金森 聡（かなもり あきら） プロフィール
皆さん、こんにちは。ダイワフィールドテスターの金森です。
新メソッド「12釣法」
今回は、電動リールを使った新メソッド「12釣法」について、少し説明させていただきます。
まず、「12釣法」とは何ぞや？ ですが、簡単に説明すると、電動リール（シーボーグ使用）を使い、巻き上げ速度12を基準として、巻き上げながらハンドルをあまり使わずに、ロッド操作でタチウオを反応させて掛けていく釣り方です。
そもそも、この12釣法は、昨年の大阪湾タチウオKINGバトルにおいて、サイズのレギュレーション規定に対し、何か有効な手段はないかと、ダイワアングラーの方と実釣の上、意見をすり合わせながら完成に近づけた釣り方なのです。
昨年の決勝戦の釣果は、前半戦に規定クリア2尾（ドラゴン級1尾バラシ）、後半戦は1尾と、ある程度の結果は残すことができました。
この釣法で絶大的に効くシチュエーションが、タチウオが高活性状態の時です。
速度12は、あくまでも基準であって、活性に応じてそれ以上であったり、それ以下の速度にかえていきます。実際、決勝戦の高活性時には、18まで上げました。
12という早い巻き上げで、小さな個体のタチウオを弾きながら、遊泳力のある大きいタチウオを狙い、良型のタチウオと入れかえるために考えた、この釣法。
実は、数釣り時や冬の食いの浅い時にも有効で、テンヤをくわえたタチウオが引き込んだ時に、合わせを入れて掛けるので、針掛かりがよいのです。
言うならば、電動巻き上げを使用したスピードの速い、深追い掛け釣法とも言えますね。
12釣法のやり方は、仕かけを狙いのタナまで落とし、12の速度で巻き上げます。
竿の角度を水平以上で構えて、アタリを取るために、竿を海面に向かって下げます。竿を下げることにより、テンヤの巻き上がる速度が遅くなり、食わせの間（ステイ）ができる訳です。
ラインに付いているマーカーを見ながらやると、どれぐらい仕かけが止まっているか分かりやすいので、よい目安になると思います。
大体、この竿を下げた瞬間にアタリがでることが多いのですが、アタリがでれば弾いて、そのまま上へ連れて行くか、アタった瞬間にもう1度竿を下げて、テンヤをしっかりくわえさせてもよいです。
後は、タチウオが付いているのを感じながら、竿先が入り込んだタイミングで軽く合わせを入れるだけで、簡単に掛かります！
竿を下げるだけでなく、そのほかの食わせの間の作り方としては、トゥイッチやバイブレーションを入れても、巻き上げ速度が緩くなり、完全ステイとは違った食わせの間を、タチウオに与えることができます。
普段、私たちが使うエスカレーターをイメージしてもらうと分かりやすいです。
例えば、エスカレーターに乗ると、一定方向に動いて進んでいますが、同じ方向に自分が動くと速度が速くなり、反対方向に同じスピードで自分が動くと、スピードは相殺されて、その場に留まります。
これが竿を下げるとテンヤが止まり、食わせの間ができる原理です。
12釣法を実践するにあたり、タックルセレクトも重要で、ロッドを9:1調子にするか、8:2調子、もしくは7:3調子か。テンヤも固定式の針にするか、AH（半遊動式）にするかでも、いろんなスタイルを作ることができます。
やり込むほどに意外と奥が深い「12釣法」。釣りのスタイルとして確立させるもよし、1つのメソッドとして持っておくのもよし。
ぜひ、皆さんもお試しください‼
12釣法にオススメ
現行のシーボーグにはモーターON/OFF連動クラッチが搭載されていて、クラッチを切って仕かけを落としている間に、JOGレバーで巻き上げ速度を設定しておけば、クラッチON時にレスポンスよく巻き上げが始まります。これは、「12釣法」には、かなりのメリットになります。
