イワシやアジ、小サバなどのベイトがいると、それを追ってこれらを捕食するフィッシュイーターが狙えます。
「タテ釣り」や「ライブベイトゲーム」、「アンダーベイト」など、各地に呼び名が存在する「落とし込み」は、夏から晩秋にかけての人気の釣りです。
この落とし込み、ヒラマサやブリなどの大型青物を狙うのも魅力ですが、ビギナーが始めるには少し敷居が高いと思っている方もいませんか。
そんな方にも落とし込みが十二分に楽しめるのが、「ライト落とし込み」。
大型青物を狙う落とし込みのタックルに比べて、ややライトなタックルを使うのでビギナーや女性、子供にもオススメの釣りです。
ライト落とし込みのタックル&仕かけ
タックルや仕かけイメージと目安はこちら↓
これは兵庫県淡路沖でのライト落とし込みのタックルと仕かけの一例。
竿は2mクラスのショートロッドで、調子はベイトの付きや本命の食い込みを重視するなら64調子、穂先の感度と掛けてからのやり取りのしやすさを重視するなら73調子がよいでしょう。
同じメジロクラスが掛かっても、64調子と73調子は曲がりが異なります。そのイメージはこちら↓
64調子
73調子
釣れているターゲットにもよりますが、ツバスやハマチ、シオなどが主体なら64調子で美しい竿の曲がりを楽しみながらやり取りを堪能するのもアリ。青物のサイズが大きくなって、ブリやメジロやカンパチなどが多いようなら73調子がバットパワーも強く、女性や子供でも取り込みまでがしやすくなります。
この辺りは、好みで選ぶのもよいと思います。
リールはライト落とし込みの場合は、小型電動がバッチリ。ダイワならシーボーグ300Jがコンパクトで、女性や子供の小さな手でもパーミングがしやすく快適です。
また、巻き上げスイッチのアルミJOGパワーレバーがセンターに付いているので、誰でも片手操作だけでフォールや巻き上げなど、落とし込み釣りに必要な操作ができます。
「軽くて操作性がよい」、この点は手持ちスタイルで狙うライト落とし込みのタックル選びにおいて重要視すると、快適に釣りが楽しめます。
仕かけは、落とし込みの専用仕かけが各社から発売されているので、それを使うとよいです。
釣具店に並ぶ仕かけのパッケージには、「落とし込み」や「タテ釣り」と銘打たれているモノが多いです。
落とし込みは、イワシなどの小魚をまずは仕かけに掛けて、それを大物のタナに下ろして狙う釣りなので、仕かけを下ろす時、針にはエサを付けません。
仕かけの針は、カラ針やフラッシャーなどのギジが付いています。この針はベイトの種類やサイズによって、当たりの仕かけが変わるので、釣行先の船宿に予めどんなタイプがよいかを、針の大きさ、ハリスの太さ、オモリの号数を含めて確認しておきましょう。

▲フラッシャーが付いた針

▲カラ針とフラッシャーが混合の仕かけもある
落とし込みのエサは、ポイントに群れで泳いでいる小魚。そのポイントにいる魚が食べているモノがエサになるので、仕かけにベイトが付けば、大物のヒットは目前です。
ライト落とし込みでエサとなるのは、イワシやアジ、小サバなどがメインで、夏の淡路沖ではウルメイワシが主体でアジ、小サバがまじる程度でした。
イワシ
アジ
釣り方
落とし込みの釣り方の手順は簡単。
基本は、仕かけをベイトのタナに通して、針にベイトを掛ければ、底周辺のタナへと仕かけを下ろしてアタリを待つだけです。
船を流しての釣りになるので、船速が鈍ればいつでも仕かけを下ろせるように準備しておく。そして、合図と同時に投入を心掛けましょう。
この「合図と同時に投入」、これはベイトが付きにくい時には、特に重要です。ベイトの群れの移動が早い場合は、投入が遅いと全くエサが付かないので、釣るための第一段階と思って必ず実行しましょう。
船長の指示ダナがアナウンスされるので、それに従って仕かけをそのタナにフォールさせる。例えば「ベイトは20~30mです」とアナウンスがあれば、そのタナ間を仕かけが通過するように下ろします。
この時、下の指示ダナ(この場合は30m)を過ぎれば、すぐに電動リールのハイスピードで上の指示ダナ(20m)まで巻き上げて、ベイトが付くまでこれを繰り返します。
フォールは、フリーフォールが基本ですが、ベイトが付きにくい場合はサミングしてみたり、タナで竿を上下させたりして付ける場合もあります。自分だけベイトが付きにくい場合は、周りの人の釣り方を参考にするのもアリです。
ベイトが付いたかどうかの判別は、穂先に注目。フォール中にも穂先を持ち上げるような活発なアタリがでることもありますが、止めた時にプルっと震えるような小さなアタリの時もあります。なので、仕かけのフォール中は穂先の動きに集中しておきましょう。感度がよい竿なら、穂先だけでなく、手元にベイトのアタリが伝わるモノもあります。
そして、重要なのがベイトを底へと下ろす時。一気に下ろしてしまうと、底までのフォール中や着底時の衝撃で、ベイトが外れてしまうこともあります。なので、着底直前には必ずスプールに指を添えてスローにソフトに着底させることを心掛けましょう。せっかく付いたベイトを外してしまうのは、もったいないですからね。
ベイトが付いた仕かけを底まで下ろせば、根掛かりしないように、またはオモリが底を引きずってオマツリの原因にならないように、オモリを少し浮かせてアタリを待ちます。
アタリを待つ時は竿先を下に下げて待つのではなく、水平よりやや上目に構えて待つと、急な大物のヒットにも竿を伸されにくく、やり取りがしやすくなります。
落とし込みのアタリは、誰にでも分かるような大きなアタリです。
穂先がブルブルと激しく動き出した直後に突っ込むこともあれば、何の前ブレもなしに、一気にズドンとくることもあります。針掛かりは向こうアワセを待ってもよいですが、大きく引き込まれた時に大きく竿を立ててやるように合わせると、しっかりとフッキングします。
注意したいのは、竿先が大きく動く前アタリで合わせないこと。この時に合わせて掛かることもありますが、掛かりが浅いとスッポ抜けなどバラシの原因になります。
「無理せず、スムーズに」と言うと矛盾するように思えますが、引き込んだ時には無理せずに竿で溜めることも重要です。
ライト落とし込みとは言え、相手は青物。時にはブリやメジロ、カンパチなどのビッグなターゲットもヒットします。そんな時のためにリールのドラグ調整は予めしっかりしておき、竿の弾力を生かすと取り込める確率は大きくアップします。また、突っ込みが止まって巻ける時は、魚に主導権を渡さないように竿を起こして巻き上げましょう。乗合船ではオマツリも避けたいですからね。
ライト落とし込みのターゲット
ライト落とし込みで狙えるターゲットは、ツバスやハマチ、シオを主体に釣り場によってはヒラメや根魚などもまじってきます。
今回出掛けた兵庫県淡路沖では、ハマチ、シオを主体にメジロやブリ、ヒラメにアコウ、ガシラなども上がっていました。ターゲットはフィッシュイーターですが、何が釣れるか分からない多彩な魚種も魅力のひとつですね。
ライト落とし込みは、ベイト次第の釣りになってきますが、秋はまだまだ各地ともにベイトの群れが濃い所も多数あります。
手軽にライトタックルで狙える「ライト落とし込み」、ビギナーや女性、子供にもオススメです。まだ体験したことがない方もぜひ、この機会にチャレンジしてみてください。
ライト落とし込みが楽しめる船宿(兵庫県淡路島)
淡路沖のライト落とし込みへ出船の船宿はこちら↓