七里が瀬のタイラバを話題のビッグワームで攻略!果たして釣果は?

寄稿:佐々木 洋三

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

大型ワームを使用し“七里が瀬”を攻略

今年も玄界灘に春一番が…と言っても、南風吹き荒ぶ嵐のことではない。婚姻色に染まった大ダイが乗っ込んできたのだ。

七里が瀬の乗っ込みは例年、2月中旬から3月いっぱいが、大ダイがよく釣れる季節。それ以降は、型がまちまちの数釣りとなる。

そんなことをよく知る、チームSASALABOの小林元太氏(福岡市)と福田哲彦氏(広島市)は、2月13日に福岡市伊崎港のマリブエクスプローラーへ乗船し、玄界灘へ。しかも、新月後の中潮の絶好のタイミングに、満を持しての釣行となった。

2人が持ち込んだ大型ワームの「BIG BOSS」。船長のオススメもあって、乗り合わせた釣り人に使っていただいたところ、付けかえた途端に、気難しい乗っ込みマダイが次々とヒットするなど、大型ワームの威力に船上が沸いた、との連絡をいただいた。

船長のお誘いもあり、早速私も博多へと足を運んだ。

憧れの漁場・七里が瀬

3月10日の午後に新大阪を発ち、夕刻に博多入り。天神近くのグルメな炭焼き店で地元の仲間たちと交流し、最近の海況など情報を仕入れた。

翌朝4時半に博多湾伊崎漁港に集合し、5時に出航。何せ七里が瀬まで、普通の船なら3時間はかかる行程を、昨秋に新造したばかりのマリブエクスプローラー66フィートの大型船は、2時間を切る快足ぶりだ。

私が知る限り、装備と言い、キャビンの快適さと言い、日本一の釣り船。少々海が荒れても、快適そのものだ。

七里が瀬は、七里ケ曽根とも呼ばれ、壱岐島の真北、対馬の東に位置する。幅は約7里(約27・49kg)ほどの天然礁だ。

南西から流れる暖流が巨大な瀬にぶつかり、豊富なプランクトンがベイトを育む。そこに、大型のクロマグロやキハダ、カツオ、カジキが回遊する。キャスティングやジギングでマグロ系や大ヒラマサ、10kg超えのブリを狙うアングラーはもちろん、乗っ込みの大ダイハンターにも、憧れの漁場となっている。

そんな魅惑の漁場まで、博多から楽チン日帰り釣行を龍野船長が実現してくれたのだから、嬉しい。

ドテラ流し釣法

7時に七里が瀬に到着し、スタートフィッシング。

龍野船長は船の流れる方向や魚探反応を見極めながら、ポイント移動を繰り返し、魚影が映し出される水深をアナウンスしてくれる。

7時半、小林元太氏が「BIG BOSSイワシモデル」のコーラカラーで、アオハタを釣り上げた。アオハタが釣れたということは、底潮も動いているということだから、期待が持てる。

BIGBOSSのイワシモデル

筆者は同じカラーのイワシモデルで、マダイをゲット。

BIG BOSSバチモデル」に付けかえると、今度は50cm弱のマダイが食ってきた。幸先のよいスタートである。

ここでの釣り方は、全員が片舷で釣るドテラ流しで、広大な瀬を広く探っていく釣法だ。

水深40~80m、船速は0.6~1.2ノット。風と潮流によって、ヘッドは80~120gを使い分けた。

船は風で流されるので、1回着底する毎に、タイラバは船から遠退く。着底が分からなくなったらピックアップして、ボトムを取り直す。

ラインは200m以上も引き出されることもある。だから、リールはハイギアタイプが、断然有利。

筆者はクラッチを切るとモーターのが止まる、モーター&クラッチ連動機能の付いた電動リールの「フォースマスター200」を準備。完璧な等速巻きを可能にするし、タイラバの回収も楽。ドテラ釣りには持ってこいのリールだ。

手巻き用には、「炎月プレミアム150HG」を用意した。

大型マダイ狙いと言っても、特別にハードなロッドを準備する必要はない。ロッドの調子は、ミディアムクラスで十分だ。

小林氏は、ワームをコブラカーリーのシャインオレンジに付けかえ、小ぶりなマダイをキャッチ。

二釣流!? の同時ヒット

食い渋った後半、船長の許可を得て、筆者は同時に2本の竿を出した。二刀流ならぬ、二釣流だ。

電動タックルには軽めの100gのヘッドをセットし、船から遠く離れたエリアを狙う。手巻きタックルには120gをセットし、手前のエリア攻めた。

先に軽めのヘッドを送り込み、後から重いタックルを落とすことで、同じ釣座からでもオマツリの心配がない。

そんな釣り方をしていると、手巻きタックルに、ググっという鈍いアタリ。大型ワームのバチモデルだけに、時間をかけて、ロッドを引き込むのを待った。紛れもないマダイの引きだ。まだ140mも先だ。

すると、今度は電動タックルが絞り込まれた。ヒットしたのは180m先だ。

すかさず「楽楽モード」で巻き上げを開始。

これは、設定した巻き上げパワーを一定に保つ機能で、ラインに掛かるテンションをリールが感知し、モーターの回転速度を自動的に変化させ、常に一定のテンションで巻き上げてくれる。だから、リールに任せておいても安心、私は手巻きに集中した。

まずは、手巻きのマダイをすくい上げると、バチモデルのコーラに食ってきたのは、ジャスト40cm。電動タックルに持ちかえると、こちらは、こましなサイズ。上げてみると50cm超のマダイだった。

すると、今度は小林氏にヒット。上がってきたのは見事なサイズの大ダイである。コブラカーリーのシャインオレンジとトラッドピンテールのゴールドゼブラのコンビネーションだった。

計測してみると、惜しいかな、ジャスト70cmにほんの少しだけ届かぬサイズ、それでも満足いく1尾だ。

この日、アシストフックはドテラ流し用に、喰わせ鈎12号バーブレスの1本針を使用。この日、私が釣り上げたマダイは憧れの漁場・七里が瀬が、後世まで続くことを願って、全てリリースした。

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