【イラスト入り】アユ友釣り入門講座(準備編) 道具、仕掛け、釣る場所、ルールを覚えよう!

ファンは多いけど、少し敷居が高いのが「アユ友釣り」。

やってみたいけど、何から覚えればいいのか分からない、そんな方のためにアユ友釣りの基礎をレクチャーします。今回は準備編です。そもそも友釣りって何?というところから丁寧に解説していきます。

そもそも友釣りって何?

友釣りはその昔、オトリを使って野アユをおびき寄せ、寄ってきたアユを引っ掛けるところから、野アユを呼ぶための「友達」の意味で付けられたとの説があります。しかし、その内容はというと、ナワバリにオトリを侵入させて、野アユが侵入者を攻撃した時に間違ってオトリからぶら下がる掛け針に掛かってしまうと言う釣り。

友と言うよりは敵!? ナワバリに入ってきたアユに対して、攻撃を仕掛けてくる野アユも多数いる反面、警戒心を抱いて、違和感のある動きをしているアユには見向きもしないアユもいる。オトリを操作することで、そんなアユとの駆け引きを楽しむのが、この釣りならではの面白さです。

友釣りのシステム

リールなしの長い竿1本の手持ちで釣るのが友釣り。糸の先には生きたオトリアユがつながっていて、オトリの尻尾の先に野アユを掛けるための掛け針がぶら下がっている。そんな仕掛けで、野アユのナワバリにオトリアユを侵入させ、野アユが攻撃してきたところで針に掛かっちゃうと言うシステムです。

オトリに負担を掛けないように極細いラインを使うのと、8~9mもある長い竿で離れた場所にいるアユを釣るのが特徴。野アユがオトリを追ってくれるよう操作するのが腕の見せ所です。

オトリアユとは?

オトリアユは野アユのナワバリに入り込んでいき、「攻撃される」側になるアユ。糸とオトリアユの接続にはハナカンと呼ばれる取り外しのしやすい環が使われ、鼻の穴に通す。オトリアユの尻ビレの後方には、ハナカンからつながる逆針が付けられ、さらにハリスを介して野アユを掛けるための掛け針を繋げます。

これらを身につけて他のアユのナワバリへと入っていきます。基本的には最初の1尾はオトリ店などで養殖物などを購入します。死んでしまっては使えないので、予備を含めて2尾程度は持っていきましょう。

オトリアユの管理

オトリアユは現場で使うまで元気であることが1番。専用のアユ缶(オトリ缶)と呼ばれるケースに電池式のエアーを入れて運びます。

出典:シマノ

川に着いたら、オトリ缶のフタを外して横を向け、重しを置いて川に浸けておこう

オトリアユを運ぶ時間は短いほうがいいから、現地近くで購入するのが基本。川に着いたら、今度は引き舟と呼ばれる携帯用の入れ物に移し、川に浸けておきます。

底には水通しがよいように、たくさんの穴が空いている。ベルトにつないでこのまま移動が可能

引き舟の中には、あまりアユを詰め込まないようにして、数が増えればアユ缶に入れて川に浸けておきましょう。水温が上がると弱るので、夏場の放置は厳禁です。

どんな道具が必要?

仕掛けに関しては次の項目で説明するとして、友釣りをするのに現場で必ず持っておきたい道具が、専用のアユ竿、タモ、そして引き舟。アユ竿は8~10mと川の幅などによって使い分ける人もいて、調子や長さなども非常に細分化されています。最初に選ぶなら、幅広く扱える9m前後の硬中硬あたりがオススメです。

タモは掛けたアユをすくう、オトリを交換する、たくさんの中からオトリにするアユを選ぶ…などと、意外なほどいろいろなシーンで役に立ちます。形がきちんと保てる網が使いやすいです。手元での操作なので、柄は50cmくらいで十分。引き舟は釣っている最中、身体に付けて、アユを一時的に保管する入れ物です。

どんな仕掛けで釣るの?

アユの仕掛けは非常に細く、いろいろなパーツが繋がって出来ています。

竿先から見ていきましょう。

天井糸
穂先に糸が絡むのを防ぐ役割と、下部が大きなループ状になっていて、結び目が移動できるので、仕かけそのものの長さを調節できます。

水中糸
実際に水の流れの抵抗を受ける部分で、ナイロン製や金属製(メタル)などがあります。

ハナカン
仕かけにオトリをつなぐ部分。これは金属製の輪。

中ハリス
ハナカンからオトリの尻ビレに付ける逆針(ハリスをつなぐ部分)までのライン。

針ハリス
逆針から野アユが掛かる掛け針までのライン。

掛け針
実際にアユが掛かる針。イカリ型の3本や4本タイプが主流。

どんな服装で行けばいい?

アユ釣りは川に浸かるのを前提にした釣り。そこで必ず必要なのがウエーダー。川の流れの抵抗を少しでも減らすために、ブカブカのタイプよりもピタッとしたスリムタイプがオススメです。

また、小物は全てベストに入れるのが基本。夏場の釣りで日差しが強いので、日に焼けすぎるのを防ぐよう長袖の上着を着用します。友釣りに慣れてくると、石の善し悪しでポイントを判断できるので、水中が見やすい偏光グラスも必需品です。

どんなトコで釣るの?

海からソ上するアユはソ上途中で、どんどん良い場所を選んで定着します。また、稚魚で放流されるアユもいて、それらも含めて川の中流~上流域が釣り場になります。

放流や施設、川の整備、オトリの販売などを漁協が管轄してすることが多く、アユ釣り場にはそれぞれのエリア、川を管轄する漁協が存在します。その漁協が取り決めた「友釣り場」で竿を出すのが基本です。実際には期間を決めて「友釣り専用区」や「網入れ区」なども取り決めがされており、オトリを購入する店や漁協などで、その川の案内パンフレットをもらう事ができます。

川に入るためのルール

川をアユの釣り場として整備したり、オトリの元になる種苗を生産、あるいは稚魚を購入して放流するなど、アユ釣り場として川を維持するのには費用が掛かかります。そんな場所での釣りとなるから、勝手にどこでも竿を出して…と言う訳にはいきません。まずは、その川、エリアで釣りをするための入川券を購入することから始まります。

これらの収入はアユ釣り場の整備、放流などに使われる費用なので、釣りをする場合は必ず購入しましょう。ただし、ごく希に漁業権を放棄していたり、ソ上のみで放流事業などをしていないため、入川券がない河川もあります。ちなみに、入川券には1日だけ有効な日券、シーズン中有効な年券があります。

友釣りする時のマナー

アユ釣りに限らず、釣りのマナーとして民家の近くで騒がないことや、ゴミは絶対に残さないことは当たり前。特にアユ釣りの場合は入川券が必要なので、「ほんの1、2時間釣るだけだから」と言って、券なしでの釣りは厳禁です。

また、山間部での釣りとなるため、川沿いに走る道沿いに駐車スペースを探すことになります。車の通行が少ないからと言って、違法駐車で通行の妨げになるような場所では絶対に駐車はしないこと。

また、アユ釣りは長い竿を使い、その糸先にオトリが泳ぐと言う構図。釣り人同士が近寄ると、ポイントのつぶし合いになるので、距離を空けて釣りましょう。

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