ここ近年、日本海の秋シーズンは「落とし込み」が熱気を帯びてきています。
大阪湾や瀬戸内、紀伊半島とは、やや時期がズレる感がありますが、京都・宮津沖ではイワシやアジのベイトがよく付き始め、今から晩秋までがハイシーズンです。
そのターゲットも、ハマチやメジロだけでなく、ヒラマサやヒラメ、アコウなどの根魚、サワラやマダイもまじるなど、美味な魚がズラリ。
そんな魅力十分の落とし込みをレポートしようと、宮津・養老大島の新幸丸に乗船してきました。

▲超大型船の新幸丸
楽しむなら今!! 落とし込みが最盛期
日本海側での落とし込み。その魅力は、何と言っても「美味で多彩なターゲットが狙える」こと。
各地の落とし込みの主要ターゲットとなっているメジロやハマチはもちろんのこと、ヒラメやアコウ、ガシラなどの根魚、そしてマダイにサワラ、さらにはヒラマサと、「釣って、食べたい」と思える魚がズラリと並びます。
当日も「先日、紀伊半島でシオを釣ったので、今度はヒラマサやヒラメ、根魚も釣りたくて」と言う人が数人いました。
港を出た船は、経ケ岬周辺で速度が落ちました。
魚探とソナーで感度を探し、50mラインで「(ベイトは)20~40m、やって」と開始の合図が出ました。
一斉に仕かけを下ろすと、「(ベイトが)付いた」と数人が合図。
ベイトが外れないように、ゆっくりと底まで仕かけを下ろした途端、「きた!」と、左舷胴で竿が大きく曲がり込みました。
グングンと力強く引き込むのをいなし、浮いてきたのは50cm級のハマチ。

▲1投目で船中初ヒットはハマチ
1投目からのヒットに、期待が高まりました。
この日、仕かけに付いたベイトは、ウルメイワシ。

▲ベイトのウルメイワシ
12、13cmもいれば、15cm級のよく肥えたモノもいました。
ですが、この日のベイトは少々難敵です。
2流し目に入ると、警戒心が出てくるのか、すぐに船下から散ります。
船長は、少しでもベイトの濃い反応を探しながら、船を西へと進めていきました。

▲大型船でゆったり釣りが楽しめる
すると船長は、80mラインで真っ赤に帯のように映る反応を見付けました。「やって、50~60m」。
指示ダナに入った途端、浮くように震える穂先。
船中のあちこちで「付いた」と声が上がりました。
ここでは、今回が落とし込み初挑戦の釣り人にも、簡単にベイトが付きます。その1人の女性アングラーも、底から1mほど仕かけを上げた途端に、穂先が大きく暴れ出します。
その直後にグーンと竿が絞り込まれました。
竿を起こすと、緩めのドラグがズルッと滑ります。やり取りを楽しみ、タモに入ったのはハマチでした。
ベイトが付き、フィッシュイーターの活性も上がったのか、それまでとは食いが一変。

▲船内あちこちでハマチが入れ掛かりに

▲落とし込みが初めての人にもハマチがヒット
ハマチがメインですが、ほかにもアコウにガシラ、マダイ、40cm級のウッカリカサゴのダブルなど、魅力的な魚種も増えてきました。

▲アコウ

▲アヤメカサゴ

▲マダイ

▲ウッカリカサゴ
「あとはヒラマサにヒラメにサワラ」、そう皆が望みましたが、船長が「今日はハマチ祭りになってしもたね」と言うように、ハマチが乱舞。
各自がハマチの土産十分で、納竿となりました。
当日は、期待のヒラマサやヒラメは上がりませんでしたが、翌日には船長からのラインで、ヒラマサやヒラメの写真が続々と。

▲ヒラマサ

▲ヒラメ
宮津沖は晩秋まで、多彩な魚種が落とし込みを盛り上げてくれそうです。