3月と聞くと、ソワソワしてしまうのは、渓流ファンの証。9月末で禁漁になり、解禁の日を今か今かと待ち、解禁日には渓魚に合いに行く。それが、この釣りの魅力の1つではないでしょうか。
いろんな釣りを楽しむ記者ですが、渓流のエサ釣りは2回と経験が浅いものの、アユ釣りが大好きなので、解禁を心待ちにする気持ちや、川釣りの楽しさは理解しているつもりです。キレイなアマゴを釣りたくて、楽しみにしていたこの日。3月2日に、奈良・五條市漁協管内の熊野川支流・宮谷川へと、土居康二氏と行ってきました。

昨年に三重・長瀬太郎生川でアマゴをキャッチした記者
土居氏とは、昨年4月に三重・長瀬太郎生川の解禁日に人生2度目の渓流釣りにご一緒させてもらい、アマゴを2ケタキャッチ。今回も、本来なら解禁日に訪れたかったのですが、釣行日は解禁日の翌日。釣り荒れているポイントへ行くよりも、源流釣りで天然アマゴ狙いを楽しむことに。
ちなみに、この五條市漁協のアマゴ釣りは、大塔エリアの熊野川水系の舟の川、宮谷川と、西吉野エリアの吉野川水系の宗川があり、流域は150kmを管理。大塔エリアは3月1日、西吉野エリアは3月9日に解禁で、成魚放流は2月に舟の川と宮谷川へ300kg、3月に宗川へ300kg。発眼卵放流は昨年、宗川に3万粒。上流域には天然物も豊富な、自然豊かな河川です。

3月1日の解禁日の土居氏の釣果。成魚アマゴ主体に94尾の釣果(写真は一部)
さて、前日の解禁日にも宮谷川で釣りをした土居氏(釣果は94尾!)。人気の舟の川は釣り人が多くて、ポイント選びが大変なので、源流の雰囲気抜群の宮谷川を本命に、本流・熊野川の数ある支流や谷へ行くプランです。
6時、まだ薄暗い時間に合流し、本流の谷奥を目指します。ポイントに着き、準備をしていると辺りも明るくなってきて、釣りスタート。約1年ぶりの渓流釣りで、土居氏にイチから指導していただきました。
源流の釣りで大切なのは、まずはポイントへのエントリー。天然の魚は警戒心が高いので、驚かせずに、そーっと水辺に近付き、できるだけ離れた所から仕かけを投入することです。解禁当初の水温が低い時期は、深場がメインで、落ち込みの下や水深のある岩陰、流れの筋を狙うのがセオリーとのこと。

釣果の一部。アマゴのサイズは20cmまで。まだサビが入っていて、黒っぽかったです。土居氏は20cm級のイワナもキャッチ
最初は思うように仕かけの投入ができなかったのですが、徐々に慣れてきた頃、目印が変な動きをしたので、これはと思い、竿を上げると掛かりました! パーマークがハッキリと出て、朱点も鮮やかな天然アマゴ。美しくて、ウットリしますね。小気味のよい引きを楽しませくれました。流し方や合わせるタイミングなどのコツも覚えて、どんどん川を釣り上がっていくと、ポロポロとアマゴが釣れてくれました。楽しい!
この日は雨で、気温が高い予想でしたが、山奥はさすがに寒く、水温も5度。雨が少し強くなったタイミングで、休憩も兼ねて移動しました。次に向かったのは、宮谷川。舟の川と並んで人気の川で、釣り人の姿も確認しつつ、最上流部へ。

宮谷川の最上流部。所々に雪も残っていました。写真右上の落ち込みでアマゴをキャッチ
そのポイントを見て、正直、こんな所で釣れるの? と言ってしまいました。1mもない川幅、小さな沢。水深30cmぐらいのポイントでも、アマゴは上流から流れてくるエサを待ち構えていました。そこへ、イクラで狙って釣れて、その後イクラに反応がなくなったらブドウ虫にチェンジ。ブドウ虫で釣れて、反応がなくなったら、イクラに戻す。イクラは万能エサですが、エサ持ちがよく、ボリュームのあるブドウ虫もローテーション(当日は使用しませんでしたが、ミミズもあると◎)して、コンスタントに釣り続けることができました。

パーマークがくっきりの綺麗な天然アマゴ

沢の溜まりに見えていたアマゴをゲットした記者
ここでもアマゴを追加し、最後に成魚も狙えるポイントに入って、14時に納竿。記者の最終釣果は10尾超で、実質釣り時間は私の半分ほどの土居氏は30尾以上。凄いです。

土居氏は渓流釣り歴40年以上。本紙にも度々寄稿していただき、あらゆる渓流河川に精通する、渓流のスペシャリスト。がまかつライター、フジノライン淡水ライター
帰りに組合長宅に寄って、前日の解禁日の釣果をお聞きすると、多い人で3ケタ。2日も多い人は40尾以上だそう。今後水温が上がれば、アマゴの活性もアップ。盛期の渓流釣りが楽しめると思います。ぜひ、春を感じに、渓流に出掛けてみてはいかがでしょうか。

源流の雰囲気満点の宮谷川上流
☎五條市漁協(0747・25・3077)
日券3000円、年券7000円※舟の川、宮谷川、宗川は共通
五條市今井の漁協事務所、ファミリーマート五條病院前ほか、川釣りアプリ「フィッシュパス」で遊漁券取り扱い

使用ロッドは土居氏が、がま渓流春彩硬調540、記者は春彩Ⅱ硬中硬540。仕かけは土居氏お手製で、天井糸が鮎天井糸GLナイロン0.8号、道糸AQナイロン渓流0.4号、ハリスはAQナイロンへらハリス0.4号、目印はカット目印ロング中2個、オモリは1号-Bで、針はナノアマゴ5号など