【あの釣り、あの魚】何を模した疑似餌なのか。これから脂が乗って美味しくなるマダイを狙う「ギジエマダイ」

寄稿:つりそく船釣りクラブ 十川 敬夫

つりそくのオフィシャルクラブ、「つりそく船釣りクラブ」のメンバーが、釣りの魅力を紹介。

この記事を参考に、皆さんもどっぷりと釣りの世界にハマってください。

十川 敬夫(とがわ よしお) プロフィール

年間釣行回数100日以上で、船釣り以外にもアユ、ルアー、投げなど、あらゆる釣りに精通。アマダイ釣りは年間30回以上通い、常に2ケタ釣果を叩き出す。つりそく船釣りクラブ所属

私は小さな頃からフィールドや釣り方を問わず、いろんな釣りを楽しんできました。たくさんの釣りを経験した中で、私にとって最も面白い釣り「方」は、今のところ、アユの友釣りですが、一方で釣りの対象「魚」として最も面白いのは、ブラックバスとマダイだと思っています。

ブラックバスとマダイを釣るための共通点をひと言で言うと、刻々と変化するフィールドを肌で感じながら、釣り人は攻め方をかえていかなければ、よい釣果を得られない、という所でしょうか。

加太のギジエマダイ

マダイは悪食の魚

一般的にマダイは小魚、カニやエビ、アミなどの甲殻類、イカやタコなどの軟体動物、ゴカイやイソメ、ユムシなどの環形動物、果ては海毛虫などもエサがなければ食べてしまう悪食です。

加太のマダイは1年中、甲殻類や環形動物は食べている様子ですが、一方でシーズンによりミミイカ、イカナゴ、カタクチイワシ、タチウオ、ノレソレを偏食します。

今年の夏は例年になく暑く、カタクチイワシの接岸も少ない様子で、一体どうなることかと思っていましたが、心配をよそにマダイは産卵後にしっかりとカタクチイワシを食べて体力を回復し、裏旬の秋を迎えました。

1、2月のマダイは脂が乗って1番美味

今秋も週イチペースで加太・谷口丸に通いましたが、マダイを中心にたくさんの大アジ、大サバなどを釣らせてもらうことができました。恐らく年末まではよい状況が続くと思いますが、年が明ける頃には水温の低下とともに、魚の活性は下がり、底に沈みます。ですが、寒さが増す1、2月のマダイは脂が乗って1番美味で、最も大型が釣りやすい時期でもあります。

加太で釣らせてもらった70cm以上のマダイは、ほとんどが2月(ミミイカを偏食する個体)と8月(イワシの群れに付いた個体)の釣果です。

加太では1月中旬頃から大きな潮周りに浅いポイントで、フラセ釣り(通称コロコロ)と呼ばれる15号程度のオモリを叩いて作ったカブラと、毛糸を使った釣りをします。

毛糸はミミイカを模した疑似餌

オモリを海底にコロコロと転がすから、そう呼ばれているようですが、この赤い毛糸はミミイカを模しています。茱(ぐみ)の実のように小さいミミイカの子供を「グミイカ」と呼び、加太では昔からマダイ釣りのエサとして使ってきました。最近はこのエサが取れなくなったのか、毛糸で代用するようになったようです。

フラセ釣りはとても面白い釣りなので、ぜひ、潮が大きくて小春日和の穏やかな日を選んで、出掛けてみてください。マダイは海底に張り付いていますが、低水温でも行動できる大型は口を使ってきます。

私も幻となった加太の90cmを探しに、この冬も頑張ってみるつもりです。

ランキング

釣り場・釣り船の情報をまるっとチェック!