ビギナーでも楽しめるが、やり込むほどに奥が深くなる「キス」釣り。

夏が旬のキスだが、どうにもキスを釣るのが下手な記者は、夏のキスを攻略するためにキス釣りで名高い、兵庫・姫路から出船している知々丸へと乗船してきた。

当日、出迎えてくれたのは知々丸の上谷正仁船長。穏やかで優しい船長だ。集合したら乗船名簿に名前、住所、電話番号を記入し、5時半に出船した。

知々丸がキスを狙うポイントは家島諸島。大小の島々の周辺を流していく。開始早々からキスは釣れたが、ポツポツ程度でなかなか数が伸びない。

しかも、乗らないことが多かった。

記者が最も驚いたのが”常に誘っている”ということ。記者の中で、キス釣りは仕かけを底でじっとステイさせると思っていたからだ。

船長に聞くと「誘わないと食わないよ。オモリを底でトントンと叩くことで砂が巻き上がり、それにキスが寄ってくる。しっかりとオモリを叩くことと、その後オモリを底から浮かすことで仕かけが張り、アタリがでやすくなる」とのことだった。

今までイメージしていたキス釣りと全く違う。釣りは本当に奥が深いなと感じた。また、面白かったのが、キス専用ロッドだけでなくカワハギロッドやティップランロッドを持っている人が多かったということ。とにかくキスは感度のよさが大切らしく、これらの竿はとても感度がよく、流用できるらしい。

キス釣りの奥の深さを感じている間に昼が過ぎ、納竿まで後1時間ほどになっていた。

ここまでは、ポツポツ釣れる程度であまり数が伸びていなかったが、残り1時間で潮が動きだし、キスの食いもよくなってきた。

早仕舞いをする人もいる中で、ラスト1時間で入れアタリ状態となっていたのが、右舷ミヨシに釣座を構えていた川西の上田氏。

 

積極的な誘いとステイを上手く使い分け、アタリがあれば即合わせでキスをどんどん掛けていく。

釣れたキスを見ると、上手く口に掛かっており、飲み込まれていないため、手返しも早い。

船長から「これで終わりです。お疲れさまでした」とアナウンスがあり終了した時には、クーラーボックスには大量のキスが入っていた。

帰港後、キスを数えてみると、その数は何と57尾。難しい中、最後の1時間で数を伸ばした腕はさすが、圧巻の釣果だった。

家島諸島のキスは今が最盛期。サイズは15～25cmがメインで数釣りが楽しめる。ぜひ、釣りに行ってみてほしい。