
今回はテンヤタチウオでドラゴンを狙って出船
例年より少し遅れて、大阪湾でテンヤを使ったタチウオ釣りが始まった。
小さいアタリを拾いビシバシと掛けていく数釣りも面白いが、やり取りの最中にリールの回転が止まるほど、引きが強いドラゴンとの一騎打ちも、最高にエキサイティングだ。
そんな釣り人の胸を掻き立てる魚、ドラゴンを2人の名手に挑んでもらおうと企画したのだが、生憎お2人の日程が合わず、今回はシマノのフィールドテスターであり、大阪湾タチウオKINGバトルのファイナリストでもある吉田昇平氏にドラゴン攻略の夢を托した。
船宿は大阪府の忠岡港を基地にする、ふじたや。 キャプテン藤田が操船する大型乗合船が河岸払いしたのは、6時過ぎだった。
忠岡港を抜け南へ向かうのだと思っていたが、友ケ島沖のアカマツや洲本沖は、潮がかわってから食わなくなったと言うので、神戸沖へとポイントをかえたのだ。
この日、吉田氏が用意したタックルは、シマノのサーベルマスターエクスチュ―ンテンヤ82MH180だ。9:1調子の硬い竿は掛けやすいがバラシも多いので、少し軟らかめの竿をチョイスしたのだ。
リールは、ドラゴンが掛かってもパワー負けしないフォースマスター600DH。
テンヤは大阪湾ではグロー系が強いと言われるように、この日もグローのゼブラパープル40号で通した。
「大きなエサには大物が来る」、それが吉田さん信条なので、大きめのイワシを調達してきて前日に塩、うま味調味料、イリコダシの中へ一晩漬けて、釣り場へ持参する。
エサが大きめなので、テンヤもシャンクが真っすぐの大きめを使うが、水平姿勢を保つものがお好みだ。エサは軟らかいイワシが中心だが、状況によってはサンマも使う。
50分ほど走って、ようやくポイントに到着した。船長のアナウンスだと一流し目は40~50mの浅場から流してみるらしい。
こんな浅場にもドラゴンいるのか?
吉田氏いわく、「数が多いのはもちろん深場の泥底でかけ上がりとか海溝などがある場所だが、時々びっくりするよう浅場で食ってくることもある。だから、アタリがない時は、底から中層まで幅広く誘ってみるといい」そうだ。
スタートから浅場へ入ったので、吉田氏はテンヤを投げて、斜めに引いて来る作戦に出た。
底が取れたら素早くリールを3回ほど巻きテンヤを誘い上げてから4、5秒はステイしてアタリを待つ、オーソドックスなストップ&ゴーの誘い方だ。
二枚潮などややこしい潮を好むドラゴンには、ストップ&ゴーも有効な誘いの1つだと言う。
また、この誘いが効かない時は、小タチが追い付けないほどのスピードで早巻きして誘うのも、ドラゴンには効果があるとか。
小刻みなジャークを繰り返して誘うこともできるが、この誘いはドラゴンより先に小タチが反応して集まり、エサを突き回すのでよくないそうだ。
この後、それを見事に証明してくれた。
吉田氏がリールを3回巻いてステイを繰り返していると、竿先に何度も微妙なアタリが出始めた。
でも、そんな小アタリは無視してリールを巻き、ステイを繰り返していると、次には小気味のよいアタリにかわり、掛けにいかなくても掛かることが多いと分かった。
それに吉田氏が釣り上げるタチウオは、周りの人が釣り上げるタチウオより一回りから一回り半は大きいのだ。
これは、釣れているタナの中で魚が1番濃い場所、アタリが多い場所には小型が多いと考えられる。
だからアタリは多いが小型しか釣れないタナは思い切って無視して、よく釣れているタナの上か、下のタナを攻めてみると、小型はあまり掛からず良型が拾えることが多いという。
そして、この方法は、ドラゴンにも通用する。
キャプテン藤田は、1尾でもよいからドラゴンを釣らせてあげようと、あちこち走り回ってくれたが、潮の濁りがキツく、食いも渋かったせいで、ドラゴンは出なかった。
だが、吉田流ドラゴン攻略法は随分参考になりました。ありがとうございました。