常に変化し続けている海の状況。
風、潮流、天候などさまざまな要因が関係してきますが、釣果に密接に関係してくるのが、「潮汐」です。
いわゆる満潮や干潮。その潮の満ち引きについて、紹介していきます。
潮の満ち引き
船、堤防問わず、釣行に出掛ける際に気になるのが「潮の満ち引き」。
つりそく編集部では、毎日「その日は大潮やから~」、「潮は何やったん?」とよく潮の話が飛び交っています。
釣り人にとっても重要な「潮の満ち引き」の基本を、この機会に知っておきましょう!
満潮・干潮について
まず初めに、皆さんも聞き馴染みのある、満潮と干潮を理解しましょう。
月が地球に及ぼす引力などの影響により、潮位が上がりきった状態が「満潮」、反対に下がりきった状態が「干潮」になります。
下の図をご覧ください。
地球に、ふざけたポーズをしている私がいますね。
頭まで水に浸かっているところが満潮で、腰までしか浸かっていないところが干潮というワケ。地球は1日に1回、自転しているので、多くの場所で満潮と干潮が2回ずつ起こるようです。
大潮と小潮について
続いて、大潮と小潮について解説したいと思います。
月と太陽が地球に対して直線上に重なる時期があります。
そうです、新月と満月の時期です。
2つの引力の影響が直線上に重なるとき、1日の満潮と干潮の潮位差が大きくなります。この新月や、満月の前後、数日間の時期を大潮といいます。
月と太陽が直角方向にズレている時は、互いに影響を打ち消す形になるので、満潮と干潮の潮位差が小さくなります。
この月の形状が半月となる、上弦や下弦の前後数日間の時期を小潮といいます。
下の図は気象庁のホームページで公開されている2022年2月の大阪の潮位表です。
※地域や季節によって、潮位差はかわるので一例としてご覧ください。
こちらの表で、日ごとの満潮時間と干潮時間、潮位を確認することができます。
2月17日は満月、8日は上弦の月、24日は下弦の月です。
赤枠の日が小潮、黄枠の日が大潮です。

出典:気象庁
※潮位の単位はセンチとなっています。
さらに詳しくグラフにしてみました。
まずは2月8日と24日のグラフです。
小潮の中でも、それぞれの日で潮位差に違いがありますね。
次に2月17日のグラフです。
それぞれ満潮時の潮位と干潮時の潮位の差を見てみると、やはり大潮の方が潮位差がありますね。
先ほど解説した、大潮と小潮のほかにも中潮(なかしお)、長潮(ながしお)、若潮(わかしお)があります。
・中潮…字の通り、大潮と小潮の間の潮です。。
・長潮…上弦・下弦を1~2日過ぎたころ、干満の差が1段と小さくなり、満潮・干潮の変化がゆるやかで、だらだらと同じ潮の状態が長く続くように見える小潮末期の時期のことです。
・若潮…小潮末期の長潮を境に大潮に向かって、潮の干満差が次第に大きくなっていく時期のことです。
潮の周期は、「若潮→中潮→大潮→中潮→小潮→長潮」の順で周っていきます。
例えば、大阪湾でタチウオを狙う場合は、小潮周りがよいとよく言われていて、タチウオの泳ぎ方が関係するとかしないとか。大潮の時期は、青物の釣果が上がりやすいと言われていて、潮の流れなどが関係しているそうです。
反対にガシラ(カサゴ)やメバルなどの根魚は、潮の影響を受けにくいと言われています。
ただ、どこでも当てはまるというわけではなく、ポイントや季節によって変化するもの。ここで答えを出すのは難しいのですが、よく行くポイントや狙うターゲットが、どのような潮の状況で釣れるのか、考えながら釣るのも面白いですね。
潮回りだけでなく干満の状況など、さまざまな要素を把握し、釣果アップを目指してはいかがでしょうか。