
横山晴也(よこやまはるや) プロフィール
気温の上昇とともに、ヤリイカシーズンも幕を閉じました。
私は前回の記事の後、西津港の幸翔丸で今シーズンラストとなるヤリイカメタルを堪能し、さて、いよいよマイカ(ケンサキイカ)シーズン目前!
今回は、これからマイカシーズンに入るにあたり、若狭湾の近況、そこから予想される今後の傾向や、準備しておきたいモノなどをお話したいと思います。
私がこの月イチ連載記事を寄稿させていただき始めたおよそ5年前は、ヤリイカシーズンの次にムギイカ(小さいスルメイカ)→スルメイカ&マイカ→マイカというパターンで、釣れるイカが季節ごとに変化するのが毎年恒例でした。
しかし、新型コロナウイルス感染症が大流行した3年ほど前からこのパターンが崩れ、ヤリイカシーズン終盤からマイカがまじりだし、そのままムギイカ・スルメイカをすっ飛ばして、マイカシーズンがスタートするようになりました。
昨年は特に顕著で、4月頃にマイカメタルで60パイの爆釣も味わっています。
そして今年、またパターンが大きくかわる予兆があります。
まず、ヤリイカシーズン終盤からマイカがまじって釣れるのですが、数が極端に少なく、かわりに良型のスルメイカが釣れています。
そして、マイカにしてもスルメイカにしても、釣れるタナが毎投毎投バラバラで、一定することが少なく、数釣りをするにはテクニカルな状況です。
原因は定かではありませんが、今年はここ3年間よりも水温が低めなことや、海流の関係でマイカの群れが接岸していないのかなと、推察しています。
今後、水温の上昇でマイカの群れが入ってくることを祈っていますが、それまではスルメイカ主体のイカメタルを楽しむことになるでしょう。
どうも、釣れるタナがバラバラな今年。こんな時こそ、私はスピニングタックルを多用します。
スピニングタックルはカウンターが付いてないことから、1m単位の詳しいタナが分かりません。
PEラインの色分けによる、およそ10m毎の大雑把な把握しかできませんが、むしろこれが功を奏して、スピーディーなゲーム展開を実現しています。
主な誘い方は、一旦着底させた後、ワンピッチジャーク3回+ステイ5秒でアタリを待つ。アタリがなければ、また同じことを繰り返し、一応PEラインのカラーは意識しつつも、リーダーの結び目が海面に上がってくるまで続けます。
これで全層を探り、ステイの時に少しでも違和感を感じたなら、リールを巻かずにその場でシャクる+ステイを行って、瞬間的イカパンチを確実な「抱き」に持ち込みます。
レバーブレーキ付きリールであれば、クラッチを切ってフォールスピードの変化を付けるなど、小技を効かせやすく、特にオススメです。
また、スピニングタックルはキャスティングによる大遠投がしやすいのもメリットです。
垂直方向だけでなく、水平方向も幅広くサーチすることで、散らばっているイカをより拾いやすくなります。
しかし、ベイトタックルは全く使わないかと言えば、そうでもありません。全層サーチをする際、私がベイトタックルで行うテクニックは、フリーフォール時のスプールの回転の変化でアタリを取ること。
フォール中、ずっとスプールの回転を見ていると、回転するスピードが遅くなる箇所が出てきます。その理由としては…
① 船の波による上下動
② 潮の流れの境目
③イカパンチ
の3点があります。
①の状況は体感で分かると思いますので、ある程度、ロッド操作で影響を軽減しつつも、無視してフォールを続けますが、②、③の時はすぐに指でスプールを押さえて、1度フォールをストップ! そしてそのままステイ。
これでアタリがなければ、上下5mをネチネチと、誘いを掛けます。
これでアタリが見出せることがよくありますし、全層をワンピッチジャークする必要もないため、スピーディーに広い範囲を探ることができます。
また、フリーフォールで特に何もなく着底してしまったら、一旦回収して、スッテカラーやサイズチェンジ、メタルスッテの重さチェンジなどを行い、再投入すると、突然アタリが増えることもあります。
全層のイカに対して、さまざまな手駒を、スピード感を持って見せ付けられます。
これは、かなりオススメの㊙テクニックですよ。
今後、どうパターンが変化するかは予想が難しい若狭湾ですが、前提として、試行錯誤するであろうと考えられる時は、たくさんのアイテムを持って行きましょう。
イカメタル専用のスッテやドロッパーだけでなく、アオリイカ用のエギも2~3号サイズを持っていれば、片っ端から持って行き、ドロッパーやオモリグに使ってみてください。
そうすることで、新たな発見や、よい釣果が得られると思いますよ。