【タコエギブームに至るまで】船タコ釣りの歴史を紐解く!

寄稿:和田勝也

和田勝也(Wada Katsuya) プロフィール

ジギングやマダコ釣りをはじめ、瀬戸内の釣りに精通する、現在の明石タコエギブームの火付け役的存在。マルキユー・フィールドスタッフ、墨族オクトパッシングスタッフ、アルファタックルフィールドスタッフ、アシスト工房代表

船タコ釣りの歴史を紐解く

今回は、遊漁船における船タコ釣りの歴史などを、紐解いていきたいと思います。

船釣りにおいて、タコ釣りは夏場の風物詩的な存在で、古くから親しまれてきました。

しかし、それは主に手釣り。タコテンヤにエサや、「キャンディー」と呼ばれるギジエを付けたもので、タコ釣りが行われていました。

手釣りに馴染みのない人もいらっしゃると思いますが、手釣りの糸は太く、タコテンヤもフォールスピードが遅く、ゆえに限られた場所や、浅い水深でしか釣りができませんでした。

シーズンも、6月後半から8月前半くらいまでと、非常に短いものでした。

しかし、私を含めたジギングアングラーが、ジギングの合い間などに、ジギングロッドでタコテンヤの釣りをやり始めた頃から、少しずつ竿釣りの人口も増えていきました。

ただ、もちろんタコエギ専用ロッドの登場も、まだまだ先のこと。ジギングロッドを使って、タコテンヤでタコを釣るという釣り方が、竿釣りでの主流だったので、手のかわりが竿という程度。

ズルズルと引きずって、グーっと重たくなれば合わせると言うようなレベルでした。

竿を使うことで、可能性が広がるのでは

しかしながら、この時に感じたことは、竿釣りをすることで格段に糸が細くなり、手釣りで狙える15m前後より、相当深い水深を攻めることが可能になること。

これにより、いろいろと幅が広がるのでは? ということでした。

これが、今から15~20年程度前の話で、まだエギでタコを釣るという発想には、行きついていませんでした。

もちろん、タコテンヤを上回る釣果を、エギで生むことができるとは、思ってもいませんでした。

しかしながら、私自身が子供の頃に波止からギジエのキャンディー付きタコテンヤやタコジグなどで、結構タコを釣った思い出も深く残っていたこともあり、試行錯誤しました。

テンヤの釣りの合い間にイカ用のエギなどを改造して試したり、タコテンヤにもエサのかわりにいろいろなモノを乗せてみたりと、徐々にではありましたが、自分の中では、確信を持ち始めていました。

タコの恋人を開発

テンヤにセットした「タコの恋人」

エギにセットした「タコの恋人・和田虫」

そこで、私が思い付いたのが「タコの恋人」という名の、タコテンヤに付けるワームでした。

最近タコ釣りを始めた方はご存じないかも分かりませんが、この「タコの恋人」という商品は、タコエギが流行り出す数年前に発売されたもの。タコエギブームの前に、少しずつルアー寄りな釣りへと動き出す序章となりました。

そこから、どのように今の完成された釣りに深化していったのかは、また次回以降に。

当時、エサを凌ぐ釣果を叩き出していた伝統のアイテムでした。

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