【誰でも分かる! 波止釣り入門】第10回はグレ釣り編! 釣り方からエサ取り対策まで徹底解説

寄稿:竹村勝則

竹村勝則 プロフィール

元釣場速報編集部のベテラン記者。堤防釣り、磯釣り、渓流釣りなどに造詣が深く、各地の堤防、磯、渓流などに積極的に繰り出している。ウキなども自作するこだわりの強い1面もある。

大阪湾の波止でグレが釣れ始めるのは、だいたい5月上旬、連休の頃からである。

その頃は、海水温も上昇してきて、いろんな魚が動き出し、エサ取りの小魚も多くなってくる。

グレ釣りのマキエが入っている釣り場では、日に日にエサ取りが増えてきて、エサ取り対策も必要となる。しかし、グレの動きも活発になり、ウキをスーッと消し込む。

大阪湾の波止だから、荒磯のように40cm級のグレは期待できないが、25cm前後主体に、たまには30cm前後の良型がくる。

ガツーン、ギュギューンとくる強引は、グレ釣り師を熱くさせる。

グレの釣り方は、磯も波止もほぼ同じフカセ釣りだが、今回はリール竿と、ノベ竿のフカセ釣りを紹介する。

リール竿のフカセ釣り

波止やテトラで水面から高さがあるポイントが、25cm以上のグレがくる可能性があるポイントでは、リール竿が必要。竿は1号調子の5.3mがあればよい。

リールはスピニングリールの2500番ぐらいで、レバーブレーキ付きのリールもよい。

道糸は1.5号から2号。ハリスは1.2号か1.5号。針はグレ針の4、5、6号。

0~Bまでの円錐ウキ

ウキは円錐ウキの小さめの0号からBまでを3個ほど。オモリはG7からBまでを4種類ほど。タナが深い時用に、遊動ウキ止め糸も用意しておくとよい。

小さなアタリウキと、飛ばしウキのスーパーボール(ノベ竿のグレ釣り仕かけ用)

グレのフカセ釣りは、なるべく軽い仕かけで釣るのが基本(仕かけ図参照)。

マキエとサシエ

マキエでグレを集めて釣るのが、フカセ釣り。マキエには、オキアミと集魚材(配合エサ)をまぜるのが定番だ。

波止釣りだから、約半日分としてオキアミ1.5kgか3kgを粗潰しにして、配合エサを1袋入れてまぜる。あるいは、オキアミ1.5kgかアミエビ2kgに、米ヌカをやや多めにまぜる。

集魚材のマルキユーのグレパワーV9

マキエは数多くするので、マキエ杓のカップは、小さめがよい。

サシエはマキエ用のオキアミを先に取り出しておいたり、サシエ用のオキアミのSかMサイズを買っておく。

釣り方の手順

波止やテトラからの釣りなら、タナはだいたい1~2ヒロと浅い。

釣り始めは、0号ウキでウキ止め糸なしの全遊動で探ってみる。

まずオキアミを2、3回打ち、すぐに仕かけを投入、その後にマキエを1、2回打つ。マキエの中にサシエをまぎれ込ませるのがコツの1つ。

マキエ、仕かけ投入、マキエを繰り返す。

マキエに集まってきたグレが見えるようになると、シメたもの。入れ食いが期待できる。

グレが見えなくても、アタリがきてグレが釣れる。むしろ、そのパターンの方が多い。

グレのアタリ

水面に漂うウキが、ゆっくりシモるように入っていくアタリは、タナが合っている証。

ウキが急に早く、スーッと入るのは、タナ(ウキ下)が浅いから。

アタリがでないのにエサが取られている場合は、タナが深すぎる。エサ取りにサシエを取られている場合もあるが。

グレは早アワセすると、針に掛からないことが多いので、ゆっくりめに合わせるのがよい。

数尾釣ると、だいたいタナが分かるので、遊動ウキ止め糸を付けてもよい。

アタリもない、エサも取られない場合は、全遊動のままで深ダナを探るしかない。あるいは、ポイントをかえる。

エサ取り対策

1番厄介なのが、エサ取りの小魚。フグ、スズメダイ、小アジ、小サバ、バリコ、カワハギ、ボラなどがいる。

フグやスズメダイは足は遅いが、小アジ、小サバは足が速いので、すぐに寄ってきて、エサを取るから、万全な対策はないが、マキエを打ち分けることで、少しはマシになる。

マキエはできるだけ足下へ集中してエサ取りを寄せ、グレ用には前方へチョコッとだけ打つ。

それでも釣っているうちに前方へもエサ取りが行くようになる。

そうなってくると、マキエは足元、右前方、左前方、真ん中と四方に打ち分ける。周囲がエサ取りだらけになるが、その中でエサ取りが少なそうなポイントへ仕かけを入れる。

あるいは、かなり前方へ仕かけを入れて、ゆっくり手前へ引いてくる。

とにかく、あの手この手を駆使するしかない。

大阪湾内はボラが多く、60~70cmもある大きなボラもマキエに寄ってくる。そんなボラに乱舞されては釣れないので、そんな時はしばしマキエを止めて休憩するのが得策。

ノベ竿のグレ釣り

釣り方は同じだが、ノベ竿でグレを釣ると、その引きは強烈。竿鳴り、糸鳴りがしてスリル満点だ。

手の平ぐらいのグレでも強引を楽しめる。

竿は渓流竿か、万能竿の5.3mか6m級。道糸は1.5号、ハリスは1号か1.2号、針はグレ針の3、4号か、ヘラブナ釣り用のスレ針の4、5号。

アタリウキはG7からG3ぐらいのオモリ負荷の小さめのウキ。ウキが軽いので、仕かけを打ち込みやすいように、飛ばしウキを付ける。

飛ばしウキは市販のスーパーボールの小を使うとよい。

釣り方は同じでもリール竿よりノベ竿の方が扱いやすく、手返しも早くなって、よく釣れる。

この釣りは、夏から秋の好期に1番効果的で、タナは浅い時は50~60cmで入れ食いになる。

そんな時はマキエとサシエを工夫して、マキエにアミエビを多めに入れ、配合エサにもパン粉や米ヌカを入れる。

サシエはサシアミかマキエのアミエビを使う。

針はエサが小さいので、小さなスレ針を使う。

ノベ竿なので、大物がきた時に糸を出すことができないので、竿尻を下げて竿の弾力でやり取りするのが、取り込み時のコツ。

それでもハリスを切られることがあるが、これ以上ハリスを太くすると、竿が折れるので注意。

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