冬場から春に掛けて、日本海で“旬”を迎えるイカが「ヤリイカ」。
春から秋に大人気のマイカ(ケンサキイカ)と同じく、イカメタルやオモリグ、そして胴突き仕かけと好みの釣り方で狙え、その食味や食感は、マイカとは一味違うのも魅力です。
今シーズンは、寒波やシケの影響で出船日が限られていましたが、福井県越前沖では良型まじりで数釣りも出ており、ただ今、美味なヤリイカが旬真っ盛りです。
シケ明けの2月下旬、越前白浜のつり船福丸の半夜便に乗船してきました。今回はその模様をレポートします。
夜のポイント移動後に、バタバタっと一気に全員安打!
越前沖は、ポイントが近いのが魅力。16時半に港を出て、ほんの数分でエンジンがスローになりました。
まずは、浅場で流し釣り。
水深20m前後で、開始の合図が出ました。

▲夕まずめまでは浅場で流し釣り
同船の釣り人たちは、主に胴突き仕かけで狙い始めます。
群れに当たればバタバタとヒットしますが、この日の流し釣りではヤリイカが1パイ上がったのみ。

▲夕まずめに流し釣りで釣れた船中1パイ目のヤリイカ
そこで、日没前にポイント移動となりました。
日没後のポイントも、この日は浅場の30mライン。集魚灯が灯り、これからが本番ですが、当日のヤリイカのご機嫌は斜め⁉
流し釣りで船中1パイ目を上げた、左舷胴の間の釣り人にはポツリポツリとヒットするものの、ほかの釣り人は苦戦しています。
20時を過ぎても乗りが上向かないので、船長はポイント移動を決断しました。
かわった先も同じく浅場。潮も緩く、船長のアナウンスでは「メタルは15号でもイケると思います」とのこと。
そして結果的に、このポイント移動が吉と出ました。
仕かけを下ろしてすぐに、次々と竿が曲がります。
左舷トモや胴の間の釣り人、そしてサポートで乗っていたつり船福丸の山下若船長も、竿を出した途端にヒット。

▲合い間に竿を出して、当日の竿頭に輝いた山下若船長
群れに当たったのか、右舷でもヒットし、すぐに全員安打。
中には、ダブルで上げる人もいました。
胴突きで釣れている仕かけを見ると、エサ巻きスッテ、プラヅノがメイン。
プラヅノは、赤目仕様がよかったようで、右舷トモの釣り人は、それにかえてから連続ヒットしていました。

▲上が赤目仕様のプラヅノ
イカメタルでは若船長が、小さなアタリを見極めて次々と掛けていき、一気にツ抜けを達成。
この日は全体的に乗りは渋めでしたが、良型のオスイカもまじり、ボリュームのある釣果で土産を確保し、納竿となりました。
当日のヒットパターン紹介
ヒットパターンは、日により変わると思いますが、ここでは当日のヒットパターンを簡単に紹介。
釣行時に、引き出しの一つとして参考にしてください。
山下若船長の誘い方は、シンプルな1段シャクリ。
竿先を下に構えた位置から、シャープに上へシャクリ上げます。そして、一気に元の位置へフリーフォール。
仕かけの重みが穂先に乗ってきたら、5~10秒ほどステイ。
これを2、3回同じタナで繰り返します。
アタらなければ、タナを少しずつ上げていき、底から5mまでの間を丁寧に探っていました。
船長曰く「ヤリイカのアタリは小さいのも多いので、ステイ中は穂先に集中を。アタリがない、と言う人もアタリに気付かずに見逃していることも多い」そうです。

▲小型のメスイカはアタリも小さいので、穂先に集中して見逃さないように
胴突き仕かけで多かったヒットパターンは、チョンチョンと2、3回小刻みにシャクって、竿先を元の位置に下げて、ステイ。

▲底付近のタナで、仕かけをチョンチョンと動かしてアピールしてステイ
そのステイ中に、穂先をフッと戻したり、グイッと引き込むアタリが目立ちました。
タナは、この日はベタ底がメインで、オモリを底に着けた状態から小刻みにシャクリ上げて、スッと竿先を下げて底にオモリを着けた直後や、数秒のステイで乗ってきていました。
また、ベタ底や、底から1~2m上げたタナで置き竿にし、頻繁に竿を大きく起こして誘うパターンにもヒットしていました。

▲置き竿でも頻繁に竿を起こして仕かけを動かすとよかった
電動スロー巻きは、ダメだった印象です。
以上が当日の様子とヒットパターンです。
越前沖のヤリイカは、例年4月頃までは、まだまだ十分に狙えるシーズン。
日本海で大人気のマイカのシーズンが始まる前に、その前哨戦としてヤリイカ釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか?