながら辿ると、僅かな膨らみがあり、そこを越すと谷のように少し下がるポイントがあります。
絞め具を刺すポイントは、その下がる部分。
写真の魚はシマアジですが、大体指の部分へ締め具を刺してから、カギを横へ倒すと、しっかり締まるそうです。
魚が締まったかの判断基準としては、目の向きに注目‼
魚が生きている状態の時は、目が若干下向きになっています。
生きている場合の目の向きは、こんな感じ↑
そして締まれば、目が真っすぐになります↓
鮮度をより長く保つための釣り場での簡単処理
実際、「現場で魚の下処理を行う際、どういう順序で行うと魚の鮮度をより長く保つことができるのか?」についても聞いてみました。
その手順は以下の通りです。
①まず、魚が釣れたら、スグに脳締めをします。
②その後、エラ下を切って流血させ、水汲みバケツや大きめのクーラーなどがあれば、そこで15秒ほど魚を揺らします。コレを「フリフリ」と呼び、魚を揺らすことで体内の血を外へ出すことができます。
刃を刺す部分(エラ下)
③フリフリを終えれば、氷水へ魚を仕舞えばOKとのことです。
もっと丁寧にするのであれば内臓を取ったり、神経の血も抜いたりするのもイイかもしれませんが、新鮮な状態で魚を持って帰るのであれば、「脳締め→フリフリ→氷水へ入れる」だけでも十分、と話してくれました。
活け締めには「計測マルチハサミ」
美味しく食べるための第一段階が活け締め。
ハピソンの「計測マルチハサミ」は、活き締めはもちろん、「切る、締める、ウロコ取り、内臓のかき出し」の作業が、これ1つで全てできる超便利なアイテムです。
このハサミ、活き締めのひとつ、「脳締め」ができるように、締め具が搭載されています。
この尖ったカギの先で、釣った魚を脳締めにすることができます。
先は、かなり鋭いので、マダイや青物などの頭周りの硬い部分でも簡単に刺さります。締め具を出す時も、爪を掛ける箇所が設けられているので簡単です。
刃は、刃物や金物が盛んな兵庫県・三木市に拠点を置く、ハサミのパイオニア「道灌(ドウカン)」製で、刃の部分はウロコ取りや、内臓のかきだし&切断が可能です。
その切れ味は抜群で、ハサミとしてだけでなく、バラせばナイフにもなります。
ハサミとナイフの2つのタイプを上手く使い分けながら、魚のヒレや内臓などをスパスパ切ることができて、とっても便利ですよ。
このアイテム、締める、切るだけではありません。その用途は、ウロコ取りにも及びます。
刃の側面を使用することで、ウロコを取ることもできるんです。
魚にはウロコの硬い魚、軟らかい魚がいますが、このアイテムは使用する刃の位置で、それぞれに対応が可能です。
黒の持ち手側
ウロコの硬い魚を処理する時は、黒の持ち手側を使用。
出っ張った形状をしているので、小さい魚の頭やエラ周辺のウロコを取る際も使いやすそうです。
赤の持ち手側
一方、ウロコが軟らかい魚の場合は、赤い持ち手側を使用。
赤の持ち手側の方が、ナイフで行うよりウロコの飛び散りを抑える効果があるので、マダイなどのウロコが飛び散る魚を処理する際もオススメです。
魚を締めたり、ウロコを取ったりすると、汚れなども付くものですが、このアイテムはネジを緩めるだけで本体をバラせるので、お手入れが簡単です。
ハピソンお馴染みの、釣った魚の長さがその場で測定できる、計測アプリに対応するマーカーが付いているのもイイですね‼
アプリは「App Store」や 「Google Play」で「釣り計測, ハピソン, Hapyson」のいずれかを検索するだけで簡単に「計測専用アプリ」をインストールできます。
専用の刃先ケースが付属しているので、収納時も安心ですね。
ナイフやハサミの機能を装備しているので、上記で紹介した以外にも、釣った魚を捌いて切り身にしたりすることにも使えそうですね。とにかく、用途が多彩な万能タイプのハサミです。
サイズは外形寸法が約185×60×22mmで、自重は約190gです。
ハピソン公式「計測マルチハサミ」詳細ページはこちら
この商品の関連動画はコチラ↓
釣り場でデキる究極の血抜き
筆者が釣りを始めた頃は、釣れた魚をそのまま氷の効いたクーラーに放り込んでいました。
刺し身など、いろんな料理にしましたが、釣った鮮度のよい魚ということもあり、美味しかったです。
でも、白身に血の赤みが付いていたり、やや生臭さが残っていることもありました。
やがて、釣りにノメリ込むと知識も増え、魚は活け締めにした方が鮮度が長持ちすることを知り、先述のエラを切って「フリフリ」と言う血抜きをすることで、生臭さなども大きく軽減できることを学びました。
それ以降、魚を持ち帰る際には、釣った魚は活け締めにして、血抜きは行っています。
活け締めと血抜き、ここまでは慣れた人なら、多くの人が行っている処理かもしれませんね。
ここでは通常の血抜きではなく、「究極の血抜き」と呼ばれる「津本式血抜きポンプ」を使った血抜きを紹介します。
この動画をご覧になればお分かりのように、血抜きポンプを使って、神経、動脈、エラ下と3カ所に水を流し込んでいます。
そして津本氏は、3カ所目の「エラ下から入れる血抜きが究極の血抜き」と話します。
腎臓付近の血合いに溜まった血までを抜くことで、究極の域に到達する訳です。
水を流し込む時間については、目安として
神経の血抜き
5~6秒でOK。水を流し込んで神経が出てくれば大成功。骨に張り付いて出ない時は、脳締めした箇所から水が出ていればOKだそうです。
ちなみに、出てきた神経(魚体に白く乗っているモノ)はこんな感じです。
神経穴の下側にある動脈の血抜き
こちらは内臓の血を抜くための処理で、時間の目安は10秒以内。
上手くいったかの判断基準は、体が膨らめばOKです。
エラ下から腎臓に向けての血抜き
究極の血抜きであるエラ下から腎臓に向けての血抜きは、魚の大きさや血の量によっても異なりますが、40cm前後のマダイだと大体5~6秒。神経の穴から水が出てきたり、エラ周辺が膨らめばOKとのことです。
その際、リムーバーを入れる向きも重要で、腎臓から血合いに向けて水を流し込むイメージ。
具体的にはリムーバーを背骨に当てながら、左へ向けると丁度腎臓と血合いの位置にくるので、そのまま5秒ほど水を流し入れるのがよいそうです。
究極の血抜きに欠かせない「津本式血抜きポンプ」
「津本式血抜きポンプ」は、釣り場や自宅で、津本式血抜きができる充電式の電動ポンプです。
血抜きの際には、ポンプで水(海水は使用不可)を流し込む訳ですが、独自のポンプシステムとトルネード水流で高水圧の噴射が可能になっており、瞬時に血抜きができます。

出典:ハピソン
リムーバーに加えて、2サイズ(φ2.0&φ1.5)の口径ノズルを装備しており、尾からの神経抜きや動脈の血抜きにも、魚に合わせて差し込みやすくなっています。

▲左:リムーバー 中央:φ2.0血抜き&神経締め用ノズル 右:φ1.5血抜き&神経締め用ノズル
商品のセット内容はこんな感じです↓
アイテムは付属品を含めて、専用バッグにスッポリとコンパクトに収まるので、持ち運びがとっても便利。
釣り場にも持っていきやすいので、堤防や船などジャンルを問わずに、釣ったその場で究極の血抜きができます。
さらに電源が、充電式なのもイイですよね!
満充電で、5サイクル(1サイクル30~40cmの魚4尾程度)の処理が可能だそうです。
USBのコードが付いているので、モバイルバッテリーからや車内での充電も可能ですね。
使用電池 | 使用温度範囲 | 外形寸法 | ボトル容量 | 本体重さ | 電池寿命 | 充電時間 | 防水性 |
リチウムイオン電池(10.8V 2,600mAh) | 5~40℃ | 本体:約75x210x45mm ノズルホース:長さ 約1000mm 吸込みホース:長さ 約800mm 専用ボトル:約100x100x200mm |
約2ℓ | 約550g | 5サイクル (1サイクル30 – 40cmの魚4匹の処理を想定) |
約7時間 | IPX5 |
ハピソン公式「津本式血抜きポンプ」詳細ページはこちら
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さらなる旨味を引き出す「熟成」
捌いた後に、もうひと手間かける「熟成」。
近年よく聞く言葉ですよね。
「肉」でご存じの方も多いと思いますが、「魚」も熟成させると旨味が大幅に増してくるんです。
魚は、釣ってすぐが美味しいとは限りません。
もちろん釣りたての魚には、その「イカッた歯応えがタマらない」と言う人もいると思います。
筆者もその1人でした。
ですが、熟成させた魚を食べると、旨味と言う点では比較になりません。
極端に言えば、「歯応えを取るか、味を取るか」と言うぐらいです。

▲「究極の血抜き・津本式」をやり始めて間もないという方が、8日間熟成させたハマチの造り
上の写真は、1週間ほど熟成させたハマチの造りですが、見た目もさることながら、その身にはかなりの旨味が染み渡っていると思います。熟成させた魚は、釣りたての同じ魚に比べても、旨味が格段にアップするんです。
熟成に便利な「津本式密封パック器」
「津本式密封パック器」は、魚の熟成に大事な脱気&密封ができるアイテムです。
ここでは順を追って、その使い方を紹介します。
①シールボタンで底を作る
「津本式密封パック器」はコンセントを繋ぐと電源が入る仕組みになっており(電源が入ればランプが3つ点灯します)、まずは電源を入れて付属品の「密封パック器用・抗菌ロール袋(6.0m)」を、本体のシール用ヒーターに置きます。
置き終えると、本体のフタを閉じてシールボタンを押します。すると、以下のように袋の口が塞がり、底を作ることができます。
②魚や切り身のサイズに合わせて袋をカット
シールを終えると、本体のフタを開けずに、魚や切り身のサイズに合わせて袋をカットします。
③脱気・密封処理
カットが終われば、シールをした「密封パック器用・抗菌ロール袋(6.0m)」に魚や切り身などを入れて、袋の開き口をカートリッジに沿う形でセット、フタを閉じます。
本体に「弱」と「強」という2種類のボタンがありますが、魚の場合は主に「弱」ボタンを使用します。
「弱」ボタンを押して、徐々に脱気されるのを見ながら、好きなタイミングで「シール」ボタンを押すと、脱気・密封処理が完了です。
使い方の動画はコチラ↓
このアイテムに津本氏が注目する最大の特徴は、魚での利用を主眼にして開発された密封パック器と言うこと。
好みのタイミングで密封することができるので、小さな軟らかい身の魚であっても、密封時に身の繊維が押しつぶされてしまうことがありません。
美味しく食べると言う点では、魚の身の繊維がつぶれる、つぶれないは重要です。それを避けて、密封できるこのアイテムは、最適な機能を搭載している訳です。
上の写真の密封されたマダイの切り身、身が自然な厚みと形になっていて、全く押しつぶされてないですよね。
このまま熟成で冷蔵庫で寝かせるもヨシ、冷凍庫で長期保存するもヨシです。
また、本体に水などの水分が入ってしまっても、壊れない仕様になっています。
密封する箇所にあるカートリッジが、水を受けることができるようになっているので安心です。
なので、タレや、タレに漬け込んだ切り身なども密封することができます。
カートリッジは取り外せて、洗えるので衛生的にもバッチリですね。
脱気圧 | 質量 | サイズ | 消費電力 | 接着部温度 | シール 可能幅 | シール時間 | 付属品 |
約60kPa | 約 2.3kg | 約幅380 mm×奥行 130mm× 高さ95mm | 約150W | 約160℃ | 最大 300mm |
約7秒 | 抗菌ロール袋 約幅 280mm× 長さ1.5m (※YH-36Rは長さ6.0m) |
ハピソン公式「津本式密封パック器」詳細ページはこちら
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「締める、血を抜く、熟成させる」、魚を今まで以上に美味しく食べるために、ぜひ挑戦してみてください。
この紹介した3アイテムを使用すれば、誰にでも手軽にできるハズですよ‼
